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【完全版】ダイレクトリクルーティングのメリットデメリットについて当事者が解説します。

こんにちは。Mirise up株式会社代表の上田啓太です。弊社では、採用でお困りの企業様に対し、採用支援や人事周りの代行事業を提供しています。

その中でも、特に注目されているのが今回のテーマである「ダイレクトリクルーティング」。ダイレクトリクルーティングは近年、新しい採用手法として主流になりつつあります。

今回の記事では、「そもそもダイレクトリクルーティングってどんなサービスなの?」「スカウトサービスとの違いは?」といった疑問をお持ちの方へ、サービス概要やメリットデメリット、おすすめの媒体を比較した結果まで紹介していきます。

そもそもダイレクトリクルーティングとは?スカウトやその他採用手法との違いについて解説

ダイレクトリクルーティングとは何か

採用手法が多様になる中で、最近よく耳にする方も多いかと思います。「ダイレクトリクルーティング」とは、求職者に直接アプローチできるサイトや、SNSから採用したい人材にダイレクトにコンタクトをとる採用手法のことをいいます。

従来の求人広告を出して応募を待つ、あるいは人材紹介エージェントからの紹介を受ける採用手法のような「待ち」の採用ではなく、「攻め」の採用手法として、中途採用・新卒採用で幅広く使われるようになりました。

ダイレクトリクルーティングが注目される理由

では、なぜ現在こんなにも、ダイレクトリクルーティングが注目されるようになっているのか。その要因は、採用手法が多様化する中で 、マッチングの難易度が上がったことだと考えています。

これまでは、求職者が求人媒体に登録して求人を探すという方法が主流でした。この手法だと、求職者は条件だけで企業を選ぶ傾向が強くなり、人気企業からすればターゲット外の応募者が増える、知名度の低い企業からすれば応募が全く来ないといった事態が起こります。

ダイレクトリクルーティングでは、あらかじめ細かなペルソナを設定し、そのペルソナに対して企業側からアプローチをかけます。そのためマッチング精度が高く、これまでの非効率な採用手法を一新できるのです。

現在は新卒採用・中途採用、それぞれにダイレクトリクルーティングの専門サイトがあり、新卒の4人に1人はこれらの専門サイトに登録しているといわれています。中途採用では特に、「求人に応募する」という能動的な転職活動から、自身のプロフィールを公開しておいて、会社から声がかかるのを待つ、受動的な転職希望者も増えている印象です。

参考:ダイレクトリクルーティングの市場規模
また、新卒採用支援サービスの市場規模は、2021年は1,234億程度の予測とされています。新型コロナウイルスの流行により、企業の新卒採用計画の見直し・採用人数の縮小などによるマイナス影響を受けていますが、ダイレクトリクルーティングサービス市場は成長産業であり、就職活動・採用活動のオンラインシフトや採用工程・手法の変化などを背景に、登録学生数の増加、そして利用企業の拡大が見られ、需要拡大を見せています。

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出典:矢野経済研究所発表資料より(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2698)

また、全国求人情報協会によると、中途採用における求⼈情報提供サービスは市場規模 7,669 億円。そのうち、1115 億円がダイレクトリクルーティングやアグリゲーター、クラウドソーシ ングといった新形態サービスの規模とされています。2015年では、実は全体の数%にも満たなかった市場が急速に拡大している状態です。

他の採用手法との違い(求人サイト・人材紹介と比較したメリットデメリット)

ここまでダイレクトリクルーティングが注目される理由についてお話してきましたが、他の採用手法と比較すると、どんなメリットがあるのでしょうか。ここからは採用手法として一般的な、求人媒体や人材紹介とダイレクトリクルーティングの違いを紹介します。

メリット:選考フローの大幅な削減ができる
ダイレクトリクルーティングの大きなメリットとしては、選考フローの大幅な削減があげられます。求人媒体サービスのような母集団形成を目的とした採用方法では、ターゲットから遠い求職者からの応募がどうしても多くなります。無駄な選考フローが多くなり、他の業務を圧迫することに繋がってしまいます。

メリット:人材紹介(エージェント)よりもコストが安い
人材紹介サービスは、効率的に求職者を採用できる点はメリットですが、採用成功時の費用が高額になり、コストに課題が出るケースがあります。ダイレクトリクルーティングはピンポイントにターゲットから応募を促すことができ、コスト面でも効果的な採用が期待できます。

メリット:転職活動を積極的に行っていない潜在的な候補者にもアプローチが可能
さらにダイレクトリクルーティングは、データベースに登録している人材であれば、転職活動を積極的に行っていないといった、潜在的な候補者にもアプローチが可能です。また、経営者や人事の管理職が直接アプローチすることで、候補者に高い動機づけができることもメリット。

デメリット:スカウトメール作成の工数がかかる
一方、ダイレクトリクルーティングは、求職者に対して直接スカウトメールを送るため、作成に工数がかかるというデメリットがあります。例えば、ターゲットのペルソナ設定、アプローチ対象がどのプラットフォームに多く登録しているかの調査、ターゲットの履歴書確認と選定、スカウト文面の作成などです。

また、ターゲットにより魅力に感じるスカウトメールが異なるため、ノウハウが蓄積されるまで成果が出ないこともあります。

デメリット:多くの母集団を必要とする場合は不向き
上記のような点から、ダイレクトリクルーティングは母集団を多く形成したい場合には不向きと言えます。

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表:ダイレクトリクルーティングと他採用手法のメリットデメリット

【ポイント】
ダイレクトリクルーティングを賢く活用するには、自社で運用ノウハウを溜めていく以外に、ダイレクトリクルーティング代行会社を活用し、工数削減を図るといった方法も効果的です。ここまで紹介したデメリットを払拭できるとして、弊社のようにダイレクトリクルーティングを専門とする企業も、様々なお客様からお声をいただくようになりました。

 ダイレクトリクルーティングに向いている職種とは

では、ダイレクトリクルーティングに向いている職種とはいったいどんなものでしょうか。ずばり、ターゲットにピンポイントで応募をしてもらいたいという点から、同じ職種の大量採用より、要件定義が出来ている特定の職種に向いています。

具体的には、「20代~30代の営業職、経験不問」といった採用よりは、「20代後半、食品商社で、法人営業の経験あり」などの、特定ターゲットに向けた採用で活用することがおすすめです。求職者もなぜ自身を採用したいと思っているのか、明確に理解できるスカウトメールをもらうことができるため、応募もしやすくなります。

ダイレクトリクルーティングの費用・料金はどれくらい?

採用担当の皆様が一番気にされる、「費用体効果」。では、ダイレクトリクルーティングにかかる費用はどれほどなのか、費用のかかり方にはどんな種類があるのかを見ていきましょう。

ダイレクトリクルーティングを行うのにかかる費用<自社で運用する場合>

ダイレクトリクルーティングを行うのにかかる費用は、主に媒体への掲載費用とスカウトメールのオプション費用です。

  • 採用媒体掲載費用・・・初期費用、月額使用料、求人案件ごとでの掲載費用等

  • スカウトメールオプション費用・・・スカウトメールの件数による費用、月額使用料、スカウト代行費用(サイト運営会社によるソーシング)等

【大手転職媒体の費用例】
採用媒体掲載費用(基本企画)に加えて、オプションとしてスカウト機能を付けられる場合大手の中途採用媒体の金額とスカウトメールの種類と金額を表でまとめています。(2021年10月現在)

中途採用媒体の掲載費用
※一般公開している情報をまとめていますが、該当企業の方で非公開を希望される場合、僕宛にDMいただけると幸いです。

ダイレクトリクルーティングを行うのにかかる費用<代行会社に依頼する場合>

代行会社に依頼をする場合、媒体への掲載費用とオプション費用に加え、代行費用がかかります。

  • 代行費用・・・初期費用(10万円~)、月額使用料(スカウトメールの件数による)、または採用成功時に支払う成果報酬費用 等


自社で既に転職媒体を契約している場合
自社で既に転職媒体に掲載しており、スカウト200件を代行会社に依頼する場合は、初期費用10万円+スカウト送信費用20万円(200通)=30万円/月程度の費用がかかります。

媒体未契約でダイレクトリクルーティングを外部に依頼する場合
費用は月額で支払う場合と、成功報酬の2パターンがあります。

  • 月額で支払う場合:初期費用10万円、月額5万円、スカウト配信費用 1,000円/1通
    →3ヵ月でスカウト200件を運用したケース:10万円+15万円(3ヵ月の月額)+20万円(200通)=45万円

  • 成功報酬の場合:LiBzCAREERを使用した場合:成果報酬20%
    →登録人材の70%が20歳~35歳、年収のボリュームゾーンは350万~450万円ですので、成功報酬20%の場合、70万円~90万円が採用コストとなります。

人材紹介会社の成功報酬フィーが30~35%と設定されていることに対して、ダイレクトリクルーティング媒体は、キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーの介在がないため20%~30%と低く設定されているケースが多いです。

いかがでしたでしょうか?媒体掲載費用と比較すると、比較的リーズナブルにダイレクトリクルーティングを運用頂けることがお分かりいただけたかと思います。

ダイレクトリクルーティング(スカウト)を使って採用するまでの流れ

ではダイレクトリクルーティングをやろう!と決めたときに、どんなプロセスで進めていくのか、採用担当が準備すべきことは何かを解説していきます。

採用ターゲットのペルソナを決める
まずは、採用ターゲットを明らかにすることろから始めます。これまでの選考を振り返り、課題を明らかにします。例えば、母集団形成は出来ているが、人物像のマッチングがなされていないのであれば、過去候補者の選考において、足りていないポテンシャルは何か、どうなったら、採用できるのかを明確にしましょう。そして、人材要件をペルソナレベルで具体化し、その人物像に響くメッセージは何かをコンセプトメイクします。

過去の選考通過者や、現在活躍している社員の成功パターンから、採用したい人とはどんな人かを具体的にイメージできるように、言語化します。

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採用媒体・ツールを決める
次に、ペルソナ設計をしたターゲットが登録している可能性が高い採用媒体を選定します。

見るべきポイントとしては、会員登録者の傾向(年齢層・職種・転職意欲・現在の年収レベル等)、すでの掲載されている企業の顔ぶれ、スカウト返信率の傾向の3つについては必ず押さえておきましょう。スカウト運用をする採用媒体内で候補者が少なければ、採用確度は下がります。

期待できそうな採用媒体で運用を始められるように、サイト分析は欠かせません。候補とするサイトには、求職者としてテスト登録をしてみて、どんなスカウトがどれくらいの頻度で来るのかを検証しておくことをおすすめします。

※ちなみに大手媒体に登録している方は、「スカウトメール慣れ」をしているので(一人よっては送信数が1ヶ月数百件を超える)ので、あまり返信率が高くない印象があります。

ダイレクトリクルーティングのオペレーションを決める
自社ですべて完結するようでしたら、誰がいつどんなアクションをするのかを決めておきましょう。採用業務の空いた時間でスカウトを配信したらよいと思っていては、成功には程遠い状況です。毎日時間を決めて、登録者のレジュメチェック、選定、スカウト配信を運用しましょう。

採用媒体にペルソナの登録条件を作っておけるものがほとんどですので、候補者が何人いますというレコメンド機能により、選定はしやすくなります。朝一番に候補者選定をし、12時~13時に候補者がスカウトメールの確認ができるように運用を進めましょう。

また、スカウト配信時間を選べる採用媒体もありますので、業務後とされる18時~20時頃の時間帯にセットして送信するのも効果的です。求職者の生活スタイルを想像しながら、運用を進めて行きましょう。

※代行会社を使用する場合
どれくらいの頻度で運用レポートを共有してもらうのか、連絡の頻度などを合意しておく必要があります。業務チャットなどを活用し、連絡がすぐ取れる状態を作っておくといいです。

また、人事だけではなく採用部署の担当とも連絡が取りやすいよう、関連部署ごとでチームを作っておくと、運用工数が下がります。代行会社を選定するときは、ダイレクトリクルーティングの運用実績も重要ですが、コミュニケーションコストを気にしている会社を選定すると、採用担当にとっては、頼れるパートナーとなると思います。

運用をする中でPDCAを回す
そして、僕もよくお伝えしている重要な点が、運用をスタートして、実績が芳しくなくても、諦めないことです。スカウト開封率や、面接率などの定量的な成果や、面談時の定性的な評価を踏まえて、定期的に振り返りを実施しましょう。スカウト開封率が悪いのであれば、配信時間帯を変える、複数のタイトルで送り分けをしてみて、開封率をいくつかのパターンで検証するなどを試してみましょう。

また、スカウトから応募につながった候補者に、なぜ応募してくれたのかのヒアリングは必ずしてください。このキーワードが気になったなどの具体的なワードをチョイスできれば、次のスカウトで早速実践してみましょう。ふりかえりと、次へのPDCAを回すことで、スカウト運用はどんどん楽しくなってきます。

おすすめのダイレクトリクルーティングサービス比較

 よくお問い合わせを頂く媒体をいくつかご紹介します。弊社でも利用している媒体もあるので、もし気になるものがあれば、ぜひ教えてください。

ビズリーチ
ハイクラス層の登録が多いビスリーチ。登録者は115万人を超えており、導入企業も累計14,300社以上と実績はトップクラス。ユーザー審査もあり、職務履歴や年収などの基準が満たないと登録ができません。

CMなどを打っているため、知名度も高くなっています。同社はビズリーチだけでなく、若手中心のサービスとして「キャリトレ」も運営しています。

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出典:https://www.bizreach.jp/

Wantedly

若手人材やエンジニアにアプローチが可能です。ダイレクトスカウトから採用広報まで、様々なソリューションを提供しています。新卒採用・アルバイト採用にも利用可能であり、圧倒的なコストパフォーマンスが売りです。職種数の制限もないので、あらゆる職種やポジションでの掲載が可能 です。

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出典:https://www.wantedly.com/

doda Recruiters

募集職種は無制限、かつ成功報酬金額も無いため、複数人採用した場合は1人あたりの採用コストをおさえることが可能です。採用の専門家による無料講座が年間100回開かれており、スカウトメールやダイレクトリクルーティングの経験がなくても、安心して採用活動ができます。

登録者の行動履歴から転職希望度がわかる機能や、多様な条件での絞り込み検索が可能なため、採用の確度を上げることができる媒体です。

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出典:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/middlecareerservice/directrecruiting/doda-recruiters/

採用成功事例の紹介

過去に弊社でダイレクトリクルーティングの支援させて頂いた企業様では、ダイレクトリクルーティングを活用した結果、短期間での採用成功や採用コストの削減につながった、2社の事例を紹介します。検討にあたり、ぜひ参考にしてください。

大手損害保険会社様(応募率19% 3名の採用)
これまで中途採用媒体の活用と人材紹介が主流でしたが、なかなか採用ができない職種があり、ダイレクトリクルーティングに挑戦。3ヵ月で、エンジニア・法務・データ分析の3名の採用を実現しました。

通算スカウト配信総数150通→スカウト開封114通→応募28件(応募率19%)と高い割合で応募獲得に成功。

【採用コスト】
媒体使用料80万円+45万(スカウト代行費用)×3ヵ月=215万円
※1人当たりの採用コストは約70万円

同社は、年収提示が500万〜720万の層でしたので、人材紹介フィー30%で採用したとすると、150万円~216万円がかかります。紹介コストと比較し、30~50%の採用コストで、難易度の高い採用が実現しました。

東証一部 不動産管理会社(応募率8% 4名の採用)
ダイレクトリクルーティングを開始し、なかなか採用ができず苦戦を強いられていた、コンサルティング営業、アセットマネージャー、賃貸管理、事務職で採用か叶い、計4名を6ヵ月のうちに採用完了しました。
通算スカウト配信総数732件→開封489件→応募40件(応募率で8%)で、選考工数も大幅に削減させることに成功しました。

【採用コスト】
媒体使用料117万円+30万(スカウト代行費用)×6ヵ月=297万円
※1人当たりの採用コストは約74万円

同社は、年収提示が430万〜500万の層でしたので、人材紹介フィー30%で採用したとすると、129万円~150万円がかかります。
紹介コストと比較し、約50%の採用コストで採用が叶いました。

まとめ

ダイレクトリクルーティングは、求人媒体や人材紹介会社などを介さず、企業が直接求職者にアプローチする採用手法です。採用コストをおさえつつ、より自社とのマッチ度が高い人材を採用することができますが、業務負荷は増えることになるので、外部リソースを活用しながら、効率的な採用を目指してみてください。

また、ダイレクトリクルーティングでの採用成功のためには長期的な目線で取り組む必要があります。可能であれば、専任の担当をたてノウハウをためていくのがおすすめです。

最後に、少しだけ弊社の宣伝を・・・
Mirise up株式会社では、ダイレクトリクルーティングを効率的に低コストで実現させています。もしお困りの方がいらっしゃれば、ぜひ僕にDMか、以下からお問合せください。

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