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12/16 ベタ2022

こんにちは。はじめまして。
今年から都内で大学生をやっています。後藤さんは高校、大学の遠い先輩にあたり、二年と少しほどお付き合いがあります。みらいけんにも高校生のときに数回だけですが伺ったことがあります。今回は光栄にもご指名いただいたので僭越ながら寄稿させていただきます。と言いつつ、先週やけに課題に忙殺されていたせいでもう日付が12/16に変わろうかという頃に急ぎ足で筆をとっている今です。

さて、前置きはこれくらいにして本題に。
今年の目標、というほどではないが大学に入ってからどことなく意識している行動方針(?)がある。それは「大学生がやりそうなことを全て一通りやる」ということだ。別に大仰なことではない。酒、煙草、シーシャ、パチンコ、競馬、麻雀、マッチングアプリ、セックス、日雇いバイト等々、まあなんというか世の人のそれなりな割合が十代最後の一、二年から二十代始めの一、二年くらいの時期に経験するだろう、ということを一通りやってみようというそれだけの意味である。上述した全てを経験したというわけでもないし、それを全て達成することを年内の目標としているわけでもない。ただ、そういう機会があればとりあえずやってみて、その後のことはそのとき考えよう、それくらいのスタンスである。などと言っているうちに競馬やらなんやらに無事ハマってしまい謎の損失が毎週生み出されるなどしているのだが、それはともかく。
こんな感じの指針で生活しているうちに、あることをうっすらと感じるようになってきた。それは、人生のある時期に経験するだろうと期待されることをその時期に経験すること、つまり「ベタなことをベタな時期にやる」ことには相応の意義と合理性があるということである。

少し話は変わるのだが、ここ数年「大人になる」とはどういうことか折に触れて考えている。様々な観点があるとは思うが、最近は「ベタ」であることをひとつの重要な因子だと考えるようになってきた。
人生は可塑的でない。だから、どこかで自分が取りこぼしてきたものを(たとえ無意識であれ)知覚したときに人は屈折やコンプレックスを抱く。特に、それを経験する人が多いがゆえに「ベタ」な経験へのそうした感情は大きなものとして残りやすい。
こうした感情を心のどこかに抱えるとき、人は人生のどこかにわだかまりのようなものを覚えるのではないだろうか。「何が」と形容することは難しい。だがそうしたものが人生の何かをうまくいかなくしている場面を自分にも、他人にも、これまで生きてきた中で幾度も目にしたことがある気がしている、いや、きっとある。
思えば一月、二月(入試の頃)もこんなことを考えていた。その頃は浪人(という事実がその後にわたって及ぼしそうな有形無形のコンプレックス)に怯えていた。まあ今となってはただの杞憂だったのだけれども。

もっとも、そうした恐れだけが自分を「ベタなこと」へと駆り立てたわけではない。ベタなことは楽しい。上にあげたような大学生の遊興娯楽以外にも世の中には色々な「ベタ」が存在する。例えば夏祭りやら修学旅行やら。それらが連綿と受け継がれ「ベタ」たるようになった所以の最も大きいところはきっと、その楽しさ、そしてその普遍性であったはずだ。そこにはこれ以上ないほどの単純な合理性がある。遠く幼い頃、それこそ小学生の頃は煙草を吸う親族なり公園でイチャつくカップルなりの「ベタ」な概念をどことなく馬鹿にしていたことなどを思い返すと、そこには合理性を通り越してある種の仕方なさすら感じてしまう。こういった不可避性もまた自分がベタなことを大人になるための重要な因子と考えるようになった一因なのだろう。言うなれば、それは通過儀礼なのだ。
なんにせよ、今年は諸々の「ベタなこと」という王道に触れてそれなりにベタベタな人間になった年だったのではないだろうか。と言いつつ大学生がやりそうなベタなことを一年でそこそこ網羅しにいくような人間は普通に異常者なので周囲からは謎の酒煙草ギャンブル人間と認知されてしまっているような気もするのだが。
要約すれば、なんというべきか、結局ベタなことをやってもどこかしらで個性は滲むものだろうし、変に逆張りをせずにベタなことに興じる経験をすることが少なくとも若いうちは何より健全なのではないか、などと素朴に感じる一年であった。

いまいちまとまりが無い謎の散文になってしまいましたが、2022年の振り返り?としてはこんな感じです。
一応書いてはみたものの実際のところ課題やら競馬やらなんやらに忙殺される生活を送っており今年を象徴するようなことなども特に思い浮かばなかったので、生活の中の細々した実感を書き上げたらこのようになった次第です。
2023年はとりあえずまだやっていない娯楽に手を出そうかなと思います。ダーツとかビリヤードとかとか。また、美味しいお酒や飲み方を教えてくれる大人の方がいましたらご一報ください。
それでは、皆様がよい年末年始を過ごせることを祈って、ここらで筆を置かせていただきます。

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