ロールモデルに石を投げるより、自分の人生を歩こう
「ロールモデル」という言葉。おそらく、男性よりも女性の方が何倍も耳にしたことがあるだろう。思い返せば、10数年前の新卒就職活動の時も会社のパンフレットの社員紹介には「子育て中のママ」が必ず登場した。その頃の私は結婚する気も出産する気もまるでなかったので、何が書いてあったか全く記憶がない。
ロールモデルがいたから「私にもできる!」と思えた起業初期
ロールモデルを初めて意識したのは30歳の頃。寿退社したはいいけれど再就職先がなかなか決まらず、やっと入社した会社では書類のファイリングや郵便物の封入といった単純作業しか任されない。さらに当時の元夫は深夜帰宅。まぁとにかく時間的にも頭も暇を持て余していた。
そんな時に本屋でたまたま手に取ったのが、高卒から会社員を経て起業した女性の本だった。「起業=立派な学歴や職歴があるすごい人がやること」だと思っていた私には、ご本人曰く”普通のOL”から自分のビジネスを成功させて会社員以上の収入を得られるなんて目から鱗だった。
「そうか、雇ってくれるところがないなら自分で始めちゃえばいいんだ!」こうして私は彼女の本で知った職業であるパーソナルスタイリストの仕事を副業で始め、3年前に独立、2年前に法人を立ち上げて今に至っている。
学歴もない、コネもない、お金もわずかしかない、そして同世代の女性。自分がコンプレックスに思っていた共通点がいくつもあったからこそ、「もしかしたら、私にもできるかも!」と希望をもらえた。その後離婚を経験した時も、(同じく離婚経験者だった)彼女と同じ道を歩んでいるようで勇気をもらえたので、ロールモデルというものがうまく機能したパターンだと思う。
余談だが去年初めて彼女のサイン会に参加してきた。めっっちゃ細くて髪も服も声も全部かわいかったです(笑)。もう何冊も本を出版して、何十億という売り上げを出し、私には手が届かない雲の上の人になってしまったけれど、ファッションやライフスタイルも含めて大好きな方です!
ママがロールモデルを探す難しさ
(時を戻そう)さて、私は今36歳。1歳の息子を育てながら働くワーママである。しかしどうにもロールモデルが見つからない。いろんな方のインタビューやnoteやブログを読んでみたけれど、どうにもしっくりこない。でも、自分の性格的にもロールモデルがいた方が頑張れそうな気がするのだけれど…。
なぜ見つからないのか、いくつか理由を考えてみた。
あげたらキリがない。何を言いたいかというと、一口に「ワーママ」と言っても自分と全く同じ条件の人を探すのはほぼ無理に近い。
例えば私は息子が生後2ヶ月の頃から働き始めたけれど、産後2ヶ月から預かってくれる自治体の保育所(しかも格安)があったからだ。色々調べたけれど、2ヶ月から預かってくれて1時間千円未満というのはかなりレア。ただそもそも住宅の数が少なく、人口も少ないのでぶっちゃけ誰の参考にもならないだろう。
時間の使い方や便利なサービスを参考にさせていただくことはあるけれど、ロールモデルはなかなか見つからない。
ロールモデルの不在を言い訳に使っていた私
それからもう一つ。ロールモデルを示すような記事を読んでも、つい「自分と違うからできるんだ」と言い訳をしている自分に気づいた。
この人は実家が近いから、あの人は私より若いから、だって、でも、どうせ。
自分と同じ条件の人なんているわけないのに、つい自分と比べて「この人だからできるけれど、条件が違う自分にはできっこないよね。できなくたって別にいいよね。」と心の中でシャッターを下ろしてシャットダウンする。
「専業主婦からスタートアップの役員へ!」という記事を読めば、「いや専業主婦ができる経済的なゆとりがあるならシッターも雇えるしなんでもできるやん!」とツッコミを入れてしまう。もう何を言われても揚げ足取りがしたくなってしまうのだ。
次に進みたくて新しい何かを欲しているのに、自分から変化を拒んで閉じこもってしまう。あぁめんどくさい!いつからこんな風に卑屈になっちゃたのよ、私!
憧れのニューヨークと孤独のグルメ
そんなあれこれを経て、産後1年がたった今はロールモデルなんていなくていいと思うようになった。
他人に勇気をもらうよりも先に行動をして、自分自身に勇気を貰おう。ロールモデルに石を投げてぶつくさ文句を言うよりも、自分の足元をしっかり固めていこうじゃないか。
でも憧れの人ならいる。ドラマ「Sex and The City」の主人公・キャリーと、漫画「孤独のグルメ」の主人公・井の頭ゴロー。
二人とも子どもはいない。けれど、自由でフットワークが軽くて、自分でビジネスを営み、好きを大切にし、何事も正直に生きているところが好き。どうなりたいかより「こう在りたい」という心の保ち方を見習いたい。それに共通点がないからこそ、自分と比べず純粋な気持ちで「憧れです!」と言えるのかもしれない。
いつかニューヨークへ行ったらスターバックスでグランデサイズのコーヒー片手にマックブックを開くのが夢です(笑)。楽しみだなぁ!
それでは、また!
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