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色節

初夏のはずだった友人の結婚式は、秋になってしまった。

「長野県の軽井沢なんだけど、出席してもらえる?」
と尋ねた彼女に、
「夏に避暑地なんて最高!」
と答えたけれど、
猛威を振るった感染症のせいで新緑は、気づけば紅葉になっていた。


晴れた暖かいお昼どき、式が終わってフラワーシャワーに出迎えられ教会から出てくる二人。

陽光に光輝く紅葉の錦をも背景に、白いドレスの主役は美しく映えていた。

「綺麗な景色は見られたし、延期してむしろよかったのかもね」
と参列者と話す。

そんなことを簡単に言ってはいけないとわかっているけれど、彼女には目に刺さる青葉より、鮮やかな中に静かな優しさのある暖色が似合っている気がした。すべてが彼女のために色づいているみたいだ。

花嫁の白いブーケが雲一つない空に高く上がって、わたしの手元に落ちてきた。見上げると新婦が笑顔でこちらに手を振っている。
そうやってすぐに幸せを分けてしまうあなたに祝福を。

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