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「心の押入れ」に押し込んだ感情を棚卸しする

この記事は「今年の疲れ、今年のうちに。みんなのためのセルフケア Advent Calendar 2020」のエントリーです。

2020年、あなたにとってどんな一年でしたか?

いろいろあった年でしたので、心の奥底に押し込んだ感情がたくさんあったのではないでしょうか。思うように出来なかったこと、自分よりも誰かを優先したこと、言いたくても言えなかったこと…。いつも以上に抱える思いがたくさんあったかもしれません。

心は意識的に思っていないところでも葛藤を抱えていて、「いや〜特にしんどい思いはしてないけどな〜」と思っていても、実は言葉にできない思いを抱えているものです。

このアドベントカレンダーは「今年の疲れ、今年のうちに」がテーマのひとつですので、自分の感情の棚卸しをして2020年を一区切りさせていく手がかりになればと思っております。


感情は、殺しても死なずに存在し続ける

「感情を殺す」っていう言葉があるんですが、一見するとこの言葉、殺したら感情はなくなるのではないかと感じます。しかし、感情を殺しても死なずに存在し続けています。

では、殺した感情はどこにいくのかというと、心の奥底に沈殿していきます。

例えるなら、見たくない感情を「心の押入れ」に突っ込んで普段の生活では見ないようにしている感じでしょうか。心の押入れを開かない限り、普段の生活では直視することはない。そんなイメージです。

些細な何かによって、心の押入れが開いてしまって嫌な感情、嫌な自分と対峙することもあるでしょう。「あぁ、こんな感情あったのね、でももういらない。手放してしまおう。」と思えるうちに手放せるならとてもよいことです。

その反面やっかいなのが、見たくない感情を見てみぬふりしまくった場合です。

心の押入れにはキャパシティがあるので、入り切らないくらいの感情を詰め込んだら、扉が開いたときに中身が飛び出してきますね。これが、人によってはうつ症状だったり感情が爆発するといったことで表れます。

普段のなんてことない出来事で感情が荒ぶってしまうとき「こんなことで感情を荒立てることはないんだけどな…」という思いを抱えることが多いと思いますが、それは心の押入れのキャパシティが限界を迎えている証拠かもしれません。


「心の押入れ」が知らぬ間にパンパンになるのはなぜか

自分の感情よりも別の何かを優先させるから、いったん心の押入れに感情を突っ込んじゃうんですよね。

誰かに気を遣ったり、迷惑かなと思って助けを求められなかったり、その場の空気を優先させるっていうときに起こりやすいですね。

人によっては、心の押入れに感情を押し込むのが無意識の自分のスタイルになっていることもありますね。一人で頑張りがちな方はその傾向があるかもしれません。

無意識的に自分の感情を感じないふりをしながら心の押入れに突っ込んでいっていくと、いつの間にかキャパシティいっぱいになっていて、気づかないうちにいっぱいいっぱいになってしまうようなイメージですね。

感受性が豊かな方やストレスを感じやすいタイプの方は、心の押入れに入れていく感情が大きく頻度も多いかもしれないので、あっという間にパンパンになっていきます。


「心の押入れ」を整理整頓する方法

前提として、感じてはいけない感情はありません。

人に知られたらヤバい…!と思っちゃいそうなものでもよいのです。「ここにあるんだなぁ」と感じること、そしてその感情に必要以上に意味づけしないことも大事です。(つらくなっちゃうし複雑になっていくので)


STEP1. 心の押入れの中をいっぺん外に出す

今年を振り返って、ムカついたこと、悲しかったこと、不安だったことなどを紙に書き出してみましょう。

「自分の中にある明確でない思いを外に出す」という行為が心の負担を減らすのだそう。おしゃべりしてスッキリするのも同じ構造です。人に話したり紙に書くと、自然と言いたいことが整理されていきます。

人間、明確でないものは明らかにしたくなる生き物なので「頭の中から外に出す」のはスッキリするもんなのです。

とりとめないものでよいのです。相手の言い分なんて知ったこっちゃない気持ちでいいし、誰も見ないし、あとで怒りをぶつけながら破いたっていいので、とりあえず出してみます。


STEP2. 心の押入れの中に入れない方法を見つける

ネガティブな気持ちになるとき、何から共通事項があることが分かる場合があります。

例えば「人からの評価を気にしてかなり不安になる」「仕事に集中してるときに話しかけられるとかなりムカつく」など、もしかしたらそれらは他者から見たら「え、そんなこと気にしてるの?」みたいなものかもしれないけれど、いつも同じような負のループ入りをするよなと感じることもあると思います。

そのパターンが見つかると、苦手な人や苦手なシチュエーションを前にして自分がどうすればよいかが対処方法が発見出来ます。

大事なのは、対処方法を意識してお守りのように持っておくこと。「ネガティブな気持ちになりそうなときは、対処する方法があるよ」と自分と約束するイメージですね。


STEP3. 心の押入れの中の常駐している感情に出ていってもらう

「心の押入れに常駐している感情」が実は押入れのキャパシティを狭めている場合があります。常駐している感情とは何かを簡単に言うと「子供の頃作られたけど今は必要ない心理システムから作られた感情」です。

どういうことかというと、私たちは子供の頃、母親(もしくは保護者的役割をしてくれた人)を基準に自分がこの世界でどう生きていけばいいかを学んでいきます。それが心理システムとして形成され、自分の生き方の土台になっています。

ただ、親といえども完璧な人間ではないので、よくない心理システムが形成されることだってあります。それは大小あれど、誰だって持っているものです。(ときにはそれが個性として輝くこともあるし、大人になって対処したり回避しながら生きているケースもたくさんあります。)

しかし、子供の頃に葛藤が大きい育ち方をしてしまうと、そのときの葛藤がずーっと心の押入れに居座ってしまいます。これが心の押入れのキャパシティを狭めている場合もあるし、STEP2で述べたような「負のループ」を形成している場合もあります。

例えばネガティブ思考から抜け出せないとか、過剰にいやな感情に支配される場合、このあたりの話が解決に役立つ場合があるので、子供の頃に嫌だったことを棚卸ししてみるのも効果的かもしれません。

ただし、こういう思いは強固なほど無意識の中に閉じ込めておきたい気持ちが強いので、心の専門家であるカウンセラーさんと対話をするのがおすすめです。


殺してきた感情は大事な自分の一部

自分の感情を殺すということは、それだけ誰かを気遣ったり何かを守ってきた証拠です。それにいいも悪いもないのです。

心の押入れに突っ込んだ感情は、決していらないものではなく大事な自分の一部です。あのときの怒りや悲しみ、不安などを思い返したときは「あのときがんばってえらい!」とぜひ言ってあげて下さい。


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今日のnoteの内容は「#89 感情は殺しても死なない」の深堀りでした。「自分とのお付き合いを考える」をテーマにstand.fmで配信しているのでぜひこちらもよろしくです。


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