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「また明日ね」に

なんとなく
「今日で命を終わらせたいな」
と思ってしまった日でも
「また明日ね」
と笑顔で手を振ってしまう。

“その一歩”をどうにか踏み込まないように
たった今 呼吸を繰り返している事実から
なるべく意識を逸らす。

私には「明日」を約束した人がいる。

「これはきっと悪い夢なんだ」
そのことだけを信じて
この世界にたった一人だけの夜を迎える。

当たり前のように今日も朝日は昇る。

「目覚められた」と
自分の指先の感触を何度も確かめて、
私の大切な人達がまだ誰も悲しんでいないことに安堵する。

「また明日ね」が今日になって、そして
「また明日ね」を次の日も、
またその次の日も繰り返していく。

私はきっと「また明日ね」に救われている。

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