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式場見学したら思いがけずパーソナルスペースについて考えさせられた話

先日ブライダルフェアに行くまでの話を書きました。

実際に3件のブライダルフェアに参加して式場を決定したわけですが、ブライダルフェアに参加してみて、思いがけず人との距離感やパーソナルスペースについて考えさせられる機会がありました。


3件目に見学した式場でのことでした。
その式場は新しくできたばかりで、チャペルも披露宴会場もきれいだし、私のイメージするものとも近くて、下調べをしていた段階では大大大本命の会場でした。でも結論から言うと、その会場は選びませんでした。

選ばなかった理由としては、プランナーさんの距離感に違和感を覚えたというのが一因です。もちろんそれだけではありませんが、私的にはプランナーさんの対応も式場を選ぶうえで結構大事だったなと思います。


その時担当してくれた方は多分私よりも若い女性だったんですが、華奢でかわいらしくて、「熱意をもってこの仕事してます!」というオーラがすごく出てて、きらきらしてる方でした。
笑顔も素敵でいいな~と思ったんですが、彼女に対するわたしの心のシャッターは割と序盤で閉まり、それ以降一度降りたシャッターが開くことはありませんでした。


見学当日、会場に到着して席についてまずアンケートを記入しました。その後、はじめましての挨拶をして名刺をいただきながら、言われました。

「ウェディングプランナーのウエマツ(※仮名です)といいます。プランナーと新郎新婦様はお式まで長いお付き合いになりいろんなことを話すので、期間限定の親友みたいな感じになります。なので、いい関係を作るために、ぜひ!!あだ名で呼んでいただきたいと思います。名字がウエマツ、というので、ぜひ”ウエちゃん”と呼んでください!お二人のことも親しみを込めて下のお名前でお呼びしてもよいですか?」

この瞬間に、シャッター閉まりました。閉店ガラガラ。

え、なんで?どこが?いいじゃん。

あだ名で呼ぶのね、わかったよー!

って思う方もいますよね。わかります。聞く人が聞いたら別に普通の会話だと思います。私も文字に起こしてて”まぁよくある会話なのかも”って思ってきました。雰囲気までうまく伝えられなくて悔しい。

ただ、こういうぐぐぐーっていきなり近寄ってくるような距離の詰め方が私は苦手なんです。有無を言わさずあだ名で呼ばなければいけない感じも、「お名前でお呼びしてよいですか?」を断れない感じも、すごく苦手でした。なんかすみません。
結局その方をあだ名で呼ぶことは一度もなかったんですけど。

ちなみに彼も同じタイプのようで、彼の顔を見なくてもオーラでシャッター閉まってるのわかりました。

その後も
「北海道は前お付き合いしていた人とよく旅行していたので親しみがあります!」
「友人に同姓同名の知り合いがいて、会う前から親近感湧いてました!」

とか、無理やりでもないんですけど、距離を詰めようとして(少なくとも私はそう感じた)私たちの名前や出身地、職業などを、私たちが全く知らないプランナーさんの兄弟や元恋人と結びつけてる感じがあまり好きじゃなくて、右から左へ~状態でした。
こういう話で会話が弾んだり、親近感をお互い覚えて仲良くなったりすることもあると思うんですけどね…

すごく丁寧に真摯に式場や演出について説明していただいてありがたかったのですが、ところどころ、
「ん?あれ?この距離感でまだ会話できる仲じゃなくない?」
と思うことも多々。
初めから親しく接するのが好きな人もいると思うのですが、私はもう少し、初めましてなりの適度な距離感を保ってほしかったというのが正直なところです。

最初の段階でシャッターが閉まってしまったからか、式場や料理の魅力を伝えてもらっても残念なことになかなか素直に受け取れなくなってしまいました。

大本命な式場だったはずなのに、うまく距離感を測れなかったせいなのか帰路はなぜだかぐったり疲れてしまったし、後味が悪い見学に終わってしまいました…。

何度も言いますが、プランナーさんの対応だけがそこを選ばなかった理由ではありません。選んだ式場のほうが良いと思う点が多かったからなのですが、結婚式を作るのはやっぱり人だから人も大事だなと思ったのと、初めの距離感はもちろんですが、どちらかが一方的に距離を詰めようとするのはあまり上手くいかないんじゃないかなって思いました。
感じ方は人それぞれだというのは重々承知なので、ただ私がそう思っただけ、です。



人との距離感って言葉遣いとか、呼び方とか、会話の内容とか、物理的な距離とか、いろいろなところに表れると思います。

適切な距離感ってなにかな、って考えたんですけど、正解あるんですかね?
自分が思う正解が相手にとっても正解とは限らないですよね。難しい。

はじめましてからすぐ距離を縮めたい人もいれば、ゆっくりと距離を縮めたい人もいる。
初めは違和感のある距離が次第に心地よくなっていくこともあれば、時間をかけてお互いに心地よい距離感を作っていくこともあるんじゃないでしょうか。

私はボディータッチが苦手です。仲の良い友人や家族は別ですが、基本的にはあまり触れられたくありません。
特に女性同士って、会話のふとした拍子や盛り上がった時に相手の肩に触れたりすることありますよね。何気ないボディータッチですが、私的にはこちらがあまり近しいと思っていない相手だと避けたいことの一つです。
ぞわぞわと鳥肌が立ちます。
バレないように自然に距離をとります。
次から接するときは警戒レベルが2段階くらいUPしていると思います。

中学生の時に、ボディータッチが苦手だと初めて自分で認識しました。
なんとなく人に触られるとぞわぞわする感じがする…とは思ってたのですが、当時あさのあつこさんの「バッテリー」という野球少年が主人公の小説を、漫画にしたものを読んでいて。
ピッチャーである主人公がたしか母親に肩を触られて、「気安く触るな!」的なことを言っているシーンがあったんですよね。なにもググらず記憶頼りで書いているので違ったらすみません。笑
彼はピッチャーとして大事な肩に気安く触れられたことに憤りを感じたんだと思います。話の前後も覚えていないので多分ですけど。
私は野球もやっていないし、豪速球を投げられるような肩も筋肉も努力もなにもないけど、”気安く触られたくない”という点にすごく共感を覚えました。その背景は全く違うと思うんですけど、人に触られてぞわぞわする感じが一種の嫌悪感なんだと気付いた瞬間でした。
ちなみに、主人公豪速球投げるタイプのピッチャーでしたっけ?

ボディータッチって、それ自体がもう癖のようになっている人もいると思うんですけど、自分が思う距離感と相手が思う距離感が異なる場合にも起こり得るのかな、と思います。
まあ、どちらも同じボディータッチなので私はどちらのパターンも苦手なんですけどね。
私がボディータッチをされたくないと思う相手には、もちろん私も触ることはありません。
髪の毛にゴミついてたりしたら取りますけど。
仕事のときはもちろん別です。
”手当てする”という言葉がある通り、患者さんに直接触れるということはある場面ではとても有効だったり大事だったりするので、仕事の時は触れることへの抵抗は全くありません。

仕事柄初めましての人と多く接するので、人見知りではないしどちらかというと社交的な方だと思います。
でも人との距離感は慎重に測りたいし、近い距離感を許せる相手は数少ないです。それでよいと思ってます。それ以外の人には、自分のパーソナルスペースをしっかり保っていたいし、自分のテリトリーを侵されることに抵抗があります。

本当の意味での社交的って、誰とでも仲良くなれるという意味ではなくて、相手との適切な距離感を保って円滑にコミュニケーションをとれる、ということなんだと思います。
わたしは社交的って周りに言ってもらえるけど、友達は多い方ではありません。


ボディータッチも、ブライダルフェアでの一例も、こちらとしては自分のパーソナルスペースに土足でずかずか入り込まれたような気持ちになりました。だからといって相手にわかりやすく冷たくしたり跳ね返したりはしませんが、自分が心地よい距離感で接することができないと疲れるな〜って思っちゃいます。

相手との距離感は、育ってきた環境とか、友人関係とか、仕事なら社風とか、そういうのが複雑に関わっているし、自分のパーソナルスペースも関与するから難しいですよね。
結局のところ誰にも正解はわからないし、正解はないというのがひとつの答えなんじゃないかな〜。
だからといって相手との関係性を慮らず好き勝手コミュニケーションをとる、というのは違うと思います。

ここからはパーソナルスペースだから守ってねー!
みたいな、目に見える線でもあったら楽なんでしょうけど、目に見えないものを察したり感じたりしながら人間関係を構築していくというのも、人と関わる醍醐味で楽しさのひとつなのかな〜と思いました。



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