風の強い日は『お探し物は図書室まで』
今日は山に行こうと思っていたけど、土日両方晴れ予報だし、南風が強いというし、明日の方が暖かいという天気予報だったので、今日は掃除洗濯をして、午後は読書にふける事にした。
最近、自己啓発系の本が多かったので、「あぁー、やっぱり小説好きだ」って思った昼下がり。名作に出会った。
小学生の時、図書室、保健室と、校長先生の部屋が好きだった。
養護教諭になりたいと思っていた時期もあって、この本の中心人物“小町さん”が、元養護教諭の先生で、今は司書というところに親近感を感じた。保健室によく行っていた自分は、各短編の主人公が小町さんに、なぜか自分のことを話してしまう気持ちが分かる気がして、自分とは違う人生を歩む5人の話しに読みいってしまった。
そして、ずっと泣いていた。自分と違う人生を歩む主人公達なのに、自分にも当てはまるところが沢山あったし、自分以外の人が「ああ、もしかしたらあの人は…」こう感じて生きているのかもと思い、涙なしには読めなかった。
地に足のついた主人公の生き方、自分との向き合い方の描写が素晴らしかった。
どの登場人物も心に残ったが、今の自分には25歳ひなちゃんの人柄に惹かれるものがあった。自分と似ているからではなく、自分にない視点と強さとバイタリティーがあった。どちらかと言えば、私は性別は違えど、ひなちゃんと付き合う35歳のサラリーマンの方に重なる。「あぁ、自分はどうしてこの子のように出来なかったんだろう」と後悔と反省をしつつ、相手を信じること。信用してことを進めることの重要性を再認識した。
社会は信用で成り立っている。
沢山の名言と、気づきがあった。
自分の人生を、生活を丁寧に生きること。
今の自分がやっている事、自分をちゃんと大事にしてあげる。
夢の先を知りたいなら、しっかり描いてみる。行動してみる。
裏切られたと思う辛いことがあったとしても、何も失っていない。
人は、いかに自分中心の世界のなかで、プライドや、偏見、強がり、見下し、承認欲求、劣等感、孤独感を抱えて生きているのかがよく分かった。これは悪いことでは全くない。でもこうした感情は、自分を辛くすることしかないから、視野を広く、視点を多く持つ、自分が自分を認めることがとても大事なんだなと、物語を通して感じた。
自分を褒めるという言葉は、最近よく耳にする言葉だったけど、小町さんが、自分がこの世界に生まれてきたことについて話した事が印象的だった。ここまで視点が及んでなかった。
短い会話の中でのさゆりさんの一言が、絶妙だった。否定するわけでもなく、アドバイスでもなく。でも、相手の心を理解した染みわたるひと言。相手の思考・心理に気づきのきっかけをつくるひと言。私もコーチとして、人として、こういう関わりをしたいと思った。
人生はメリーゴーランド。多され少なかれ、人は悩みを持っている。
この心が暖かくなった余韻をかみしめて、明日は山を登ろう。
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