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「多様な学びを考える」オンライン講座開催

 先日、ムスメさまは不登校の問題に関して、京都新聞の取材を受けた。

 衆院選に向けた記事で、「不登校を減らすためにどんなことを当事者は候補者に期待するか」というテーマをめぐり、具体的には「学校に行きやすくなるためにどんなことを政治に期待したいか」を聞きたいということだった。不登校を「問題」だとは全く思っていない、どころかむしろ誇りに思っているムスメさまは、「不登校を『減らす』??」と引っかかっていたが、「学校がこうだったらいいのに」という思いは胸の中にたくさんつまっているようで、取材に向けて思っていることを書き出すなど、はりきって準備をしていた。そしてムスメさまは1人で立派に取材を受け、その取材での発言は10月21日朝刊の主権者教育の記事で「もっと学校は人によってゆっくり学んだり早く学んだりできてもいいと思う。学校に行かなくても職業選択の幅が狭まらないよう、政治が変えてくれたら」と紹介されていた。

 ところでこれもつい最近のこと。令和2年度(昨年度)の不登校に関する(文部科学省による)調査結果が公開されたので報告書をパラパラ眺めていたのだけれども、なんというか色々と「そうじゃない!」と思ったのだよなぁ・・・例えば「不登校の要因」項目なんて、ムスメさまに当てはまる項目がまるで見当たらないのである。トラブル(いじめや教師との関係性など)と本人・家庭にみられる「問題」ばかりがつらつらと並んでいて、「学校のこここが嫌だ、耐えがたい」というような、学校のシステムの問題に関する項目がそもそもないのである。ムスメさまも新聞の取材で学びのペースについて言及していたけれども、「みんな一斉に、同じ内容を、同じやり方で」進める授業しか提供してくれない学校を拒絶しているのに、生徒の側に何かしら不適応や問題を見出そうとしかしていないことに違和感しかない。何が嫌なのかうまく言語化できずに足がすくんでしまっている子どもたちは、「無気力・不安」なんていう項目に雑にぶち込まれているんじゃないかと思うと怒りすらわいてくる。大体学校「しか」回答していない調査で、子どもたちの声を直接聞かない調査のデザイン自体がおかしい。

 そしてそんな実態からかけ離れたデータに基づいて示された対策は、子どもをケアする、「問題」へ対処していくということばかりで、「学校を、こんなふうに変えていきます」というものは、まじで!1つもないのである。何のモラハラ?と思ってしまうくらい、「自分に非はありません」感に眩暈がしてしまう。でももう、今のままの学校じゃダメなんだよ。数十万人もの子どもたちに「NO!」をつきつけられているんだということに、気づいていないのか気づかないフリをしているのか分からないけれど、このまま放っておいていいレベルではもうないのだよ・・・私のところに寄せられる、不登校や行き渋りの子どもさんたちに関する相談もどんどん増えている。

 じゃあ、学校はどんなふうになったらいいんだろう?
 今ある学校とは異なる学びの場とは、どんなものだろう?

 久しぶりに開催するオンラインふくろうぶんこの講座「多様な学びを考える~きのくに子どもの村学園・公立中学校・J-IVYの経験から~」では、オルタナティブな学校教育の中で育ち、公立中学校の教員経験を経たのち、不登校の子どもたちの学び庭(ば)J-IVYで担任教員を勤める金野摩耶さんをお招きして、これらの問いについて考える機会を持ちたい。学校がしんどいという子どもたちやその保護者の方のお話を聞いてきた私も、また不登校の子どもたちの親御さんたちも、学校という学びの場のいわば「外側」からしか問題を見ることができないけれども、オルタナティブな教育の場や現在の公教育の「内側」に広がる風景がどのようなものなのか知りたい。そして問題山積の公教育とオルタナティブな教育を比較して、今の学校のしんどさの本質はどこにあるのか、どう変わっていけるのか。様々な教育現場でのご経験、そこから見えたもの、知り得たことを金野さんから伺い、未来の学校の在り方についても考えていけたらと思う。

 ファシリテーターを勤めて下さるのは、社会的養護で育つ子どもや若者の権利を保障するための理念や方法について研究をされている長瀬正子さん。子どもや若者の権利という視点からみて今の公教育はどんな問題や課題があり、オルタナティブな教育が為せていることがあるとしたら何なのか。こういった観点と金野さんのご経験をクロスさせて考えてみたらどうなるだろう?個人的にとても気になっている。

 開催までにあまり時間がないが、当日リアル(対面)参加・オンライン参加・見逃し配信視聴と参加の形態も複数用意しているので、ぜひご都合のよい形でご参加頂きたい。お待ちしております。


「多様な学びを考える~きのくに子どもの村学園・公立中学校・J-IVYの経験から~」

 金野摩耶さんは、きのくに子どもの村学園という日本のオルタナティブ教育の草分け的な学校で育ち、公立学校教員を経験し、そして現在は不登校の子どもとともに過ごしておられます。いわゆる一般的な学校ではないスタイルの学校で育つなかで何を感じられてきたのか、公立中学校ではどのような思いをもたれたのか、そして、今、不登校の子どもたちと学びをともにするなかで感じておられること等、じっくりお話をお聞きする時間になればと思います。ファシリテーターとして、子どもの権利を研究されている長瀬正子さんをお迎えし、参加される皆さんとともに学校経験をふりかえり、これからの教育について思いを馳せる時間にできたらと考えます。

日時:2021年 10月31日(日)13:00-15:00
場所:梟文庫 + zoom(オンライン)
参加費:500円 学生無料​​(学生さんは梟文庫ホームページよりお申込みください)

※梟文庫でのご参加は、定員10名様までとなります。
※ご視聴は、1回線1家族とさせて頂きます。ご家族以外のご視聴はお断りいたします。
※講座は録画をいたしますので、ご参加にあたってご了承ください。
※当日ご参加頂けない方のために、後日オンデマンド配信(約1ヶ月間)いたします。

<お申込みについて>
お申込み開始:2021年10月23日(土)より開始(先着順)

お申込み方法:
①お申込みフォームより(お申込み後、メールにてお支払い方法をお知らせします)
梟文庫HP
https://www.fukuroubunko.com/%E5%A4%9A%E6%A7%98%E3%81%AA%E5%AD%A6%E3%81%B3%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B
お申込みフォーム
https://forms.gle/kTtCVToYzj1DbLH46
②peatix
https://onlinefukurou-tayounamanabi2021.peatix.com/
※peatixからのお申込みにはアプリのダウンロード等が必要になります。

お支払い方法:
①お申込みフォームから:ゆうちょ銀行への振込・梟文庫で直接支払い
②peatixから:クレジットカード・コンビニエンスストア・ATM

<講師プロフィール 金野 摩耶さん>

小学校1年生から高校卒業まで、きのくに子どもの村学園で寮生活をしながら育つ。
大学ではスペイン語を専攻し、弁論大会優勝、スペイン留学、スペイン国王の御前でスピーチをする学生代表に選ばれる等活発な学生生活を送る。
公立中学校の英語教諭、特別支援コーディネーターとして働くが、閉塞感に限界を感じ退職。
1年間国内、海外を自由に旅しながら過ごしたのち大阪YMCAに入職。学校に通っていない中学生の居場所J-IVYの担任として、共に学び、共に笑い、アイビーのように力強く成長するための学び庭(ば)を作っている。
外国語科(英語、スペイン語)の中学・高校教員免許、特別支援学校教員免許保有。

大阪YMCA J-IVY ホームページ
https://www.osk-ymca-intl.ed.jp/hc/j_ivy/

<ファシリテーター 長瀬 正子さん (佛教大学社会福祉学部)>

社会的養護で育つ子どもや若者の権利を保障するための理念や方法について研究。9才の子どもの親。主な著書に『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』(ひだまり舎、2021 年)など。

【zoomについて】

お申込み頂きお支払いを確認後、zoomのIDとパスワードをメールにてお知らせいたします。メールを受け取れるように設定の確認をお願いいたします。
開催当日30分前よりzoomを開放いたします。そこで事前に接続確認をして頂けます。
当日以外にも接続確認(サポート)可能です。ご希望の方はお申込み時にお知らせください。
当日受付時、開始後にはzoom接続に関するサポートはいたしかねますので予め操作等のご確認をお願いいたします。
講座内容の録音・録画・スクリーンショット等は禁止いたします。
講座内容は主催側で録画をいたします。お申込み(当日参加/後日配信視聴)頂いた方のみ承認制で視聴できる、非公開の配信を行います。当日ご参加の方でお顔が画面上にうつりたくない方は、カメラオフでのご参加をお願いいたします。また当日参加の方は、プライバシー上の問題もありますので、ニックネームでのご参加を推奨いたします。お申込みフォームにニックネーム記載項目がございますので、ご記入下さい。

【お申込み後のキャンセルについて】

原則キャンセルできませんが、ご事情により下記の通り対応いたします。
当日キャンセルにつきましては、ご返金できません。
前日までのキャンセル
①ゆうちょ銀行への振込を頂いた方:参加費から振込手数料をひいた額を返金します。​
②peatixからお申込み頂いた方:peatixの規約の通りになります。

細々noteですが、毎週の更新を楽しみにしているよ!と思ってくださる方はサポートして頂けると嬉しいです。頂いたサポートは、梟文庫のハンドメイドサークル「FancyCaravan」の活動費(マルシェの出店料等)にあてさせて頂きます。