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雑木林の中にある船

以前、夫が連れて行ってくれた鰻屋さんが
美味しかったので今年も予約して貰った。
伊豆高原、洗濯船Ⅱ。

林道を走っていると、この看板と白い木の船が見えるけどなんだろう?と思っていた。

調べたところ名古屋に本店がある鰻屋さんで「せんだくせん」と読む。完全予約制。
入店するとすぐにカウンターにおばんざいがたくさん並んでいてそこから三品選ぶ。

厚揚げとゼンマイの煮物、茄子と鶏肉の揚げ煮、
シーフードマリネを選んだ。

それから鰻巻きと和風サラダがセットになっていてメインはひつまぶしの釜飯。二人前なのでそれぞれ取り分けて頂く。(二人前単位のランチコースは5700円)

(洗濯船公式ホームページからお借りしました)

hhttps://sendakusen.amebaownd.com/

予約制のためか他に客がいなくて落ち着いてゆっくり食事ができた。おばんざいもサラダも鰻のひつまぶしもどれも美味しい。
私たちには量もちょうど良かった。
店主ご夫妻はジャズもお好きとの事で、
店内にはピアノがあり、コンサートも出来るらしい。
着物姿の奥さま(私より若い)は気さくでお話好き。
以前おじゃました時に店名の由来をお聞きしたはずだが忘れてしまったので、帰宅して調べてみた。「洗濯船」はパリ、モンマルトルの詩人の言葉らしい。

そういえば!と思い出した事がある。
あちこち国内を旅していたむかし、地方の小さな喫茶店に入るのが好きだった。
いつか東京を離れて、どこか地方の気に入った場所で小さな喫茶店を開きたいな、と夢のように考えたことがある。
本をたくさん置こう。
そして、店の名前は「測量船」。
梶井基次郎たちと同人誌「青空」に参加していた三好達治の詩集の名前。
梶井基次郎、三好達治、青春の愛読書。

洗濯船のおかげで、そんな昔の事を思い出した。夏の高原はまさに青空。
林を抜けて青空に向かって漕ぎ出す船はやがてもくもくの雲をかき分けて進んでいくかもしれない。


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