見出し画像

YASHICAのカメラ

2014年にヤフオクで買ったYASHICA electro 35 ccでたまに写真を撮る。
真っ暗闇でも光を捉える、とってもすごいカメラです。
富岡光学という会社がYASHICAの傘下に入り、後に京セラグループになるという歴史の途中、1970年頃に作られたものなんだとか。
売り出された当時のキャッチフレーズは「ろうそく1本の明かりで撮れる!」

本機の質感をどう伝えましょうか?
簡単に言うと鉄の塊です。かなり重い。
何度落としても全く壊れません。
自分の車にぶつけたとき、車のほうがへこんだし。
おそらく私が所持しているものの中で一番頑丈です。

このカメラの特徴は色々とあると思いますが、実際に使ってみて一番感じたのは被写体がいくら動いていても結構パキッとした画になるということ。なんでもプラスチック製みたいに写ります。
設定自体はシンプルで、天気のピクトグラムから現状の周囲の明るさを選び、被写体との距離の数値を大体の勘で合わせるだけ。ISOと絞りの知識がなくても感覚的に選ぶことができ、シャッタースピードは自動。たいへん気楽な一眼レフです。
このカメラはもちろん中古品で、手元に届いた時から既にボロボロ。シャッターを押しても全く手応えがなく、本当に大丈夫か?と思っていたけれど、初めて現像したときほぼ全てまともに写っていて驚きました。

YASHICAを使うときは仕事と違って「こんなふうに写したい」と想定して撮ることはまずありません。普段仕事ではあらゆる意図でがんじがらめになっているため、なんとなくでいいという時間が自分にとっては結構大切なんです。脳みそ休ませタイムですね。
それに、こういった「てきとう感」の中に現れる偶然よりも完璧なものはありません。たとえどんなに完成度の高いものでも、人の意識が関わらずに生まれた美しい瞬間には勝てないと思うのです。笑うのと同じように、予想もしないことに打たれ弱いからこそわたしは人間なんだと実感させてくれる素晴らしいもの。出会えたらラッキー。

ホームページを作ったときにフォルダを整理していたらたくさん写真が出てきたので載せていこうと思います。YASHICAの購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

よく動いていたけれど、パキッと写っている奈良の鹿の家族
熱海ですかね
これも熱海ですかね?
ハトヤホテル。設定をミスって炭鉱のようです
クレマチスの丘
クレマチスの丘のクレマチス
クレマチスの丘
ベルナール・ビュフェ美術館
ベルナール・ビュフェと丸木位里・俊展《原爆の図 第3部 水》
エモく撮れてる
デッサン教室(スケッチ)。いろんな世代の方が桃を描いていますね
桃がかわいく撮れていますね
友人Tと林業試験場(このスギは全てクローンです)
お墓参りのあとで行った茨城の鹿島神宮
23歳だったねこ
外飼いだったねこ
たんぼ
飛行機
真夜中でも遠くの光をここまで集められる
ホームページに使った21美の他人
これもホームページのフッターに使った写真ですね。海です
フィルムが終わりのほうになるとこうなる。
国際フォーラムでミュージカル観た帰りの東京駅、だったと思う

昨年iphone14proを購入した。利便性が高く、確かに写りも相当きれいだけれど、なんだかちょっとつまんない。きれいに撮れるように勝手にアシストしていただいてありがたい。でも、べつに頼んでないです。ときどき自分がiphone先生のアシスタントをしているような気持ちになるのでむなしい。
カメラに限らずデジタルなものは総じて常に確認作業が付き纏う。たしかめることに特化した、商用(自分自身の出来事を切り売りするという点においても)向きのツールであるといえます。その割に根本的なヒューマンエラーが多い気もするけれど。

久しぶりにYASHIKAで撮ろうと思ってフィルムを買ったら昔の10倍の値段でびっくり。現像はカメラのキタムラなら今はまだそこまで高くないので、ぜひこのままでお願いしたいです。
高校生の頃は近所のクリーニング店などで1本500円で気軽に現像からプリントまでできていた。これももう20年前のことなんですね〜

フィルムカメラで撮る写真はとても好き。
記憶の映像に近い。曖昧さを残しておいてくれる。
私が思い出す情景には、デジタルカメラで撮ったような鮮明さはひとつもない。技術の向上に伴って解像度が上がれば上がるほど、ありのままを写せば写すほど、不思議なことに見知った現実とはかけ離れていく。
これは単純な近視の問題ではなく、デッサン経験のある方はご存知の通り、人間の目と脳の思い込みフィルター補正はかなりエグいということ。その身勝手な補正後に寄り添う形で仕上がってくるフィルム写真は一体何者なのか、ちょっと怖くもある。
もしかするとフィルムは生きていて、その瞬間、その場のエネルギーを全て閉じ込めてしまうのかも。だから昔の人が写真を撮ると魂吸われるとか言ってたのも全然わかる。迷信ではなく事実だ。

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?