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由立学校なんですって

 少しずつ,浮上中。

 この2週間たくさんの方を心配させてしまったのだけれども,本当にそれぞれの人がそれぞれのやり方で支えて下さったおかげで,じわじわと復活してきている。愚痴を聞いてくれた人,ムスメ氏をあたたかく迎えてくれた人,ムスメ氏に広い世界を見せてくれた人,相談にのってくれた人,ムスメ氏に別様の学びの場を経験させてくれた人,愛ある刺さる言葉を届けてくださった人・・・数えきれないほどのみなさん,本当にありがとうです。

 頭の中こればっかり!な日々を送っていたのであんまりnoteに書くことを思いつかないのだけれども,つい先ほどお布団の中でムスメ氏が「noteに書くことないの~?じゃあこれ書いたら?学校作って!って話。」と言う。

 なんのこっちゃ?
 ですよねー。

 まぁあの,「学校を作りたい」という私の妄想は今に始まったことではなくってですね,日々公教育の限界を肌で感じて6年。現場の先生がたは頑張っておられるし感謝もしているのだけれども,もうそういう何が悪いとか誰が悪いとかじゃなくて,そもそも制度的に色々厳しい,と感じざるを得ない。今そのことについて論じる気力も体力もないのでしないけれども,思うことはいーーーっぱいある。それが高じてくると,「学校!!作りたい!!!」と私が叫ぶのは割と日常的な我が家の光景なんだけれども。

 最近ムスメ氏はよく,「お母さん,学校作って!」と言うのである。

 ちょっと前の私だったら,ていうか1週間前の私だったら,「うっ。学校に居場所がないからや・・・」と不憫がって一人盛り上がりビッグハグをしてるところだが,今の私はちょっと事情があって一皮むけた。・・・なんてドヤ顔で言えるようなことじゃないんだけど。まぁとにかく彼女のその言葉に消極的なものではなく,未来に向かう力を感じるのである。

 1ヶ月ほど前から,ムスメ氏はフリースクールのアクティビティに参加するようになった。そこのフリースクールはとても自由な校風で,参加した初日ムスメは帰ってきてすぐさま「ねぇお母さん!あそこはね,お弁当いつ食べてもいいんだよ!来てすぐ食べてる人もいたよ。」と目をまん丸くして報告してきた。そして2回目のアクティビティ参加のあと,彼女はこう言った。「色んな学年の人がいるんだよ。私は色んな学年の人がいるほうが,いいみたい。」

 へぇ~。と思った。彼女が知っている学校は今まで1年生から6年生まで年齢で分けられていて,それ以外のあり方があるっていうことなど思いもしなかっただろう。でも「学校」と同じ名前がついていながら,年齢で分けられずに一緒に活動する形態もあるんだということを初めて知り,かつそういう環境を経験することになった。そうして初めて「比較の対象」が生まれ,「自分にとって,どちらが居心地いいのか」に気づいたのだと思う。そんなふうに自分の置かれている状況を相対化できるためには,比較の対象―今のあり方と違うあり方―の存在が必要なんだということに,私自身も改めて気づかされた。

 そんなこともあってか,私は彼女の「学校作って!」に,悲しみより希望をみているのかもしれない。妄想癖に関しては私のはるか上をいく彼女,今日言ってたのはこんなことである。

 「その学校はね,ゆうりつ。私立とか色々あるでしょ。私立じゃなくて,ゆうりつなの。ゆうは,自由の由。自のほうにすると自立になっちゃうから,それはちょっと嫌だから,由立。」

 ほぉ~!いいね!なんかすんごい舞い上がりそうぢゃない?

 「私は何を教えようかな~。あっ!!家庭科にしよっかな!?」

 由立学校の家庭科の先生になるんだそうである。生徒ちゃうんかーい。

 「今日もね~,リトミックで小さい子のお世話学んできたし~♬私がいたから,いつもより参加できた子もいたの~」

 友人のリトミック教室に助手として招いてもらい,褒めて育ててもらっているのか,自己肯定感あげあげで帰ってきた。

 本当に周囲の人々の眼差しと関わりを心からありがたい,と思う。そしてそれと同時に,私は彼女を誇りに思う。まだ10年ちょっとしか生きていないのに,もう他者のために自分の力を使う道に希望を見ているのだから。

 私の不安がうつってか,しばらく不安定だった彼女。でも揺らぐ私の傍らで,彼女に「それでいいよ。」というメッセージを発し続けてくれた人々がいてくれたから,その希望をつなぐことができているんだと思う。

 「noteのネタがないんならこれを書け」というムスメ氏の指令で書いた,由立学校親子妄想話。加わって頂ける方,いつでもウェルカムです。

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