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詩 『縄』

誰もあの素敵なプリンセスになれないと
知った夜
気づいたら周りは皆プリンセス
夢に向かう前に
辿り着くべきところはここで
桜咲く春の日に胸を痛めつけたあの風を

諦めるだけだから
忘れるだけだから
消え去るだけだから
誰も必要としていない
前を向けばいいだけで
屁理屈が口をついて出る
みんなの前と私の前は逆だと胸を張り続ける

ある夜に言われたあの言葉
悪口は友達を遠ざける
凛々しくて自信のない表情は
まるで魔法にかけられたかのように
なくなった
うなされ、地響きを背にして
丸くなった地球と丸くなった全て

さよならの地へ
荒れ狂う地へ
愛し合う地へ
進むべき道へ

助け合う地で
罵り合う地で
汚れた土地で

もう怖いものなんてひとつもない
プリンセスになれないことは知っているから
未来への希望なんてとっくになくしているからさ

朝になれば酒とタバコと腫れた目をしてる
会う度に沼へと落ちていくだけ
いつしか心が惹かれていった
そうここが私のお城なの

待ち侘びた
信じてた
心のどこかで信じてた

叫んでた
恨んでた
心のどこかで妬んでた

もう真っ直ぐな道はいらない
茨の道を進むから

もう正しくて真面目な道はいらないから
落ちぶれた私でいいから
誰も
なにも
期待していないから

夢も
地位も名誉もいらないから
同じ血を巡らせた彼らとは別物だ
落ちこぼれで
ダメな人でそれでいい
だから離れて

いいの
もういい
もう離して
もう聞かないで
あなたが思う私はどこかに置いてきたんだ
本当は初めからそんな人間どこにもいないのに
魔女でいい
素敵じゃなくていい
手のひらから滴るものだけが
これからの生きる道を知っている

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