見出し画像

声に出して読みたい!宮部みゆき「三島屋変調百物語」シリーズ

おいっす~!神谷美里です!
以前のnoteで、「唯一自ら手に取ったホラー作品がある」と言いました。それがこちら。宮部みゆき・作「三島屋変調百物語」シリーズ

何が白で、何が黒か。娘の心を溶かす不思議な江戸の「百物語」。
ある事件を境に心を閉ざした17歳のおちかは、神田三島町の叔父夫婦に預けられた。おちかを案じた叔父は、人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。不思議な話は心を溶かし、やがて事件も明らかになっていく。

KADOKAWA

この作品は江戸怪談で、ホラー時代小説です。そう、ホラーなんです!!!
でも読める。
怖くないわけではなく、いろいろな意味での怖さや不思議な話がたくさんあります。それでもホラーが苦手な私が読めたのは、単に脅かしに来るホラーではないからです。
どちらかというと、本当は怖いグリム童話なイメージ。
とは言っても怪談なので、グリム童話のような教訓比喩物語とはことなります。

私的一番のポイントは、日本語が美しいこと!
特別な言葉を使っているとか、難しい言葉を使っているということではなく、時代物でありながら現代小説のような読みやすさを兼ね備え、それでいて音読した時にも美しい言葉と文章なのです。最高。

個人的に時代小説や近代小説の難点は、難しい言葉にあると思っています。現代では馴染みのない言葉や漢字の羅列は、余程慣れていない限りはスムーズに読むことが難しいでしょう。
漢文で一冊読むような感覚に近いのではないかと思います。読めるけど時間がかかるし大変難しい。そうして読書のハードルが上がっていく。

その点この「三島屋変調百物語」シリーズにはそういった要素が少ないように思います。というか、ほとんどない。
もちろん必要に応じて時代言葉は出てきます。「お店」が「おたな」であるだとか、そういうところはあるのですが、全体的な文章が小難しくないのです。読めば読むほどのめりこんでいく。日本語というのはこれほど素敵な音なのかと、音読して実感する。
段時代物を読まない方でも読みやすいという意味でもオススメしたい作品です。

ところでこの作品、私が特にお勧めしているのは後輩相手が多いのです。
なぜかというと、音読に向いているから。
ナレーションや語りをうまくなりたいと思った時にできることはいくつもありますが、この本を一冊しっかり音読できるようになったら格段にレベルが上がると思っています。

時代物というのは現代のライトな作品より、ある程度読みに重みが欲しくなるものです。
そうすると、語尾をしっかり落とさなくてはいけない。どっしりとゆったりと読むべき場所がでてくる。それでいて噺としての緩急が必要になる。カタカナはほとんど皆無なので必然漢字が多い縦書きに強くなる。
だから後輩から「神谷さんのような語りやナレーションができるようになるために、日常できる練習はありますか」と訊かれた時はこれをおすすめしています。
実際私も冒頭部分を何度も繰り返し繰り返し音読しています。

読めば読むほど味があり、読めば読むほど好きになる。
そんな宮部みゆき・作「三島屋変調百物語」シリーズも、実は母も読んでいました。これ面白かったんだよ~!と勧めたところ、「私も今読んでる!」と言われて笑ったのはいい思い出です。

:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・☆スキ・コメント、お願いします☆
神谷が気になって応援したいな~と思った方、ぜひメンバーシップをご検討ください!♪:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・:.。..。.:+・゚・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?