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キャラクターデザインが決まるまで情報を摂取し続ける話

私は普段「茨城県古河市非公認ご当地キャラクターこがにゃんこ」を企画運営をしています。
本業はwebサービスのUI/UXデザイナーしています。

キャラクターをデザインするにあたりいくつか考えていることやステップがあるので文章化をしておこうと思います。

歴史をモデルにキャラクターをつくるということ

私がデザインを行っている「こがにゃんこ」は歴史をベースにしています。しかしあくまでも創作物です。
史実と脚色とifのバランスを常に考えています。

影響を受けたものは学生時代に熱狂して肩を壊すまでプレイしていた「三國無双3」ではないでしょうか。
蜀のホウ統が落鳳坡で亡くならずに進み、白帝城を守った時の世界線に感動したのが、歴史創作if物語について強く考えるきっかけだったと思います。

そして私は歴史の研究者ではありません。クリエイターです。私が発表するものはあくまで創作物です。ただし歴史をベースにしています。
「この文献から私(作者)はこう解釈し、自分が素敵だと思う表現に至る」ということを意識してデザインしています。

ただ、注意してもらいたいのは歴史作家さんは色々なタイプがいます。

・出来る限り史実に近く創作するタイプ
・歴史から名前などのエッセンスだけを拝借するタイプ
・史実を踏襲しながらも独自の解釈を入れていくタイプ

私は「史実を踏襲しながらも独自の解釈を入れていくタイプ」です。
踏襲といいながら、インスパイア元にとどめることも多いですが…

(もちろん上記以外にも色々な作家さんがいると思いますよ!)

キャラクターデザインを決めるまでのステップ

クリエイターによって色々な違いがありますが、私の場合は頭の中でキャラクターが動きはじめてからデザインが決まります。
何を言っているんだと思うと思いますが、あるタイミングで頭の中でキャラクターが動き始めます。
情報収集している時なのか、ラフの時なのか。
キャラクターの声が聞こえてきたり、話し始めたり、キャラクター同士がやりとりをはじめたり。

ここではじめてラフに着手し、ちゃんとしたデザインに起こしていきます。

歴史キャラクターと別のキャラクターで収集する情報に差はあるのですが、今回は歴史キャラクターをベースに書いていきます。
主に制作までのステップは以下です。

1.文献、美術館、フィールドワークでの情報収集
2.ラフ
3.キャラクターデザインを起こす
4.こがにゃんこの場合は他のキャラとのバランスを鑑みて調整

頭の中でキャラクターが動き始めるまでは1から動かないことが多いです。

1では以下のような情報を収集をしています。

・信頼のおけそうだと判断したwebページ
・一般販売されている本
・本がない場合は文献や論文など
・公開されている古文書関係
・美術館や博物館
・フィールドワーク
・気のあう歴史友達との会話

コロナでフィールドワークと美術館・博物館に行くことが難しくなったので、自宅で行える文献調査が増えています。
古文書については自分で読めないものも多いので友人に助けてもらうことも多いです。歴友尊い...いつもありがとうございます。

また、結構多いのが気の会う歴史友達との会話です。
付き合いの長い歴友たちは多くの気付きをもらえます。ただ楽しく会話しているだけとも言えますが。

フィールドワークですが、たまたま立ち寄ったところで学びがあるパターンも多いので「いくぞ!」と決めていく方が少ないのですが、後から見返すことが多いので写真の枚数がえぐいです。

史跡を巡った時は正面や入り口の写真だけはなく、構造が理解できるような(思い出せるように)様々な写真を撮ります。
フィールドワークは空気感の確認のほかに構造の理解と、構造を理解した上でえられる閃きのために行っています...ってまぁ趣味なんですが作品に落とし込むまでのステップということで。

また、モデルになる人物の周辺情報も調査します。

・関わってきた人物たちと関係性
・兄弟や親族筋
・その時代での立ち位置や評価
・活躍した時代と背景

箇条書きにするとこのような感じですが、出来る限り収集します。
特にすでにこがにゃんこのお友達として登場しているにゃんこと関係がある場合はそこも考慮しますし、今後関わってきた人物がこがにゃんこに登場することも念頭に設計することが多いです。

キャラクターを構成する要素はビジュアルだけではない

キャラクターデザインというと、目に見えるビジュアルのデザインだというイメージや、ぱっと思いついたものを描いていると思われがちですが(ぱっと降ってくることもないわけではないですが...)
歴史キャラクターを創作する際は一応出来る限り調べるようにしています。

私にとってキャラクターは「キャラクターイラスト」ではなく「キャラクターデザイン」であるのは、あくまで設計としてのデザインだからです。

読んでいただきありがとうございました。 サポートは制作のお共に使わせていただきます! twitter→https://twitter.com/miroc007