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【イベントレポート】TechTalk〜アバター×コミュニティ2社CTO対談

2021年6月28日、株式会社クラスターとミラティブで「TechTalk〜アバター×コミュニティ2社CTO対談&エンジニアLT〜」を開催した。CTO対談のレポートを公開する。

登壇者
・クラスター株式会社 CTO 田中 宏樹
京都大学休学中に代表加藤とともにWebアプリ・スマホゲーム開発を3年間行う。同大学を中退後、2015年に当社を共同創業。clusterの大規模同期通信システムをフルスクラッチで開発し、当社技術の根幹を担う。

・ミラティブ CTO 横手 良太 @n0mimono
早稲田大学大学院修了。機械学習の分野で博士号取得後、助手として研究活動、論文執筆を行う。2014年に株式会社Donutsに入社し、スマートフォンゲーム開発に従事。2017年より技術部部長。2018年7月ミラティブ参画し、ミラティブのアバター機能「エモモ」の開発をリード。2021年4月にCTOに就任。

モデレーター
クラスター 株式会社 プロダクトマネージャー 東峰 裕之 @htomine
大学時代に株式会社はてなのデザイナーインターンに参加。2009年、サイボウズ株式会社に新卒入社。マーケティング部でのクリエイティブ担当後、開発チームへ異動し「cybozu.com」の立ち上げや「kintone」のUIデザインに従事する。2014~2018年まで、Increments(Qiita)のデザイナー/PMとして、デザインからマネジメントまで幅広く担当。2018年12月、クラスター株式会社に入社。 インタビュー記事


アバター×SNSの「成長」とは?大事にしてる指標など

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田中「clusterはSNSです。ユーザーがクラスターに住んでいる状態をつくることを理想形にしています。なので、指標で言うと滞在時間や起動の回数は大事にしていますね。

あとは、ワールドをつくるクリエイターさんが、ワールドをつくるのにどのくらい時間を使っているのか?という点も見ています」

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横手「そもそものMirrativの説明が必要だと思うのですが、なぜMirrativは、ゲーム配信のサービスなのに"アバター"や"SNS"と言ってかと言うと、サービスのコンセプトとして、誰でも気軽に配信ができ、人と人がつながるサービスを目指しているからで、SNSとしての側面が大きいからなんです。また、Mirrativのユーザーさんはゲーム配信だけではなく雑談の配信も楽しんでしています。その雑談をエンパワーしたり、誰でも気軽にできるツールとしてアバターを提供しているんです。

そのうえで、指標として大事にしているのは配信者の比率です。Mirrativは配信者のためのサービスで配信者と配信者がつながるということを大事にしています」

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サービスの成長を牽引する開発組織づくりで大事にしていること

田中「クラスターはエンジニアが20人程の組織ですが、まだ階層構造はありません。現時点で大事にしていることは、エンジニアの肩書をソフトウェアエンジニアに統一していることです。もちろん、個々人はスペシャリストの領域があり、採用活動でもiOS、Unityといった一般的な区分で行っています。

ただ、入社後はサーバサイドのスペシャリストもUnityを触ることもありますし、逆もしかりです。肩書にとらわれず、clusterというサービスを前に進めていくために、できることを柔軟にやっていくということを組織として大事にしています

横手「クラスターさんはUnityの印象が強いのですが、技術スタックはどうなっていますか?」

田中「3Dの体験を創っているのはUnityで、モバイルアプリはiOS、Android、Webフロントは​​React、TypeScript、サーバサイドはGo言語です。リアルタイムでの通信周りでは、今はMQTTを採用していいますが、長期目線では独自プロトコルへの置き換えをしていこうとしています

横手「ミラティブは、iOS、Android、バックエンドは古い部分はPerl、新しい部分はGo言語、Webフロントは​​Reactです。特徴的なものはライブ配信基盤ですかね。がっつり自社開発しています。たまたま、スーパーエンジニアがいたからできたという背景もありますが(笑)、ベンダーロックインしたくない、配信の遅延はUXに大きく影響するので、自分たちでやりたいという意思があったからですね」

田中「clusterでも、コアな部分、本質的な価値をつくるものは、自社開発する思想でやっています」

ーーミラティブの組織づくりで大事にしていることは?

横手プロダクトへのコミットと、技術へのコミットを両立することですね。コミュニティのサービスは、リリースしてからユーザーの反応を見ないと正解がわからない性質のものだと思うので、プロダクトにコミットしてユーザーと向き合うことが大事です。また、先程お話したように、技術面で自社で抑えないいけないこともあり、技術力のある組織であることも重要です。他には、ベンチャー企業なので会社も事業もフェーズが変わっていきます。変化に強い組織は大事にしていると思います。

クラスターさんと違う点で言うと、階層構造の話でエンジニアのマネージャーを多いです。ミラティブもエンジニア20名程の組織ですが、マネージャーは5名います。これは私の過去の経験則から、マネージャー1名あたりにかかる負荷を減らしたいという意向が反映されています」

田中「クラスターには、技術をリードしていくのは複数名いますが、人のマネージメントをするのは僕だけですね。ここから人が増えるにあたって階層化をしていきたいとは思っています」

サービスの成長を牽引する技術的なチャレンジ

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横手「アバターの開発でUnity as a Libraryを採用していることですね。開発開始した2018年時点では、そもそもUnity as a Libraryという単語さえもなかったです。正直、ギャンブルだったと思います。私がミラティブにジョインした当時にその構想を聞いて『本気でやるのか?』と思いましたね。ただ、CEOの赤川が死んでもアバターをやりたいと言っているので、なんとかできないかとした結果です。無茶振りをなんとかすることは、当時のCTOの役割だったと思いますし、チャレンジにつながっていますね」

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田中「clusterは、1つの空間にたくさんの人が好きなアバターで集まってわいわいする体験が重要で、そこをスケールさせていくことがチャレンジですね。今は同時に表示できるのが50人程ですが、100人、200人と増やしていきたいです。そのために、クライアント同士のリアルタイムでのやりとりをスケーラブルにしていくために、MQTTを独自のプロトコルに置き換えていったり、アバターの負荷を軽減していこうとしています。

また、ユーザーがつくったVRMを、一定の制限があるにせよ自由度高く持ち込めるようになっていますが、一方で自由度の高さはクライアントの負荷を高めるので、サーバーサイドでコントロールしていかなくてはいけません」

今後チャレンジしたいこと

田中「先程お話したように、ユーザーが思い思いのアバターで集まる体験をスケールさせていくことはこれからもチャレンジしていきます。それにプラスして、クラスターにワールドをつくって投稿したり、自分たちでアバターをつくったり"創る"体験のハードルを下げるということに取り組みはじめています。

"人類の創造力を加速させる"というミッションに沿ったものとして、だれもがクリエイターになれる場所を目指しています。"つくる人"と"遊ぶ人"というより、みんなつくる人というような世界観の実現にチャレンジしていきたいですね。

横手「ゲームユーザーさんは全員Mirrativ使ってほしい、Mirrativのユーザーさんは全員配信してほしい、と思ってチャレンジしていきます。そうなすろ何が起きるかと言うと、全ゲームユーザーが配信によってつながるんです。これは、かなり面白くなるはずです。

また、アバターはリリース当時は単純な機能でしたが、Unityなので、今はゲーム的なものもつくっています。ここまで、2-3年かかりました。ということは、2-3年後にはXR的なものができないか、妄想しています」

※ 本記事の内容や肩書は、登壇当時のものです。


登壇企業の紹介

・クラスター株式会社

・株式会社ミラティブ

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