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企業の農業参入がうまくいかない本当の理由 ①

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今回から数回にわたって「企業の農業参入がうまくいかない本当の理由」についてお話していきたいと思います。

様々なニュースでよく「〇〇株式会社が農業参入!」というのを目にし、数年後には「撤退した」というニュースを目にすることが多いです。様々な業種から、我こそは!と農業参入するものの、なかなかうまくいっていないのが実態です。

日本施設園芸協会が公表しているうまくいかない原因としては、

①     過大な設備投資
②     栽培ノウハウ不足
③     販路不足

等があげられています。これはこれで正しいのですが、
私がコンサルティングをしていて感じることはもう少し根深い(?)ものがあると感じています。

では早速お話していきたいと思います。

<異業種からの参入の場合、だいたいトップダウンで事業参入が決まる!>
一般に企業がボトムアップで新規事業を立ち上げる場合は自社の強みを活かすことを考えます。例えば自動車産業の会社が新規事業でネイルサロンとか、スポーツジムとかの事業をやるというのは技術やノウハウもなく、人脈もないわけですから、勝算がないので、普通に考えてなかなか手を出さないものです。全くの異業種からの農業参入も全く同じです。ですから全くの異業種が農業参入するという大胆な決断ができるのは経営トップしかいません。つまり多くの異業種からの農業参入はトップダウンで決定しているケースが多いです。

<経営トップは社長室や経営企画部など身近な人に指示する!>
経営トップは「農業に参入するぞ!」と思ったら、まず身近な社長室や経営企画部などの側近にその旨を伝えます。さあ、ここから不幸が始まります。
農業事業への参入を指示された社長室・経営企画部の方は、農業に関しては全くの素人。普段は奥さんが家の料理長であることから野菜がスーパーマーケットではいくらで売られているか全く知らないし、栽培に関しては小学生・中学生で光合成を学んだり、朝顔を育てたことがある程度の経験と知識しかありません。ですからプロジェクトメンバーに「実家が農家」の人を選んでしまう。しかし、よく考えてほしい。実家が農家なのになぜその人は一般の企業に就職したのか・・・。おそらく農業は儲からないということから、安定した収入を得るために一般企業に入っている人が多いはずです。農業は儲からない、、と思っている人を新規事業立上げのプロジェクトメンバーに選んでしまいます。またほとんどの農家出身の方は最新の新しい技術も十分に理解していなケースが多いと思います。こうして全くの素人の社長室や経営企画部の人をプロジェクトの責任者として、プロジェクトのコアメンバーは昔ながらの農業技術を知っている実家が農家の息子という形のチームが出来上がります。

つづきは次回。。。。。。

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