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ウィルスによる感染について問題発見の視点から考える(1)

(1)1. ウィルス(病原体)とは
(2)2. 感染源(ウィルス保有者)
(3)3. 感染媒体(感染経路)4. 被感染者
(4)5.どうする

はじめに

連日、新型コロナウィルス(COVID-19、SARS-CoV-2)のニュースが報道され、私達の生活に多大な影響をもたらしている。しかし、不安を煽る偏った報道ばかりで、いったい何が問題なのか、どうしたら良いのか良く分からない。
専門家と称している方による解説もあるが、抽象的な話ばかりで、何が、どのように、どうなるのかという視点が欠けている。特にウィルスの量について説明がない。例えば、マスクの網目はウィルスに比べて遥かに大きいので、意味がないと言う指摘もあった。確かに通過するウィルスもあると考えるべきだが、飛沫に含まれているウィルスの侵入は防止できる。1か0でなく、少しでも感染するウィルス量を減らすことも重要ではないか。他の効果も総合的に、俯瞰的に見なければならない。最も、解説者の専門領域が感染症等に偏っており、専門でない領域にまで言及していることが一因とも言える。
例年のインフルエンザによる患者数(数100万〜1000万人)、死者数(〜1万人)や肺炎による死者数(10万人以上)とも比較し、どこでどの様なリスクがあるのか、明確な根拠を示せば、もっと適切な行動が取れるのではないだろうかと思い、そもそも感染とは何かという疑問から調べてみて分かったことをここに整理した。

私は医療従事者でも感染予防の専門家ではない。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)や水銀等の重金属を始めとする有害と言われる化学物質の除去(除染)や無害化、微生物の工業利用が専門である。これら化学物質を扱う際には、作業従事者がその化学物質に被曝(体内に摂取)しないこと、化学物質による汚染を拡大させないことは安全対策上必須である。

医療(感染症を含む)は感染してから、あるいは発病してからの対症療法。一方、ウィルスが人体に侵入し、感染に至るまでは被曝や汚染と同様プロセスである。

感染と被曝や汚染は、対象がウィルスや細菌であるか化学物質であるかの違いである。そこで、被曝や汚染の拡大防止や微生物の性質からウィルスの感染について考察する。

環境中に現れた病原体(ウィルスや細菌)を体内(細胞)に取り込んでしまうことを感染という。

その感染の仕組みを理解するには、

① 病原体(ウィルス)
② 感染源(感染者、ウィルス保有者)
③ 感染媒体(感染経路)
④ 被感染者(ウィルス未保有者)

について理解し、それぞれがどの様に関わっているのかを理解する必要がある。図 感染の仕組み

図 感染の仕組み

簡単に言えば、①病原体(ウィルス)が②感染源から排出され、③飛沫やエアロゾル、モノ等の感染媒体を経由して④被感染者の体内(細胞)へ侵入し、増殖を始めることである。

1. ウィルス(病原体)とは

ウィルスの基本構造は、粒子の中心にある核酸と、それを取り囲むタンパク質の殻から構成された粒子である。熱に弱いため、生体は高熱を発し、ウィルスを死滅させる。

ウィスルスは自分では増殖できず、他の生物の細胞に入り込んで(寄生)増殖する必要があるため、非生物に分類されている。生物である細菌と異なり、環境中では長く生存できず、増えることもできない。

また、寄生するので宿主(人間や動物)と共存するように変異し、最終的に発症は収束し、共存する。宿主が死んでしまうとウィルス自体も死んでしまう。

ウィルスの大きさは0.01〜0.1μm(1 mの1/100万)、 一般的な細胞の1/100〜1/1000と細菌よりずっと小さい。インフルエンザウィルスは0.1μmである。ここで、ウィルス自身は0.1μm以下だが、ほとんどのウィルスは単体では乾燥して感染力を失うので、その存在形態が重要である。

ウィルスの発生源は生物であり、生物から何らかの形で排出されるが、共通して水分に覆われている。
飛沫として咳やくしゃみは1〜100μm、呼気では1μm未満である。この飛沫をエアロゾル(気体中に浮遊する微小な液体または固体の0.001〜100μmの微粒子と周囲の気体の混合体)と称している。身近なエアロゾルには粉塵、ヒューム、スモッグ、PM2.5(2.5μm以下の粒子)、タバコの煙(1μm以下)等がある。

ウィルス自体は微小だが、水や花粉、埃等、空気中の様々なものと一緒になっており、万能ではないがマスクも有効であると考えた方が良い。

ウィルス自体は非生物で、0.1μm以下のタンパク質、人間の体内から飛沫(くしゃみ、咳、呼気)や排泄物として排出され、環境中では水に覆われているので、1〜100μmのエアロゾル(霧)として(室内の)空気中、あるいは体内から排出されたものが直接またはエアロゾルとして空気中を漂った後に付着したモノに存在し、乾燥すると感染力を失う。

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