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「人生初」はきっとまだまだある。

突然ですが、あなたは生け簀(す)に落ちたことがありますか

わたしはあります。まあ、あるから訊いたのですけれど、あります。

昨年のことです。

 大人だし、っていうか齢四十もとっくに過ぎて、一児の親でもあり、普段はそれなりに常識あるっぽく取り繕って生きていましたがそういう素行は何ら斟酌されることなく容赦なくどぼんと落ちました。4月の初めの晴れた日でした。人生初です。

 千葉の海近くにある釣り堀でのことです。
 釣り自体縁遠い人生を送ってきたので私はそれまで知らなかったのですが、海の近くに釣り堀が! あるのです! 需要あるんだ? 数千円も払うなら魚、買えばよくないか?
 しかし私とは違う価値観の人は少なくないのらしく、なかなかの人気スポットで、春休み中の土曜で天気もよいとあって昼をまわってガチ勢が引き揚げ始めてなおまだ盛況。そんな中での出来事でした。

 感想……感想ねえ。

 水の中にはたぶん十数秒しかいなかったんですよね。

 なので、冷たい! とか、助けて! とかそういうのはなかったです。
 撥水のアウターとジーンズという服装のおかげもあって、水が直に触れた箇所なんて手とか顔くらい? 
 というのも、落ちた原因が「水際でよろけた」というもので、あと一歩分の地面のスペースと、つかまるものがなくて、「ああもうこれは落ちて上がるしかないなあ」と文字通り仕方なくて諦めて落ちたからなんですけど。何なら落ちた直後に岸? につかまってましたもん。
 ただ、劣化したコンクリが意外と手のひらに痛くて、体重かけてガバッと上がるのを躊躇していたのが五秒くらい。
 結局近くにいた男性(夫ではなく!)に両手をつかんでざぱっと引き上げてもらいました。
 あの時の人、ありがとうございました。

 まあその後、家族が釣りを続行した話や、
心配した娘が「ママー、ママー」と呼び続けるせいで気配を消しても消しきれなかった話や、
濡れそぼったまま釣り堀を出てコインシャワーを探してとぼとぼ歩いてサーファー用? の脱衣所のないタイプしか見つからず引き返した話や、
車の後部シートにゴミ袋敷いて座っていた話や、
一年経って失敗談としてネタに昇華させようと義実家で披露したら「カメラが壊れた上に折角のグランピングのチェックインが遅くなった」と夫から責められた話なんかもありますが、

生け簀に落ちた翌朝の風景。ホットサンドとコーヒー作成中。


そういうのはおいといて。

ここで、本題です(やっと)。 人生初の出来事はいくつになってもまだまだあるんだよなという話。

この度、私の書いた本が書店に並びます


もちろん人生初です。

が、いや違うな……本は勝手に並びません。
編集者さんやイラストレーターさんやデザイナーさん、校正校閲さん、印刷所の方がたといった大勢の人の手によってようやく「完成」しても、そこから宣伝して流通して書店に並べて(無名の新人なのでおそらく棚の隙間を見つけて挿して)もらうまでにもまだまだ「手」は必要なわけで、「並ぶ」なんてひとことで済ませるのは全然違うのですが。そして大人の諸事情で、取り寄せないとその書店さんには入荷さえないということも十分ありえるわけですが(泣)。


 小学5年生の男子たちと、女子と、かっこいいけどかっこ悪い大人が出てくる話です。児童書です。
 娘が1歳半になる前に通い始めた児童文学者協会の創作教室の、たしか4回目くらいに提出した作品がベースです。半年在籍する間にできる限り読んでもらおうとガツガツ書いて出していたら、提出上限枚数のルールが復活してしまったというのも今ではよい思い出(?)。
初稿を書き上げてから、ここまでで7年? わあ。

立場上、「できたら買ってください!」と言うべきなのですが、図書館で購入リクエストなどしていただいても充分にありがたいです。
子どもさんにお届けするという意味では、個人的に図書館は最良ルートだと思っているので。

 そして。
 ジャケ買い上等!!
 カバーイラスト、そして挿絵はイラストレーターのふるりさんにお願いしました(パチパチパチ!!)!

 ふるりさんは、noteで連載されているマンガ「晩酌日和」のファンだった私が希望を出し、編集さんより交渉いただいた上お引き受けいただきました。ちなみに「晩酌日和」第10話に出てくるレンコンのガレットは我が家の定番メニューとなっております。

タブラティーもつくった。まちがいないやつ!

どうにかこうにかここまで漕ぎ着けました。
あとはもうひとふんばり、読み手さんまで漕ぎ着けたい

もし漕ぎ着けないで漂っているのをお見かけの際には、どうかあなたの手でざぱっと引き上げてやってください。


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