【一日一曲紹介】Cing 『アイスクリーム / サイネージ』
本当にご紹介したい曲が多すぎて、迷ってしまう!
本日はこの曲を。
Cing 『アイスクリーム / サイネージ』
顔を出さず、素性を明かさないアーティストが売れたりしている。
最近で言えば、Adoやヨルシカ。
狼のかぶりもので有名なマンウィズ(MAN WITH A MISSION)。
あれだけ物凄い勢いで売れたGReeeeNも、顔を出さないアーティスト。
ビークル(BEAT CRUSADERS)も、ライブではお面を脱いでいたけど、やっぱりあの荒い顔写真のコピーみたいなお面の印象が強いし。
遡れば時は1980年代。モンキーズのDaydream Believer(中学の時、英語の授業で歌いませんでした?)のカバーでおなじみのTHE TIMERSも、覆面バンド。
そしてこのCingも、「顔を出さないアーティスト」なのです。
このアーティストがBeingのプロジェクトだというのだから、また驚き。
ビーイングと言えば、B'z、ZARD、WANDS、DEEN、大黒摩季、T-BOLAN、KIX-S、MANISH、FIELD OF VIEW、倉木麻衣などなど、私のようなアラフォーが泣いて喜ぶ、90年代に大ヒットを記録しまくったアーティストたちをバンバン輩出していた超有名レーベル。
「ビーイングのアーティスト」といえば楽曲のスタイルが特徴的で。
上記のアーティストをご存知の方はきっとピンと来る方も多いのかも知れない、とにかく「90年代のJ-POPのROCK」と言えば、大体がビーイングだったと言っても過言ではないだろう。
そのビーイングが、今の時代に合った形で、世界を視野に入れて、新プロジェクトを始めている。
しかも、めちゃめちゃ尖った『照井サウンド』で。
胸熱すぎる。
楽曲の作詞・作曲・編曲は、照井順政氏。
自身のバンド ハイスイノナサや、アイドルユニットsora tob sakanaのプロデュース、アニメ「宝石の国」や「呪術廻戦」の音楽担当などで活動。
その圧倒的なギターの超絶技巧と、独特な世界観の楽曲は、国内外にコアなファンが多い。
私と照井サウンドとの出会いは、もうかれこれ20年近く前。
特に、ハイスイノナサ初期の「通り雨」という曲には本当に度肝を抜かれた。
バンドのプレイヤーの人間離れした超絶技巧にも素直に驚きワクワクしたが、何よりステージに、曲を聴いている脳内に、降るのだ。通り雨が。
雫が落ちて、視界が青に染まり、手にとるように、温度が、湿度が、彩られていくのだ。
あの感覚は忘れられない。
凄まじい世界観と、表現力だと思った。
Cingの曲では、その照井サウンド独特の透明感を存分に残しながらも、ゾワゾワッと感じるパッションがまたとても良い。
MVのアニメーションも、シンプルながら遊び心があって、とても良い。
パッと聞いて「あ、よっちゃんの曲だ」って分かるし、そこに実兄である淳政氏の作る立体的で繊細で摩訶不思議なサウンドが、もう何て言うか、とにかく他に類を見ないのだ。強烈に個性的。
この曲はFuture Bassという2010年代に発祥した新しい電子音楽のジャンルになるようですが、私は、どんなに機械的・未来的でも「人間っぽさ」の感じられる照井氏の楽曲が好きである。
いわゆる「1/fゆらぎ」を感じる、というか、「職人の丁寧な手作業」感があって、温かな温度が感じられるのが良いのです。
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