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0→1が作れない地方デザイナーに指名が来るまで

0→1が作れない。

それでも指名で仕事をもらえるようになりました。

地方のIT企業インハウスデザイナーとして、モーショングラフィックスやマイクロインタラクションを作っています。土日は副業で、フリーランスのモーショングラフィックスデザイナーもしています。

しかし、私にはスペシャリストのようなセンスもスキルもありません。
「なんかどこかで見たことある」「これはまぁこう動くよね」そんな、二、三番煎じの画・動きしか作れません。

それでも指名で仕事はもらえるようになります。
いい画が作れなくても、スペシャリストでなくても。


何故仕事が来るのか?

🎞ある程度のクオリティの動画が作れる
💴そこまで高くない価格設定
🗃訴求を整理できる

🎞ある程度のクオリティの動画が作れる

Twitter、Instagram、YouTubeなどで、日々大量の動画広告を目にします。
公式アカウントを持っているサービスやブランドは、週に何度かSNS配信が必要で、スライドショーやテンプレート動画の、テキストと画像を差し替えて大量に動画を制作しています。しかし、どうしてもブランドやサービスに合った、もう一手間を加えた動画にしたいと思う企業も多いのです。

つまり、ただのテンプレート差し替えではない、少し凝った動画を作れる動画クリエイターは重宝されます。

ここで言う"少し凝った動画"というのは、これらが出来ると実現可能になります。

・イラストが描ける(不足素材を補える)
・絵コンテが作れる
・動画に合ったBGMやSEを充てれる

💴そこまで高くない価格設定

1.で少し凝った動画を作りたがる企業が多いと話しましたが、クラウドソーシングの場合は、1本の動画制作に30万以上掛けたがる企業は少ないです。
私自身営業が向いていないので、代理店を挟んでいますが、15〜90秒ほどのフルモーショングラフィックス動画としては、高くない価格設定にしています。(本当はもう少し欲しい…!)
「動画制作費」として請求していますが、その中には下記項目が含まれています。

・ヒアリング
・絵コンテ作成
・クリエイティブディレクション
・動画制作
・BGM・SE選定/追加(商用利用可能なストックサイトを契約しています)
・仮ナレーションあて
・ナレーション追加(ナレーションデータは代理店から支給されます)

🗃訴求を整理できる

「新しいサービスを認知させたい」「サービスの説明動画を作りたい」「会社の紹介動画を作りたい」といった依頼がよくありますが、依頼そのままで作ろうとすると、1本の動画に何もかも詰め込もうとし過ぎ、結果何が伝えたい動画なのかわからないものが出来上がってしまいます。

そもそも動画を観たユーザーにその後どうして欲しいのか、ユーザーにとってメリットとなるものは何か、ターゲットはどんな層か、同じ内容が重複して出てきていないかなど、情報/訴求の整理が出来ると、ヒアリング〜絵コンテ作成の段階で提案ができるようになります。

提案ができるというのは、ディレクションができるということです。
ディレクションができると、依頼そのままで作るオペレーション的なデザイナーとは、一線を画することが出来ます。


どうやって仕事を得れるようになったのか?

1. 作品をまとめる
2. 気になる企業に声をかけまくる
3. オンライン面接を受ける
4. 期待値超えで納品する

1.作品をまとめる

当たり前ですが、仕事を貰うには作品を見せる必要があります。

動画は、過去に作っていて楽しかったものを載せました。その方が、以降受注した案件にも精が出ます。

動画は限定公開のURLとして共有しました。制限なしに一般公開してしまうと、クライアントとの契約違反になる為です。期限付きの公開でも良いでしょう。
複数人で制作した場合は、自分が担当した箇所を明記しておきましょう。デモリールとして、複数の動画のいいところを繋いで1本の短編動画にしても良いと思います。

動画のクリエイターは、アーティスティックに凝ったポートフォリオサイトを作る必要はありません。Webデザイナーではないので、「このような動画を作れる」と判れば、YoutubeやVimeoの限定公開リンクがあるだけでもいいのです。ギャラリーのように並べて見せたければ、STUDIOなどのテンプレートで充分です。

2. 気になる企業に声をかけまくる

以前はクラウドソーシングサービスのLancersを利用していましたが、割りに合わない価格/スケジュールが多かったので、Wantedlyで気になる企業に声を掛けまくることにしました。(副業としての応募前提で進めます)
プロフィールに作品や基本情報をまとめ、検索条件から「副業・契約・委託」を選択し、キーワードに「After Effects」と入れます。こうすると、"動画編集"の仕事がある程度省かれ、モーショングラフィックス中心の募集に絞られます。(動画編集は、実写のインタビュー映像などをPremiere proやFinal Cut Proなどで長尺→中/短尺へ編集し、カラーグレーディングし、テロップを追加するものを指すことが多いです。)
気になる募集があれば「話を聞きに行きたい」ボタンを押します。1〜3日程度で「軽い面談できますか?」とメッセージが来ます。(3日を過ぎても連絡がない企業は、基本的にそれ以降も連絡は来ないので、こちらからメッセージを送るか、タイミングが悪かったと諦めましょう。)

企業からメッセージが来たら、面接前にこちらの用件を先にまとめて伝えましょう。私の場合、リモートで副業希望なので、下記でOKであれば面接をお願いします。という形にしました。

・遠方の為、面接や打ち合わせはSkypeなどのビデオ通話
・副業の為、土日中心で対応できるボリューム/スケジュール
・本業がある為、メールも日中は返信が難しい
・対応可能時間は土日+平日の夜時々

この時点で、10企業ほどに声を掛けていた分が、半分以下に減ります。やはり、「副業・契約・委託」と付いている募集でも、「フルリモート希望だった」「キックオフや都度のミーティングは東京のオフィスに来てほしい」といった企業が多いようです。

3. オンライン面接を受ける

Skypewhereby(旧:appearin) で面接を受けました。
オンライン面接は、人事とだったり、代表だったり、ディレクターだったり、企業により様々で、服装も私服。そこまでフォーマルな格好の方はお見受けしませんでした。
ポートフォリオを先に見て頂いていたからか、基本的に「是非一緒にお仕事を」という前提で面接が始まりました。下記についてお話しした企業がほとんどです。

・企業側が依頼したい動画
・私が制作できる動画
・After Effectsの習熟度
・平均予算
・平均スケジュール
・連携/納品手段

どのような動画やデザインが得意か聞いてくださる企業もいました。代理店など、数多くの案件を持っている企業は、複数のフリーランスデザイナーと契約しているところも多いようで、デザイナーの得意不得意に依ってアサインを分けているようです。
自分が得意とする、作りたいと思えるジャンルを担当させて頂けるのはとても有り難いですね。

最終的に、10社程声を掛けた中で双方の希望が合致し、実際に契約した企業は2社になりました。作業は土日中心で平日は連絡も取り難く、0→1が作れない地方のデザイナーにも仕事ができました。

4. 期待値超えで納品する

オンライン面接で採用が決まると、契約書締結の後、早速仕事がスタートします。

ただ依頼された動画を作るのではなく、ヒアリングから情報整理し、訴求がユーザーにきちんと伝わる動画にすると、クライアントの納得度・満足度は高く、ユーザーのコンバージョンも高くなります。

当たり前ではありますが、依頼が来た案件の内容、トーン&マナーを理解すべく、ヒアリング前に自分で調べることも重要です。「このサービスはこのカラーで、この要素を推しているんだな」「でもこの要素の方がユーザーにとって魅力的なのでは?」「この表現だとわかりにくいな」など、LPや共有された資料から調べる際に感じたものは、他のユーザーもそう感じる可能性が高いです。引っ掛かりを感じた部分を払拭・補完できる内容や構成の動画を目指すだけでも、コンテンツの質は上がります。

提案する際には、自身の考えを言語化する必要があります。
絵コンテや動画チェックの段階で上記の情報整理ができていると、構成や画の説明がし易く、説得力も高くなります。(まとめるのが苦手な人は、「クリエイティブブリーフ」に則って考えると、まとまりやすいかもしれません。)

アニメーションとしては、よっぽどリニアな動きや、スライドショーのような動きでなければ問題ないはずです。(クオリティが低く見える動画については、今後記事にしようと思います。)

指名で依頼が来るようになった例
LIGさんの動画マーケティングの目的&効果とは?メリット・デメリットと活用事例に取り上げて頂きました。 


まとめ

・少し凝った動画が作れると重宝される
・提案型で、オペレーション的なデザイナーと差をつける
・ユーザー目線での情報整理は大事
・自身の考えの言語化ができると、説得力をもって提案できる


同じく特出したスキルがなく、なかなか自信を持てない動画クリエイターさんにとって、少しでも有益だと嬉しいです。

お仕事のご依頼/ご相談がある方は、お気軽にコメントください!

ではまた。

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Ae記事がんばります