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潅水量はどう決める?

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。最近、農業分野で植物への水のあげ方(潅水)について、日射比例潅水や少量多潅水などという言葉をよく聞くようになりました。植物への潅水のやり方や与える量ってどのように決めていますか?

潅水として与えた液肥は植物の根から吸収されますが、植物がどのようにして根か吸水しているかを考えることが大事です。

吸水のメカニズムをすごく簡単にいうと、
①     太陽の日が射しはじめ外気の温度が上昇すると植物は体の表面(気孔)から水分を排出し、体温調整します。人間でいえば“汗”ですね。
②     植物体内の水分が減少するので、植物は根から水分を吸収します。
ということになります。

つまり植物の根からの吸水のスタートは“日の光“ということになります。
ですから日の光(日射量)に応じて潅水するのが適切ということになります。

日射量は季節によって全然違っています。冬至と夏至とでは1日の日射量は2.6倍にもなっています。(下記図)

ですから、季節の日射量に応じて潅水量は変えなければなりません。

また植物の根が吸水するためには、水が植物の根に触れなければなりません。根が水に接することでその水を吸水することができます。
ですから一度にジャーっと大量の水を与えても、一瞬で吸水できるわけではありませんので水は根を通り過ぎて下に流れてしまいます。
一番いいのは一気に水をたくさん上げるのではなく、少しずつチョロチョロと根が吸水できるスピードで水を根の表面に与え続けることが効果的です。
 
ですからこちらも日射量にあわせて、例えば日射量が1MJに達するごとに一定量の潅水をチョロチョロと与えるようなことがされています。

上記のグラフでは、青の棒グラフが日射量、赤△マークが潅水のタイミングということになります。
少量ずつ、幾度にもわたって潅水がされていますね。

植物に液肥を潅水する際にはこのように日射量を基準にして行うことで、植物にストレスを与えずに無理なく、そして液肥の無駄も抑えることができます。

今日は潅水のお話でした!

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