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逆プロポーズした恋

この恋が始まったのは、会社の懇親会、新入社員を含めての交流の場に来ていた彼は、つかず離れずに私のそばにきて話をしていた。普段全く番号交換しない私が、そのとき一緒に参加していた先輩に交換すればいいじゃんと促されて番号交換して初めて関係が始まった。

電話での会話を重ねて、付き合い始めるまでに時間はかからなかった。

付き合い始めた頃の私は、ネガティブの塊で、彼はポジティブな人なので、価値観の違いから喧嘩を繰り返していました。今思えば、人としてまだまだ未熟だったんだと思います。

週末には、彼の家に行って、お昼と夕飯を作る半同棲のような生活をしながら、1年が経った頃、お互いの両親にお互いを紹介して、彼の実家にも年に何回か顔を出すようになりました。

でも、彼は、結婚を全く考えていない人で、元彼女の話もするし、元彼女の両親にあった時にも結婚はしませんと言ったような人でした。

結婚を強く意識する時期にきていた私は、彼の結婚に対する気持ちを知っていても待つほどの余裕はありませんでした。

私が作った料理を美味しいと言ってくれる彼を好きだと思いながら、何度体をかさねても、埋まらないこころの隙間を結婚という形で早く埋めたくなる気持ちが日に日に大きくなっていました。

付き合って2年目のデートの帰りの車で私の自宅に到着した時、逆プロポーズする覚悟を決めて言葉にした。

「彼さん・・・結婚してほしいです。」

彼は少しの沈黙のあと。

「今はまだ無理。」

「・・・そっかぁ。」

逆プロポーズすごく勇気が必要だったんだけどな。

この日を境に、私と彼のバランスは崩れて行きました。お互いに我慢していたことに気づいていって、埋まらない溝が少しずつ深まりました。彼は、私の結婚したいと思う気持ちを窮屈でストレスに感じて、私は、あなたのお母さんか家政婦になるつもりはないと思う気持ちが強くなっていた。

なんとか修復しようと思った時期もあったけれど、どんなに頑張ろうとしても気持ちは辛くなるばかり。

ついに、喧嘩をしても仲直りできなくなったとき、別れを告げました。

彼の愛情の深さに気づけず、わがままを言っている私に気づいたのは別れて少し経ってから。愛情をお互いに伝わるように接することができていたら、未来はもう少し違っていたかもしれません。

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別れたことに対して復縁を思う日々もありましたが、別れたからこそ、気づくことはたくさんありました。

noteに記して、気持ちの整理をすることで、この恋に一区切りついていることを自覚でき、ちゃんと思い出として整理できていたんだと実感しました。