新規就農のデータを見てみる (農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。よく農業人口の減少やそれらに絡めて食料危機が今後起こる、、などが言われています。
実際、高齢化などにより農業人口が著しく減少していることに加えて、現在の農家の経営状況も、農業資材高などコストは高騰で経営がひっ迫し、離農していく方も多い状況です。
グラフを見てもわかるように農業人口は激減しています。
そこで農水省は新規就農を促すことで農業人口の減少に歯止めをかけようと「就農準備資金」「経営開始資金」「経営発展支援事業」「青年等就農資金」など補助金、助成金、融資などのメニューをつくり、少しでも農業参入における「参入障壁」を低くしようとしています。
農業は稲作であれば、トラクター、コンバイン、田植え機など高額な機械装置が必要ですし、ハウス栽培ではハウスや内部設備として暖房機や潅水システムなど諸々の機器が必要で、これらの設備投資や経営(栽培)安定まで時間がかかることを鑑みて金銭面からサポートするためにこういった様々な助成メニューが設けられています。
で、現状の新規就農者数はどうなっているのでしょうか・・・・・。
<新規就農者数の推移をみる>
農水省が公表している新規就農者数の推移のデータが下記の表になります。
これを見ると、「おっ! 年間65,000~45,000人も新規就農者が増えているのか」と思いますよね。1年で約5万人近く増えているのであれば、10年経つと50万人が増えるわけですから、そこそこ維持していけるのではないか、、的な気持ちにもなってきます。
しかし、この表をもう少しよく内訳まで見ていくといろいろわかってきます。
緑色の部分は「新規自営農業就農者」とありますが、これの定義は
「個人経営体の世帯員で、調査期日前1年間の生活の主な状態が、「学生」から「自営農業への従事が主」になった者及び「他に雇われて勤務が主」から「自営農業への従事が主」になった者をいう。」
となっています。
つまり、これは単にお父さんがやっていた農業(家業)を継いだ、、ということです。
うーん、確かに新規就農といわれれば新規就農ですが、農家自体は増えているわけではなく単に家業を継いだだけで農家が増えたというのとは違うように思いますよね・・・。
なんとなく新規就農者といえば、「農業に関係のなかった人が農業をやり始めた」的なイメージがあると思っているのですが、そうではなく単に家業を継いだということです。そしてそれが全体の約7~8割を占めています。
やはりあまり農業参入者は増えていないことが見えてきます。
ちなみに新規雇用就農者の定義は
「調査期日前1年間に新たに法人等に常雇い(年間7か月以上)として雇用されることにより、農業に従事することとなった者(外国人技能実習生及び特定技能で受け入れた外国人並びに雇用される直前の就業状態が農業従事者であった場合を除く。)をいう。」
ということですので、簡単に言えば「農業法人に就職した人」ということですね。
また新規参入者の定義は
「土地や資金を独自に調達(相続・贈与等により親の農地を譲り受けた場合を除く。)し、調査期日前1年間に新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者をいう。」
ということですので、「自分で農業で独立開業した人」ということですね。
うーん、農業が密かなブームなんて言葉も聞こえてきますが、新規就農者はまだまだ少ないですね。。。
今日は私が個人的に興味を持っていた新規就農者のデータを見てみました。
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