消化不良の夏休み
なんだかあっという間だった夏季休暇。
一応7日間あったはずなのに、ほとんど休んだ気がしない。
なんでだろう。せっかくのお休みだったというのにモヤっとしている。
一番は、せっかく関西に帰ってきたのにイマイチ遊びきれなかったことが原因かもしれない。
特に、地元最寄り駅付近を1人でサイクリングすることを一番楽しみにしていたのに、家を出ることがあまりに面倒臭く、かつ別件で作業していた楽譜作りに妙に夢中になってしまい、全く出発できなかった。
こういう、『行きたいのに出発出来ない』という事案はADHDらしく本当に頻繁に発生する。
あまりに多いので最早落ち込まないことが多いのだが、今回は辛い。
だって、夏休み一番の楽しみだったのに。私の地元は本当に良いところだ。特に夏なんか、昔ながらの街並みや自然、田んぼなどが青空に照らされて、それはそれは美しい。
まあぶっちゃけ、客観的に見ればなんでもないただの地方都市だ。
ただ地元を離れて14年も経っており、私の中で随分美化されている節があるらしい。たまに来るとなんか異常に心に刺さるものがある。
特に最近、東京の雑踏に疲れていることも相まってか、やたらと郷愁に駆られている。
東京を離れ、10年かけて培った人脈や趣味のつながり、仕事を天秤にかけてもなお関西で暮らしたいと本気で検討してしまうくらいには。
だからこそ、しっかり今のうちに地元を堪能し、どちらでの暮らしを本心で望んでいるの検討したかった。
なのに、、、
いつでも出来る楽譜作りを優先してしまい、地元サイクリングをついぞ諦めてしまった。
冬にリベンジ、と言いたいところだが違う。夏でないと駄目だ。夏の輝きこそ至高なのだ。
夏の地元を楽しむためにはあと1年待たなくてはいけない。あぁ、、本当にもったいないことをした、、
帰路についている今、後悔の念に押し潰されかけている。全く私という人間は、、
これに限らず、今回の帰省はイマイチ堪能できなかったなぁ。せっかく4日間も滞在したのに。
梅田に新しくできたKITTE大阪も行きそびれてしまった。難波で遊ぶこともできなかった。
地元周辺には友人と遊びに行ったものの、そもそも暑すぎてとても出歩ける状況ではなかった。
それに、関西の文化が少し遠く感じる瞬間なんかもあった。
エスカレーターで右に並ぶ文化とか、なんとなく自分の慣れ親しんだものとして感じられない。毎回左に立とうとしてから修正している。そもそも右に立っていた身体感覚すら忘れてしまっている。我ながら寂しい。
多感な中高時代を含めた10年以上の時を関東で過ごし、常識から何からすっかり関東流に塗り替えられてしまっている。
関西弁だって意地になって覚えているというだけで、いざ喋ると所々イントネーションがおかしい。時に関東弁、時に名古屋弁の混ざる意味不明な身体になってしまった。
私は最早関西人と言えるのだろうか。言えないだろう。テセウスの船さながらに身体が作り変えられてしまっている。私はこれが堪らなく悲しい。私のアイデンティティは何処へ...
とはいえ、やっぱり私の心の故郷は間違いなく関西だ。旧友や親類、また新たに出会う関西人たちと話す時にしか得られない喜びがある。
関西人達との話すと改めて実感するが、関西人達との会話は本当に驚くほどノリツッコミによって成立している。むしろノリツッコミなしには成立しないレベルで浸透しており、全く意識的なものではない。
常に盛り上がっているとかでは全くないが、落ち着いている時ですらキャッチボールの内容がまるで違う。この関西弁での会話によって得られる心地良さは、標準語のそれとは全く別質のものだ。10年以上関西を離れていたって、この楽しさはなかなか忘れられるものではない。
関西の人たちと散々話したあとに関西を離れるときの寂しさったらない。
もう一度、関西に住みたい。理由はうまく言語化できないけど、とにかく関西が恋しい。
だいたいもう、無理して標準語を喋るのは疲れた。だからといって関東で異物になりながら関西弁を喋りたい訳じゃない。公私共に、関西人達に囲まれて思いっきり関西弁を喋りたい。子どもにだって関西弁を喋っていてほしい。これは完全にエゴだけど。
週末は関西のローカルテレビを見て笑い、慣れ親しんだ色の薄い関西風うどんが食べたい。粉もんや551の豚まん&焼売だって常食したい。
愛する近鉄や阪急、京阪に乗って出かけ、買い物がしたい。かたやイズミヤでやっすい服を買いあさりたい。
なんで仕事によって強制的に名古屋に住まされることはあっても関西に住むことはできなかったのだろう。無念。関西に住みたかった...
....なんで諦める前提になっているのだろう。関西に住みたいなら住めば良い。多少不便になったとしても構わない。趣味や友人を東京で作りすぎたとはいえ、夜行バスなんかを使えば東京だって通えない訳じゃない。現に地元の友人はそうしている。都会すぎず田舎すぎないこの環境であれば、子どもだってきっと健全に育つことだろう。
ただ、可哀想なのは彼氏だ。関西には何の縁もゆかりもなく、人脈が100%関東にある彼氏を、ただ自分の我儘のためだけに関西へ駆り出す訳にはいかない。せめて、なんらか相手にも納得の行く、メリットのある理由が必要だ。
現状、2人とも思いっきり生活基盤が関東にあり、関西に住まう理由がなさすぎる。
安定して関西で暮らせるよう関西で職を見つけなくてはならない。彼の人脈や慣れ親しんだ地元捨てさせてもなおメリットがあると提示できなくてはならない。いや無理ゲーでは??
はあ、、今まで彼を納得させたことなんて1回だってないのに。どうしたものか、、
随分脱線したが、そんな訳で大変モヤモヤモヤモヤしたまま夏休みを終えることになりそうだ。こんな調子で明日から働くのか...久々にダウナーな気分である。もう既に関西に帰りたい...
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