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京都暮らしエッセイ

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京都が大好きで、京都に暮らし始めました。ささいな暮らしの中で感じること、街歩きのエッセイを集めています。
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京都暮らし、晴れた日の朝活│左京ワンダーランド

「明日は晴れだ」 天気予報を見て、大きな晴れマークがついているのを確認するのは、私が幸せを感じる事柄のひとつだ。次の日が休みであればなおさら。 というのが、「明日は晴れだ」ということを確認してからの、脳内の動きだ。やっぱり晴れだったら出かけたい。でも暑いのも人が多いのも苦手だから、朝早く出かけよう。そう考えてから、軽い計画を立てる。ああ、計画を立てて明日の過ごし方を妄想するだけで、楽しい。 そして、今日。朝から雲ひとつない青空!日中は暑くなるとはいえ、朝の気温はまだ20

桜から新緑へ。季節の巡りをこの目で観察すること。

京都の多くの名所では桜が散り始めていて、少し寂しい。せめて少しでも春を長引かせようと、今まさに満開の場所を探てみる。そこで、妙心寺退蔵院の存在を見つけた。ちょうど大きなしだれ桜が満開だそう。退蔵院であれば自転車で行ける。今日は晴れだし暖かくてちょうどいいだろう。よし、行こう、と朝に決めて退蔵院へ向かった。 境内を歩いてすぐに飛び込んできたのは、とてつもない大きなしだれ桜。薄ピンクの花を咲かせて、青空をバックに堂々たる姿で咲き誇る。 桜の好きなところは、否応なしに上を向かせ

京都暮らしの春巡り。近所の名所・東寺と六孫王神社を定点観測

京都には本当に多くの桜の名所がある。どこに行こうか、どのように過ごそうか。選択肢はたくさんある中で、逆にたくさんあるからこそ、途方もない気持ちになり、選択疲れに陥ってしまう。 去年の桜の時期はというと、鴨川(賀茂川)でひたすらピクニックをしていた。お寺や神社を巡るわけでもなく、ただ目の前の景色をうっとりと眺めているような。 今年はどのようにして過ごそうか。引越した関係で、大好きな鴨川が遠くなってしまったし、観光客が例年以上に多い今年はなかなかゆっくり過ごすことはできないか

春の京都の片隅を歩く。桜の行方を追いかけ彷徨う日には

4月1日。新生活にドキドキしたり、そうでなくてもなんとなく背筋がピンとしたり。フリーランスで特に環境に変わりはない私ですら、「新しい区切りだな」と思えるこの時期が好き。4月1日、桜の開花も進みつつあり、そして京都の天気予報は大きな晴れマーク。いいスタートを切るためにも、始まりにふさわしいこの日を、桜巡りDayに充てることとした。 気づいたら、1日で10キロ近く歩いていた。歩こうと思って歩いたわけではなく、桜を追い求めていたら、歩いていたのだ。バスは混雑していてあまり乗る気に

京都暮らしの春巡り。春を先取りする、長徳寺のおかめ桜

京都暮らしの春巡り。京都暮らし2年目の私が、大好きな京都で過ごす春の美しさを記録として残しておくnoteです。こちらのnoteに続き、第2弾は一足早い春の訪れを知らせてくれる、長徳寺のおかめ桜について。 京都の街で、春の訪れをひっそりと知らせてくれる場所3月中旬にもなるのに、雨が降ったり気温が10度近く下がったり、100%の気持ちで「春が来た!」と言えない気候が続く。まだ真冬に着ていたコートとマフラーは欠かせないし、長時間の外出は厳しい。本当に来週には桜が満開になるのだろう

京都暮らしの春巡り。梅小路公園で一足早い春の香り

京都が大好きで、気づけば京都に暮らし始めていた。京都には有名な寺社仏閣がたくさんあり、観光客の心を惹きつけて止まないけれど、この1年ちょっと京都に暮らして思うのが、京都の魅力は日常にこそある、ということだ。 京都に暮らし始めてから、昨日と今日と明日のそれぞれの景色の移り変わりをこの目で確追うことの楽しさを知って。春夏秋冬だけでなく、春と夏の間、冬と春の間、季節の移り変わりの美しさを愛おしいほどに感じられる。その移り変わりを体感できるのが、旅行と暮らしの決定的な違いだと思う。

京都が大好きな私が、さらに大好きでたまらない場所について。丸太町~出町柳~鴨川

京都が大好きでたまらずに移り住んでしまった私だけれど、その京都の中でも、とりわけ大好きなエリアがある。それが、神宮丸太町~出町柳~下鴨神社のあたりだ。地図でいうと、鴨川が左右に分かれて、賀茂川(西)と高野川(東)に分岐するちょうどそのあたり。 晴れた日には、ついこのエリアを散歩したりカフェにふらっと立ち寄りたくなったりする。数ある大好きな京都のエリアの中でも、特別視したくなるほどにお気に入りのエリアなのだ。 今日はそんな大好きな場所で過ごすお気に入りの時間、場所をまとめて

晴れた日、鴨川にて。

久しぶりの、晴れの日だ。ここ最近ずっとどんよりとした曇り空で、時にはしとしとと雨が降り続いていた。東向きの寝室には、本来なら朝の時間を知らせるかのように、あふれんばかりの太陽の光が差し込むのだけど。ここ1週間くらい太陽の光が届かず、つい目覚めが悪くなっていた。 けれど、今日は違う。ベッドに降り注ぐ太陽の光を感じたとき、「あ、今日は晴れなんだ…!」と、届く日差しを全身に浴び、一瞬にして目を覚ますことができた。 うれしい。そんな単純な気持ちによって顔がほころぶのが分かる。サボ

行きたい場所を繋いでいく自転車旅。

私が京都を好きな理由のひとつに、自転車でどこにでも行ける、というものがある。京都の街はコンパクトにぎゅっとまとめられていて、道は碁盤の目状に広がっているので、道に迷うこともなく、北へ南へすいすいと進める。鴨川を走り抜けば、信号もなく快適に風を感じられる。自転車で走るには実に快適な街だ。 春の訪れをひそかに感じる日々。実際はまだ寒いけれど、冷たい空気のなか太陽に照らされて揺らめく木陰や澄んだ青空を見ていると、外に出たくてたまらなくて、いつのまにか新しい場所へと足を運んでいる。

大好きな場所が暮らしのすぐそばにある、その意味とは

大好きな場所があるからこそ、私は京都で暮らすことを決めた。観光ではなく、日常のなかでそばに置いておきたい場所がたくさんあるから。旅行のときにだけ訪れるのはいやだ、散歩がてら訪れたりするように日常のなかにもっと大好きな場所を組み込んでおきたい。そんな気持ちで私は京都での日常を過ごしている。 初詣に、久しぶりに下鴨神社を訪れた。私は京都の数ある神社やお寺のなかでも、上位で下鴨神社が好き。足を踏み入れたとたんに変わる空気感や、季節で移り変わる緑の深さ、そんな緑を抜けた先にひっそり

京都暮らしの紅葉巡り。グラデーションで移り変わる日々。

京都暮らしの紅葉巡りの記録。赤や黄色、緑、オレンジ。彩り豊かなグラデーションの景色を眺めるのが大好きだ。 晴れた日には、太陽の光で葉の影がゆらゆら揺れる。真っ赤な燃えるような紅葉もいいけれど、私はいろんな色が入り交ざった「あいまい」の景色を楽しんでいたい。今年も大好きな街・京都で、たくさんの紅葉とその街の空気を味わった、その記録を。 四季の移り変わりが美しい、智積院春夏秋冬、どの季節に訪れても美しい景色に出会える智積院。20回以上行ったことがあるけれど、紅葉のピークの時期

同じ景色を、季節を変えて眺め続ける、定点観測のススメ。

身の回りの景色が赤や黄色に染まる、今日この頃。絵具のようなくっきりとした空の青色を背景に、高く高くそびえるイチョウの木が美しい。真っ赤のモミジだけでなく、色づき始めのオレンジの葉やまだ色づいていない緑の葉のグラデーションが美しい。足元に広がる落ち葉の彩り豊かな模様に、より一層秋の気配を感じさせてくれる。 ただいつもと同じ景色を歩いているだけなのに、秋の街を歩くのはなんて楽しいことだろうか。そんなことを考えながら、大好きな京都の街を歩く。 いつも散歩がてら見ていた何気ない木

京都暮らしのエッセイづくり完成までの道のり【Vol.1】

年内に京都暮らしのエッセイをまとめたZINEを製作しようかと思っている。とはいえ、まだまだ構想すらできていない状況。せっかくなので、「どうしよう?」の過程をnoteにまとめていくのも面白いかな~なんてことを考えながら、いまこの記事を書いています。 まず第1弾の今回は、ZINEのテーマやコンセプト、世界観をまとめていければなあと…!本当に書きながら考えている、脳内そのままでお送りします。 コンセプト・テーマ今回のZINEのコンセプトについて、こんなテーマで書いてみたいなあと

京都暮らし、休日の朝の過ごし方

秋の京都には、たくさんの観光客が押し寄せる。だからか、私は朝の時間に出かけることが多くなった。混雑を避けるため故の、早起き。いつもより少しだけ早く起きて、車も人もまばらな京都の街を自転車で駆け抜ける。 人が数えるほどしかいないひんやりとした静かな街の空気は、京都で暮らしているからこその、ちょっとした幸福をもたらしてくれるかのようだ。 朝6時半ごろに家を出る。自転車で30分の場所にあるお寺で坐禅をするためだ。毎月第2日曜日に坐禅と法話が行われている建仁寺。京都で暮らす前から