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「そんなもん」の方をこそ

 今,梟文庫には学校に行っていない子どもたちがたくさん来てくれている。いやそれだけではなく,学校に行っていても非常にしんどい思いをしている子どもたちや,その親御さんたちから届けられる声も,どんどん,どんどん増えている。それらは本当に悲痛な,そして切実なSOSである。

 一体,学校で何が起こっているのだろう。

 わが子のことで支援機関へ行っても,もうすでに支援の方向性は学校への適応を目指すのではなく,いかに酷い義務教育環境をサバイブするかということが中心になっていることに大きな衝撃を受けた。「(在籍している)学校」が全てではなく,様々な選択肢が実際に増えてきており,それらをうまく組み合わせながら義務教育期間を過ごせるというのはありがたいことではある。しかしながら,こう思わざるをえない。

 じゃあ,一体公教育は何のためにあるんだ?

 教科学習も大したことやってないから家で取り組んだって大差ないですよ,むしろ自分のやりたいようにできて効率的ですよ。中1・中2くらいまでのしょうもない人間関係につぶされるくらいだったら,その期間自分の好きなことしてる方がいいですよ。まぁもちろんそこまでストレートには仰らないが,意訳&要約すればそう推奨されて帰ってきた。

 改めて問う。
 じゃあ,一体公教育は何のためにあるんだ?

 いや,私自身も色んなことを諦めて,その結果支援機関とほぼ同じ見解に至ってはいる。でもそれは繰り返しになるけれども,現実に直面して渋々諦めざるを得なかったからであって,「公教育なんてそんなもん」だとは到底受け入れられない。何しろ子どもたちはまっとうな教育を受ける権利があり,おとなたちはそれに対して義務を負うているのだから。

 「そんなもんだ,しょうがない。」
 「・・・ですよねー?」
 なんてわけにはいかないのである。

 だから支援機関が支援すべきなのは子どもじゃなくて,「学校」のほうなんじゃないの?って思うのだ。「そんなもん」をまずどうにかしてくれよ,って話なのである。「そんなもん」の中でいかに身を守るかなんて姑息なことを子どもに伝えるんじゃなくて,「そんなもん」そのものを治療する必要があるでしょ,どう考えても。

 排泄物だらけの汚い水槽の中で,小さな弱い魚から順にバッタバッタと死んでいってしまう。汚い水の中でも生きていけるように強くなれとか,何とか工夫して息をしろとか言うのか?あるいはそんな汚いところにいないで,きれいな水槽にうつりなよとでも?

 ばーか。ばーか。つべこべ言わずに,水をとりかえてきれいにしてくれよ。水槽をきれいに掃除して,小さくて弱い魚たちだって息のできる環境にしておくれよ。

 ・・・最近多忙を極め,かつこういうことで削られることが多く,荒んだnoteになりましたです。

 ところで当のムスメちゃんはというと,支援機関に行く前から・・・

 「私,中学行っても(今不定期で参加させてもらっている)フリースクールの活動日にはそっちへ行くんだ♡」

 などとフリーダム全開なことを申しておりました。
 おぬし,フルタイムで中学へ通うつもり,はなっから無いな?

 私もそこそこ自由人だと自認しているが,そのはるかナナメ上をいくムスメ氏。ビックリするわーと支援機関でお話したら,「それでいいと思います♡」ですって。
 い,いいんだ・・・

 まぁでもきっとそうやって彼女やその仲間たちが,息のしづらい現状をゆるやかに変えていくんだろうな,と思う。

 ついていきます,小さな師匠たち!

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