スナック菓子以上、ケーキ未満のご褒美に。懐にヨックモックを忍ばせて
いざ、4年ぶりの勤め人ライフとイヤイヤ期
実はこっそり4年ぶりに、会社勤めを始めました。
創立1年のピチピチのベンチャー企業でちょろっと雑用バイトをするだけ。仕事というにはちょっと足りないくらいの軽さで、午前は出勤し、午後はこれまで通りスタイリストの仕事を続けている。
「物足りない軽さ」とはいえ、生活が変わること、新しい人間関係を築くことはそれなりに心身に負荷がかかる。
加えて息子は1歳7ヶ月で、とうとうイヤイヤ期の門を叩いてしまったらしい。保育園では自分でスプーンフォークを持って最後まで食事を食べ切るらしいのに、家では些細なことでブチ切れ、床にひっくり返って大泣きする。
噂には聞いていたけれど、忙しいのになんとか作ったおかずを一口も食べず投げ捨てられるのはかなりキツい。そのくせ納豆ご飯とバナナだけは毎度完食する面の皮の厚さは一体誰に似たんだろう。
新しい仕事の緊張感と育児のイライラのマッシュアップに、勤務3日目にして早くもノックダウン。
その日は早めに仕事を切り上げ、癒しを求めて伊勢丹のデパ地下に駆け込んだ。
デパートはキラキラで、非日常を全力で演じてる
「何か、キラキラきれいなものを、手に入れたい」
この欲求は、うまくいかない時、とりわけ家が荒れている時ほど強く湧き出てくるのはなぜだろう。
デパートに行くと売っている服も食べ物も、床も、店員さんの手入れされた指先も、お惣菜を買いに来ているであろうおばあちゃんの、よく手入れされたソバージュヘアも。
あらゆるものが非日常を感じさせてくれる。仮に「そう見えるように振る舞っているだけ」だったとしても、現実を忘れさせてくれるには十分だ。
お金を出せば、そのキラキラした非日常のかけらを少しだけ手に入れることができる。
さて、今日は何を持って帰ろうか。そう考えながら、ショーケースを一つ一つ眺めて回るのはとても楽しい。
キラキラのケーキに尻込みする、ドロドロの私
ところが本来は楽しいはずなのに、今日はどうにも思考が定まらない。疲れていると優柔不断に拍車がかかる。
金額は?味は?あれこれ優先順位を考えているとミルフィーユのように自分の本音が隠れてしまってなかなか決まらない。
そもそも、おもちゃが散らばり食べかすが床にこびりつく家に、こんな素晴らしいものをお迎えして本当に楽しめるだろうか。
せっかく丁寧に時間と手間をかけて作られたのに、その行く先があの家って、食べ物の側から考えても不本意じゃない?
ツヤツヤ輝く、大粒のシャインマスカットが乗った大きくて豪華なケーキには、綺麗なティーカップとじっくり蒸らされた上質な紅茶が似合う。
プラスチックのカップで麦茶をがぶ飲みする今の私には不釣り合いじゃないか。いざお金を払うタイミングになると尻込みしてしまう、自分の気の小ささが憎たらしい。
頼みの綱はいつでもヨックモック
スイーツコーナーを3周しても何を買うか決まらない。何か買って帰りたい気持ちはあるのに、その"何か"がわからない。そろそろ息子のお迎え時間も迫ってくる。
こんな時は、思考を一旦ストップ。
ヨックモックのシガールを買って帰るのが私の勝確ルートなのだ。手土産に悩んだ時もそう。ヨックモックが嫌いな人はまずいない。
バターのいい香りと、薄い皮をくるっと巻いて生み出すサクサクの食感がたまらない。10本入りで800円台、たっぷり食べれて満足感がある。
スナック菓子以上、ケーキ未満。ちょうどいい贅沢品じゃない?
マカロンやケーキのような豪華さはないけれど、なんとも言えない安定感がある。
雑に食べても丁寧に食べても、どちらでも許してくれそうな懐の広さを勝手に想像してしまう。よし、やっぱり君に決めた!
意を決して穏やかな男性店員さんにお会計をお願いすると、帰り際にそれはそれは優しい声で「当店をお選びいただき、ありがとうございます(ニッコリ)。」と挨拶までしてくれた。ホスピタリティ…!
逃げ道をたくさん持つことだけが、子育てを楽にしてくれる
帰宅したら、なんと夫がシャインマスカットのケーキを買ってくれていた。たまたま出先で私の好きなケーキ屋を見つけたらしい。
嬉しい誤算でスイーツ祭りになってしまったけれど、ありがたく両方ともいただいた。
私にとって子育ては、とにかく逃げ道をたくさん作ることでしか乗り越えられない。
そもそも子育てに向いてない。料理も家事も苦手で、せっかちで待てないし、すぐに「ダメ!」「やめて!」「もう触らないで!」と言ってしまう。
だから仕事をしている。せめて17時までは我が子と離れていたい。物理的に距離を取ることも、自分にご褒美を与えることも、息子の食事中は好きな音楽を流すのも、子育てから逃げる口実。
でも逃げてる自覚がある分、向き合う時は全力でやってるから許してほしい。むしろ向き合うために逃げ道が必要なのだよ。
今日もジャケットの懐にヨックモックを忍ばせて。いや、そんなこと実際やったら割れちゃうのでイメージだけですが。
育児に煮詰まったらサッと取り出し、ぽりぽりかじってひと息ついてから、また歩き出したい。
あ、泣いてるママがいたらスッと一本差し出してあげたいです。
それでは、また🎀
ワーママ時々スタイリスト🎀毎朝のおしゃれが楽になる骨格診断、顔タイプ診断、パーソナルカラー診断をお伝えしています。
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