2nd EP"OSMO"セルフライナーノーツ【後編】楽曲ごとの紹介
さて、ここからは一曲ごとの紹介をしていきます。
EP"OSMO"を作るに至る経緯や、EP全体としてのコンセプトの話は、前編をご覧ください。
2nd EP"OSMO"セルフライナーノーツ【前編】EPを作るに至るまでhttps://note.com/preview/na6c1363550f7?prev_access_key=19f030f0e0224cc9026c4fe2ddbd7715
■M1 imy(アイマイ)
私のインスタグラムやYouTubeをご覧いただいたことのある方はお分かりかと思うのですが、私はマーブル柄のうにょうにょしたイラストだったり、
いわゆるアブストラクトアート(抽象画)が好きです。
何処が中心かもわからない、曖昧さそのものがアートである、と私は受け取っており(もちろんシンプルにビジュアルも激カワ)、
自分自身に対しても、またそうでありたいと思っています。
がゆえに、「ピンクバイブス」に明確な定義を持ちません。!!
だって「芯を持て」「白黒つけろ」とよく耳にするものの、そんなシンプルじゃないのが人間なのでは?そこが旨味なのでは?と思うから。
もちろん、「自分の言動に筋を通す」という意味で芯を持つということは必要かもしれませんが、その芯は永遠に不変不動でいなければならないか?と聞かれたら、少しずつマイナーチェンジしたり、場所や形を変えながら存在したっていいんじゃない?と。
感情においても、
必ずしも白黒はっきりつけることだけが重要というわけではないのかも。
自分の意図しない感情に動揺させられたり、
決められない選択に悩んだりしてもいいじゃない!
と、そんな曲です。
その過程で、気づけば体幹(いわゆる「芯」ってやつ)はつよくなっている。
トラックに関しては、この曖昧さ、ゆらぎを表現したく、
メインのシンセの音を10個くらいレイヤーして作っています。
細かく移ろう粒子をイメージした、その名も、「粒子レイヤーシンセ」!
この曲の原案ができたのは2021年末くらいでした。
エレクトロを聴くようになった初めのころで、色々リファレンスを探していたら、Gemma Dunleavyという人の「Up De Flats」という曲に出会いました。メロウなシンセと、気だるく歌われているメロディーを、タイトなビートが支えていて、私のやりたい歌モノダンスミュージックだ!と、ビビビッと来たのを思い出します。
もともとはハウスで考えていたのですが、サビのフレーズを跳ねさせたかったので、UKガレージ、2Stepになりました。Prediahの影響も受けています。あとは、宇多田ヒカルの影響受けてるでしょ?と言われます。
この曲に於いては意識したつもりがないのですが、遺伝子レベルで影響を受けていると思います。
■M2 CHOKO(チョコ)
こちょこちょのリズムで一緒に踊っていただけましたでしょうか。
この曲は私の曲の中で数少ない、敵意剥き出しの、攻撃的な曲です。
M1のimyと重なる部分がありますが、自分自身や他人、またその他の作品や事柄をラベリングすることに対する疑問を歌っています。
個人的な話だと(ずっとそうか)、
両親の性格が対照的なので、その両親の良いところを挙げた時、
そのどちらにも成り切れないことがコンプレックスとしてありました。
母みたいに強烈な求心力とバイタリティもなければ、父の、海のような穏やかさもない・・・
なんとなくいつも気を遣って人間関係ではバランサー?でも気は強いし、リーダーだってやることもあるし。(学生時代はずっと学級委員だったり)
引きこもりオタクだけど、マインドはギャルだし。
私って結局、どういう人間なんだろう?と考えたときに、
無意識のうちに自分自身をラベリングしてカテゴライズしようとしていたことに気づきました。属性は何か????と。
一方で、世の中に出回っている多くの”商品”は、そのラベリングを受けるために多かれ少なかれ誇張されてそこにある。
そんな大衆文化や資本主義に、勇気をもって、嫌味を炸裂させた曲です。
この曲を作っているころ、インドの音楽やパーカッションにとても興味があって、そういった音を用いて曲を作りたいなと思っていました。
前半のラップも、空元気な語り口調にすることで”心のこもらなさ”を表現したく、したがってHIPHOPにしたくなかったので、インドのコナッコルという口ドラムのリズムを参考にしました。
通常私の曲はトラックを先に作って、その後、沢山ストックされている歌詞メモから合いそうなものをピックアップ&がっちゃんこするという制作方法をとっています。
前半まで作ってみたところ、やけに能天気で明るいビートだったので、このままだとお腹いっぱいかも・・・と思い、
元々あったアイデアと組み合わせて、前後半でガラッと曲調を変えてみました。
ここら辺(明るい曲調でテーマを皮肉ったり、曲中でがらっとビートを変えるなど)は、Childish GambinoやKendrick Lamarからインスパイアされています。
あとイチオシポイントとしては、
コーラストラックだけで多分3〜40個重ねています。シンセかな?っていうような音も、声だったりします。
Mix&Masteringのむっくんに多大なる感謝。
■M3 FLOU(フロウ)
3曲目にして、やっと第三者の存在がでてきます。
EP全体としてみると、
他者の価値観の「浸透」を前に、積み上げてきた「オリジナル哲学」が揺るがされ、新たな自己が生まれそうッ・・・!というタイミングです。
とか何とか言っていますが・・・
この曲はシンプルに、ほっこり温かい、恋愛ソングとして受け取ってもらいたいな、と思って作りました。自己愛も、他者愛も。
お風呂でほどける私、好きな人と居ることでほどける私。
手段は何にせよ、取り繕うものをほどいて、ありのままの自分と、ありのままの自分でいられる時間を大切にしたいです。
トラックに関しては、メロを中心に置きながらも、ドラムが主役になれるものにしようと思って作りました。
シンプルだけど踊れて、かつリラックス、チルをもたらす、(((0)))という人の楽曲からインスパイアされています。
ドラムのフレーズで遊んだり、オーガニックさを出すために環境音をたくさん入れてみました。
また、この曲のみ、鍵盤はくどちゃんに演奏してもらい、スペシャルサンクスとして、ベースの一部とドラムの一部を、それぞれ修也と拓音に監修してもらいました。(アドバイスなどいただいたり)
エレクトロと人間味の程よくブレンドされた、ライブ映えする一曲です。
■M4 UM(ウム)
最後のこの曲は、唯一EPとしてのリリースを決めた後に制作しました。
EPの「浸透」というコンセプトを優しく締めくくってくれます。
一人でいたら、自分のオリジナル哲学でなんとかやってこれたのに、私たちは人と関わってしまうばっかりに面倒ごとを増やしている。
それなのにまた求めてしまうのはなぜか。
好きだから、それに尽きると思います。
誰かの価値観が自分の中に入って、
せっかく積み上げ、守ってきた自己が揺るがされ、ばらばらにされてしまう。
それでも共に過ごすために、何度でも組み直して、変わってゆく自分も楽しんでいきたい。
トラックもまた、打ち込みエレクトロなEPというコンセプトを決めた後に制作に入ったので、1番エレクトロ感増し増しなんじゃないかなと思います。
また、踊れる3拍子を作る、というのもテーマにしてました。(結局ハチロクになったけど・・・)
特徴的なメインのシンセは、MNTRAという会社の、Galactronというソフトシンセを使っているんですが、これまた瞑想できそうな神秘的な感じが、よりこの曲の世界観を広げてくれています。(ビジュも大変好みですな)
この曲だけ唯一、ライブで一度も演奏することなくリリースを迎えました。
個人的に、ライブで演奏して初めてその曲の全体像が見えるような気がしているので、今後ライブでよりこの曲と仲良くなっていけるのかなと、楽しみに思っています。
(1/14のBULLFESにむけてのリハが開始したのですが、新しい景色早速見えて大変興奮しています、ぜひバンドサウンドでも聴いてほしい!)
おわりに
長かったでしょう、、。
本来私はかなり語り部(長文気質)なのに、SNSは見やすさを重視するばかり、いくつも言葉を飲み込んで投稿しているから、際限なく放出する場所を作りたいな、と思っていました。
放出できた〜〜〜〜
ここまで読んでくださった方は、相当OSMOを楽しめると思います!
また、新アー写、アートワーク、MVはたかちゃん率いるNMCOC888が、一緒に創ってくれました。
「4曲で1つの作品」になるよう、こだわりの映像作品も追って公開されていくのでお楽しみにしていてください。
2024年は、
OSMOの曲たちを引き続きお披露目しつつ、
あんまりコンセプトに縛られるのも辛いので()、ノープランで色々作ってみようと思います。
引き続き、観て聴いてください~~~っ
さいごに。
4曲全てのタイトルが、ダブルミーニングになっています。さてなんでしょう!
答えはあるっちゃあるんだけど、みなさんにお任せします。
もしよかったら、#misamisaOSMO で感想とともに教えてネ
最後までお読みいただきありがとうございました♡
RELEASE INFO
"OSMO"
アーティスト:美咲ミサ
配信開始日 : 2023年11月24日(金)
配信リンク:ultravybe.lnk.to/osmo
ソーシャル:Official | X(Twitter) | Instagram | YouTube | TikTok
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