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顕在化してきた食糧危機 (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。先日のNHKスペシャル「混迷の世紀▽第4回 世界フードショック~揺らぐ『食』の秩序~」でも放送されましたが、いよいよ食糧危機が目の前に迫ってきました。食糧危機に関しては以前から言われていましたが、国際紛争などを契機に一気に問題が浮き上がってきた感じです。

NHKより

よく食料自給率云々の話が聞かれますが、あまりに一般の方にはピンと来にくいと思います食料自給率には「生産額ベース」と「カロリーベース」がありますが、よく目にするのは「カロリーベース」です。しかしカロリーベースで食料自給率が37%といわれてもよくわからないですよね。

出典:農水省より

これを細かく分けてみていくと、主食であるお米は減反政策をしているくらいですから、コメ余り状態で食料自給率は100%を越えている状況です。さつまいももほぼ100%という状況です。野菜やじゃがいもも70%~80%水準で自給率はある程度を確保しています。
一方で、小麦や大豆などはほぼ輸入に頼っているという状況であることがわかります。

さらに肉類を見てみると、自給率は鶏肉:約65%、豚肉:約50%、牛肉:約40%とそこそこあるように見えますが、それらの家畜を育てるためのえさ(飼料)は輸入に頼っていますので、それを考慮すると各肉とも10%程度となってしまいます。

現在、世界的な人口増加による食料の獲得競争とともに、国際紛争によるサプライチェーンの断絶により、農作物を栽培するための「肥料」も家畜を育てるための「飼料」も入手しにくい状況になっています。

そのような状況の中で今回の「食料危機」が顕在化してきた、、という状況になっています。
海外から肥料が入ってこなくなると肥料価格も高騰するし、農家が入手できる肥料の量も減少し、農産物の生産量にも影響が出てくるので、現在、自給率が高い農作物も自給率が低下してくると思われるので食糧危機は加速します。
また海外から「飼料」が入ってこなくなると肉類はなかなか食べられなくなります。

すでにこの状況は始まっています。

国は堆肥などの国内で調達できる肥料の使用を農家に促したり、家畜の餌になる「飼料」の生産を農家に促したりと急ピッチで対応しています。

日本は島国ですので、今回の国際紛争などだけでなく海外からの調達が難しくなるリスクはいろいろありますので、やはり必要なものは国内調達ができる体制を作っておく必要があります。

【問い合わせ】
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