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あなたの会社の総資産利益率(ROA)はどれくらい?

ROA(Return on Asset、総資産利益率)は、会社が保有している資産に対する儲け率です。ROAは、会社が保有している資産で利益を効率よく生み出しているかがわかる指標です。上場していない会社の場合はROAを使うとよいでしょう。計算方法は、ROEと同様、とてもシンプルです。

ROEについては、こちら↓

ROA=利益/総資産
このシンプルな公式を分解すると、このような式になります。

ROA=売上高利益率×総資産回転率
売上高利益率は、利益/売上高
総資産回転率は、売上高/総資産

こうした分解は、事業の特徴と会社が抱える課題を把握するうえで有効です。具体的には、売上高利益率と総資産回転率のコンビネーションによって、会社がどのような経営をすべきか、わかります。

【値引きして販売する企業】
売上高利益率は低めになりますが、資金をかけず(資産の減少を抑えながら)値引き大量販売によって売上高を上げます。それによって、総資産回転率は高くなります。特に安値大量販売を行う会社のROAは、低い売上高利益率と高い総資産回転率のコンビネーションです。

【付加価値を売る企業】
売上高利益率は高くなりますが、施設設備への投資によって資産が増えます。そのため、高めの価格設定によって売上高は大きくはならずに総資産回転率は低くなります。付加価値を売る企業のROAは、高い売上高利益率と低い総資産回転率のコンビネーションです。
 
ROAを売上高利益率と総資産回転率の二つの比率に分けてみると、薄利多売型かそれとも少量高利型の会社かといった特徴が見えてきます。またライバル会社でこの二つの率を比べると、自社が抱える課題も見えてきます。

例えば、ライバル会社と比べて売上高利益率が低い場合は、価格設定が低かったり、値引きが多かったりする可能性があります。原価や販売管理費の見直しといった課題が浮き彫りになります。

総資産回転率が低い会社は、売掛金が多かったり、在庫が多かったり、設備にお金をかけすぎて資産が大きくなっているといった課題が分かってきます。

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