ひかりこ日記55 宝石泥棒（ぱー3歳）

最近お気に入りの絵本に、宝石泥棒が出てくる。ぱーは、これが気になって仕方がない。

「ほうせきどろぼう、ぱーのおうちに、くる？」
「来ないよ」
「なんで？」
「ぱーのお家には、宝石ないから」
ぱーは、自分の宝物の、おもちゃの指輪を思い出した。
「ぱーのゆびわは？」
「ぱーのは、可愛いやつだから大丈夫だよ」
「なんで？」
「うーん……宝石泥棒は、大人の宝石が好きだから」
「ぱーのおうちには、おとなの、ほうせきは、ないの？」
「ちょっとだけしかないよ」
「ちょっとだけだったらこないの？」
「宝石泥棒さんは、たくさん欲しいから、ちょっとだったら来ないよ」
それでも、不安なぱー。
宝物の指輪たちを、巾着袋に入れて、念入りに布団の下に隠した。
「どろぼうさん、こない？」
「来ないよ」
「なんで？」
「うちには、大人の宝石がないからね」

何度も言わせないで……