見出し画像

自分を守る。

もう12月だ。歳を重ねると時の流れが早くなると聞いたことがある。その理由は、子供の頃と違って新鮮さを感じられる出来事が起こらなくなるかららしい。様々な人生経験を積んで、できることやできないことは人それぞれあるにせよ、恋に部活に勉強にと新しく経験していく子供と違って、大人の生活にはそういった新鮮さはないらしい。大変なことはどんどん増えていくのにね。

ここ2年くらい、サウナにハマっている。観光地のホテルにあるようなオシャレなサウナも好きだし、銭湯にあるサウナも好きだ。それぞれに楽しみ方があると思うのだけど、私の場合はなにも考えられなくなるのが好きでサウナに行く。元々考えすぎるタイプで、そういう人間に「考えすぎない方がいいよ~」などとアドバイスするのははっきり言って無駄だ。そう言われてできることならとっくにやっている。だから考えが止まらなくなったり、悩みすぎて辛くなったとき、人に相談することをしない代わりにサウナに行くようになった。せっかくアドバイスしてくれた人にも申し訳ないし、なにより自分ひとりで多少なりとも気持ちの切り替えができるサウナがちょうどいい。

そうやってますます内にこもるようになった訳だけど、それぞれが思考回路を奪われているサウナでも気になることはいくつかある。

この前も歩いて近所の銭湯に向かったのだが、なんと定休日でやっていなかった。ただでさえ寒い12月の北海道でこのまま引き返すのも嫌だ。せっかく歩いてきたのに…!なぜか行きたいときにお店がやっていないことはよくあるので、気を取り直してもう少し歩いて違う銭湯に行くことにした。

そこの銭湯には露天風呂がなかったため、外気浴ができる場所がなかった。でも、外の気温が-1度なのに外気浴をして身体って大丈夫なのかな?いやでも、サウナの発祥はフィンランドだって言うし…などと思いながら、サウナに入った。サウナというのは基本的に身体をあたためる、水風呂などで身体を冷ます、外気浴などで休憩するというルーティンがある。人によってその順番や繰り返す回数は違うと思うし、水風呂なんて冷たすぎて入れないという人もいると思う。私のような人が本当にサウナ女子と呼ばれているかはともかく、たまに女の人にサウナの話をしても、水風呂に入っている人はいない。

そんな水風呂に2度目に入ったタイミングで、さっきもいた人と同じ人が入っていることに気がついた。あ、これはロットが被っているな…と思った。つまり、サウナにしろ湯船にしろ、その人となんとなくあたたまる時間が同じになってしまって、なんとなく水風呂へ入るタイミングが同じになってしまったのだ。

こういうとき、私はそんなに気にしないのだけど、一緒に入ることになってしまった人が嫌じゃないかなと思って心配になる。こういうことが気になってしょうがない人間なのだ。これから先の人生に気にならなくなることがあるかもしれないけど、少なくとも34歳の現時点ではまだまだ気になる。

そんなロット被りはサウナーにはよくあることだ。なんとなく早めに上がったり、その人が先に上がることもある。そういうことを気遣いつつも、やっぱりまたサウナに行くのだ。今あるモヤモヤがなくなることはないけど、少しだけととのう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?