戦メリとローレンス・ヴァン・デル・ポスト
坂本龍一が亡くなった。
R.I.P.
71歳という享年に驚いた。ほぼコンテンポラリーだったんだな。もっと上なのだと思っていた。
YMOもRAIDEENもリアルタイムで知っていたけれど、坂本龍一に興味を持ったのは、映画「戦場のメリークリスマス」だった。
戦メリに興味を持ったのは、舞台がインドネシア・ジャワ島の捕虜収容所だったからだ。
映画はセンセーショナルな宣伝に鼻白んであまり見る気がなかったのだが、兄がほめていたので、その後、テレビで放映されたときに見たのだと思う。ビートたけしは名前は知っていたがあまり見たことがなく、この映画で惚れた。兄は映画館でビートたけしが登場しただけで、爆笑になって残念だったと言っていた。
多分、その前に原作を原書で読んだ。
Merry Christmas, Mr. Lawrence: Laurens Van Der Post
ローレンス・ヴァン・デル・ポストは南アフリカの人だ。インドネシアの旧宗主国であるオランダ系で英国で志願兵になった後、オランダ語ができるためインドネシアの連合軍に従軍したそうだ。そこで抑留された経験がもとになっている。
戦前、アパルトヘイトが強い南アフリカで日本人船長を助けた縁で日本にも来たことがあるし日本への理解も深かった。
原作を読んだときに感じたのは、戦時中の過酷な経験の中でも、日本人に対する客観的な観察・記述がされていることだ。貧農出身の軍曹であるハラの社会的背景に対する理解、日本の兵士に植民地の軍属がいるという理解とその立ち位置に関する考察など。
一方で、戦後、だいぶたった後も故郷の草原に横たわって青空を見上げているときに、急に収容所時代の仲間が斬首されたシーンがよみがえって苦悩するのだ。
Merry Christmas Mr. Lawrence / Ryuichi Sakamoto - From Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022 - YouTube
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