【2021年春】オンライン陶器市参加レポート(益子・砥部・有田・萩)
前回の記事では、GWに開催中の各地のオンライン陶器市(全11会場)を一覧でご紹介しました。
そのうち、
・益子WEB陶器市
・砥部焼オンライン陶器市
・WEB有田陶器市
・萩焼まつり
の4つのオンライン陶器市で実際に買い物をしてみましたので、今回は感想や気付きを交えつつ、その様子をお届けしていきます。
1. 益子WEB陶器市
4月29日(木)午前9時に開幕した、益子WEB陶器市。4月22日からサイトがプレオープンしていたので、ページを見回っては気になる作品を「お気に入り」に追加していった。
写真から伝わる、ぽってりとした陶器の厚み。料理を温かく包み込んでくれそうだ。窯元・作家ごとに作風や絵柄の特徴が異なり、作家ページを巡るのがとても楽しい。
結局「お気に入り」に追加した作品は、70個以上に上った。その中でも、必ずゲットしたい作品を3つ厳選した。
1つ目は、川尻製陶所のコーヒーカップ。
出典:益子WEB陶器市
コロンとしたフォルムと、深みのある青色に一目惚れした。コーヒーを大量に飲む私にとっては、サイズが若干小さい。が、そんなことはどうでもいい。それほどまでに、このカップが気に入った。
2つ目は、同じく「川尻製陶所」の5寸皿。
出典:益子WEB陶器市
コーヒーカップと同様、吸い込まれそうな青色に目が釘付けになった。サイズもちょうどいいし、食洗機や電子レンジでも使える。おかずを乗せたり、ケーキや駄菓子を乗せたりしたい。
3つ目は、陶芸家のご夫婦「川田達哉さん・敦子さん」の里山だ円鉢(鳥)。
出典:益子WEB陶器市
パスタやカレー、オムライスなどを盛り付けるお皿を夫婦で探し回った末に、ようやく見つけた。深さは理想通りだし、食洗機にもギリギリ入るサイズだ。工房周りに住む小鳥をモデルにしたという絵柄も素敵。
まずは、この3作品を確保し、それ以外の作品についてはじっくり検討することにした。
というのも、益子WEB陶器市では複数回に分けて注文した場合、注文の統合・同梱ができるからだ。(※別途申し込みが必要)配送料は、統合後の金額で再計算される。
本当にありがたいシステムだ。これなら他の陶器市にも参加したうえで、購入を検討できる。
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迎えた当日。
本当に、コーヒーカップを手に入れられるのか。胸騒ぎがしたので、事前準備を入念にすることにした。
開催の30分前、午前8時30分にスタンバイ。目当ての3作品のページをすべて開いておく。
8時55分。117に電話をかける。
時報を聞きながら、自分に言い聞かせる。
「住所はすでに登録した。あとは支払い画面で、クレジットカード番号を早打ちすればいいだけ。大丈夫。なんといっても私は、カード番号とセキュリティコードを常に暗記しているのだから。大丈夫。」
9時を告げる時報。その0.5秒くらい後に、作品ページを再読み込みする。この時点で、コーヒーカップの在庫は2個。
3作品を次々とカートに入れ、震える指でカード番号を入力する。支払いボタンを押すと......
「テストモード」だと?いやいや、私は本気モードなんだが。本気度が足りない、のだろうか......。
ようやく、クレジットカードの有効期限の入力方法に問題があったことに気づいた。
一度ハマった沼からは、なかなか抜け出せないものだ。正しい情報を入力したつもりでも、「テストモードだ」と指摘される。
仕方がないので、トップ画面に再アクセスして、初めから手続きをやり直すことにした。
が、ここでコーヒーカップは売り切れ、私のカートからはじき飛ばされた。9時3分のことだった。
その後、3回くらい「テストモード」と格闘した末に、やっとのことで2作品を購入できた。9時6分。川尻製陶所のお皿も、私の購入とほぼ同時に完売したようだ。
入念に準備したが、結局コーヒーカップは手に入らなかった。思うようにいかないものだなぁ。
それでも「次の陶器市に向かわなければ」と、気持ちを奮い立たせる。
ちなみに、期間中には2回の窯出しがあり、新商品が追加されるとのことだ。
第一回窯出し:5/2(日)9:00〜
第二回窯出し:5/5(水)9:00〜
また、在庫切れの商品が復活する可能性もあるそうだ。粘り強く、コーヒーカップの在庫が復活するのを待ってみよう。
私の益子WEB陶器市は、まだ終わっていない。
益子WEB陶器市
期間:4月29日(木)9:00~5月9日(日)17:00
問い合わせ先:shop@mashiko.online
Instagram / facebook
2. 砥部焼オンライン陶器市
続いて参加したのは、「砥部焼オンライン陶器市」。砥部焼は、愛媛県砥部町で作られる磁器で、ぽってりとした厚手のフォルムと藍色の染付が特徴なのだそう。
さっそく、カテゴリー別に作品を見て回った。
出典:砥部焼オンライン陶器市
優美なうつわが、次々と目に飛び込んでくる。心惹かれるうつわが思いのほか多い。
悩んだ挙句、2つの作品を購入することにした。
1つ目は、「西岡工房」の「タンブラー(大)馬に蛍」。
出典:砥部焼オンライン陶器市
藍の染付で馬が、金彩で蛍が描かれている。幻想的で、写真を見るだけでドキドキした。高さも12㎝と十分で、使い勝手が良さそうだ。キンキンに冷えたアイスコーヒーを入れて飲みたい。
2つ目は、「福幸窯」の「木の葉 猫の皿(小)」
出典:砥部焼オンライン陶器市
猫の表情に、ほっこりする。窯元の紹介ページには、ふかふかの猫を抱いた職人さんの写真が掲載されており、親しみを感じた。取り皿として、2皿購入することにした。
砥部焼オンライン陶器市では、11,000円以上の購入で送料が無料になる。今回は11,000円には届かなかったため、送料が1,100円(大阪)かかってしまう。
Amazonや楽天市場での買い物だったら、「送料を支払いたくない」と思うかもしれない。だがこれは「陶器市」なのだ。本来なら交通費や宿泊費がかさむはず。それをオンラインで、こんなにも気軽に参加しているのだ。そう考えると、送料が惜しいとは思わない。堂々と購入手続きを完了した。
今まで私は、砥部焼の作風すら把握していなかった。だが今回、オンライン陶器市に参加して、砥部焼の魅力を知った。現地の陶器市はもちろん、いつか窯元も訪れたい。
この思いは、購入した作品を手にすることで増すのだろうか。作品が届くのを、楽しみにしている。
砥部焼オンライン陶器市
期間:4月29日(木)9:00~5月16日(日)
3. 有田WEB陶器市
WEB有田陶器市では、参加店の一覧が事前に公開されていた。そこで私は、開催日前日に、前もって各店舗の作品をチェックすることにした。
が、参加店は163店舗もある。店舗は五十音順に並んでいるが、特に「あ行」の店舗がやたらと多い。「有田 〇〇」とか「有田焼 〇〇」とか。どの店舗までチェックしたのか、だんだんわからなくなってきた。結局、「か行」に差し掛かったところで力尽きたが、50店舗はチェックしただろう。
当日、実際の陶器市をイメージしたマップが公開された。マップを見ると、有田陶器市の規模の大きさに驚かされる。AブロックからCブロックに分かれたマップ上で、テントがずらりと並んでいるのだ。これは、長期間にわたって楽しめそうだ。
出典:有田WEB陶器市
だが、有田陶器市を実際に訪れたことがない私は、どのお店から見ればいいのかわからない。
そこで、おすすめ商品の一覧ページを見て、気になった店舗を訪れてみることにした。
出典:有田WEB陶器市
鮮やかな絵付けが特徴的と言われる、有田焼。
有田陶器市では、伝統的な文様のうつわから、普段使いできそうなモダンなうつわまで、多様な作品が出品されていた。中には、洗面所の排水口カバーやカップラーメンの重しなどもあり、「え?こんな用途で有田焼を!?」と面白く感じた。
様々な店舗をぶらぶらと見て回り、「暖炉裏のある陶器店・松尾陶器」で「ハート型のグラタン皿 Cuo」を2皿購入することにした。
出典:松尾陶器
ちょうどグラタン皿がほしかったのだ。カジュアルなデザインと、食洗機可というタフさ。取り皿にも使えそうだ。これは間違いなく重宝するだろう。
出典:松尾陶器
同じ店舗で、「青白磁(見込白)菊彫5寸皿」も購入することにした。波佐見焼の窯元「洸琳窯」の器で、菊彫りのラインが特徴的だ。イチゴやパイナップルなど、フルーツをのせたい。
ちなみに有田WEB陶器市では、店舗ごとに清算が行われる。ほしい作品をその都度、店舗で購入していけばいい。
気になる店舗がまだまだあったが、他の陶器市との兼ね合いを考慮したうえで、検討することにした。
WEB有田陶器市
期間:4月29日(木)9:00~5月5日(水)
問い合わせ先:有田陶器市委員会事務局 有田商工会議所(0955-42-4111)
4. 萩焼まつり
萩焼は、山口県萩市で制作される陶器だ。土の配合や釉薬のかけ方などによって、唯一無二の味わいを表現しているそうだ。
出典:萩焼まつり
確かに、萩焼まつりのサイトを見ると、土の風味を活かした素朴な作品が多いと感じた。砥部焼や有田焼のように、華やかな装飾が施されたうつわはあまり見かけない。
出典:松光山
数多くの窯元の中で、特に惹かれたのは「松光山 栄光」。鈍みのある、アンティーク風の色合いが特徴的だ。カフェオレカップにスープカップ。角皿。どれもこれもほしい。夫婦で、「これ、いいね」を連発し合う。作品がカートへ、無限に追加されそうな勢いだ。
どうにか選んだ作品は、以下の4つである。
出典:松光山
夫が選んだ、7寸輪花皿【青萩釉】。ワンプレート朝食にぴったりだ。ちなみにワンプレート朝食なんて作ったことがないが、まぁいいだろう。
「〇〇を盛り付けると、映えるだろうなぁ〜」などと言って、普段は作りもしないメニューを妄想する。これも、陶器市の醍醐味かもしれない。
出典:松光山
私のワンプレート朝食は、色違いの7寸輪花皿【グレー】で。シャビーなテイストに惚れ惚れする。
出典:松光山
しのぎ丼の大【白萩釉】と中【グレー】も購入。親子丼やお蕎麦などを食べたりするのに、ちょうどいいサイズ感だ。
ちなみに松光山では、注文時に備考欄に「萩焼まつりのHPを見た」と記入すると、小皿1皿をもらえるそう。どんな小皿が届くのだろうか。
萩焼まつり
期間:5月1日(土)9:00~5月31日(月)
問い合わせ先:萩商工会議所(0838-25-3333)
Instagram / facebook
オンライン陶器市に参加して気づいたこと
オンライン陶器市は、萩焼や砥部焼など、これまで着目してこなかった産地のやきものを知る機会となった。自分の目で作品を見て、お気に入りを選ぶ。その過程で、砥部焼の染付の美しさや萩焼の素朴な味わいに惹かれていった。
現地開催だと訪問しづらい陶器市も、オンラインでなら気軽に参加できる。今後も、様々な産地の陶器市を巡りたい。だからこそ、現地での陶器市が再開されても、ぜひオンライン陶器市を同時開催してほしい。全ての陶器市を訪問することができないため、現地の陶器市とオンライン陶器市を組み合わせて、うつわめぐりを楽しみたいと思う。
また、家族にあまり気を使わずに参加できる点も、オンライン陶器市の魅力だと気づいた。
もともと、今回のオンライン陶器市には夫婦で参加したいと思っていた。だが、夫のうつわへの熱意は、私ほどにはなかったようだ。夫は30分ほどサイトを見たら、フラッとどこかへ消えてしまう。これが現地でのことなら、お互いにたまったものではない。結局、ほとんど私一人で、うつわめぐりを堪能した。
「家族を連れ回してまで陶器市に参加しづらい」という方には、オンライン陶器市がぴったりかもしれない。
次回予告
この記事は、以下の3本立て記事の【中編】に該当します。
【前編】2021年春のオンライン陶器市(Web陶器市)の開催情報やメリット・デメリット
【中編】2021年春のオンライン陶器市(Web陶器市)の参加レポート
【後編】2021年春のオンライン陶器市(Web陶器市)の購入品開封レポート
次回は最終回「後編」。
オンライン陶器市で購入したうつわを、手にとり、使ってみる。その中で気づいたこと、感じたことをお伝えします。
まだまだ続く、オンライン陶器市。中には、5月末や8月末まで開催されるものもあるそうです。
追加窯出しのある益子WEB陶器市にも、期待が高まります。
あの、益子焼のコーヒーカップ。無事にゲットできるのでしょうか。後編で、嬉しいご報告ができればいいなと思っています。
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