オムニチャネルコマースの4つの機能 物流・フルフィルメント 顧客購買体験 対談 Part06
フルフィルメント出荷・配送とバックオフィス業務
西間木:
オムニチャネルの拡大を検討する場合には、出荷やフルフィルメントを含むバックオフィスのプロセスが複雑に対応できることを確認する必要があります。
オムニチャネルビジネスの基本は、
「購買チャネルを追加することは、増加するバックオフィスボリュームを処理し、タイムリーに注文を満たすことができるフルフィルメントがある場合にのみ、ビジネスにとって有益」
だということをご指摘いただけたかと思います。
今回は、対談テーマの4つ目で最後となりましたが、バックオフィス業務:出荷とフルフィルメントをうまくいかせて、オムニチャネルコマースを優位に進めるためのポイントをお伝えします。
実際、みなさんが顧客として、購入を検討する際に、配送体験が最も重要であると回答するばずです。
オムニチャネルフルフィルメントの種類
吉村:
オムニチャネルフルフィルメントについてもう一度整理しておきます、主に3つのタイプがあると言われています。
ストアフルフィルメント:
リアル店舗が店舗・敷地内に在庫を保持してから直接ストアから出荷します。このオプションは、倉庫のリースやハードウェアコストの増大を回避したいスタートアップや、既に小売事業を展開してeコマースに進出するパターンに適しています。
自社運営倉庫フルフィルメント:
フルフィルメントセンターは、DCとして機能し、完全な在庫管理機能とサービスを提供します。フルフィルメントセンターは、注文がより早く発送されることがKPIです。
サードパーティフルフィルメント(3PL):
3PLフルフィルメントは、注文の受け取りからピッキングと梱包、在庫管理、出荷、保管に至るまで、フルフィルメントプロセスをサードパーティにアウトソーシングすることを意味します。
システム的には、小売事業者には、出荷ソフトウェア&サービス(Shopifyに買収された:https://deliverr.com/ など)または3PL会社(Amazon FBAなど)を利用するという選択肢があります。
◆出荷ソフトウエアを導入した場合は、
・配送業者との特別な交渉による料金設定
・配送状況の確認
・レポート作成
・フルフィルメントプロバイダーへの注文の送信機能設定
などがあります。
◆Amazonのフルフィルメントサービスなどの3PLは、
・在庫管理
・倉庫管理
・フルフィルメントなどのロジスティクスプロセス
も含んでいます。
ここでの選択チョイスのポイントは
"ほとんどの人は、ロジスティクスやフルフィルメントをeコマースの技術的な側面と見ていますが、実はこれは顧客体験の延長線上にある。"
という視点から選択することです。
配送とフルフィルメント
西間木:
私たちは、2 日間および翌日配送が、広告効率、顧客生涯価値、平均注文の面で一番効率的・効果的であると、クライアントのマーチャントの成長を通じて確信してきました。
これが顧客の購買体験としては、
「スタンダード(標準ではなく当たりまえ)」
であるようです。
一方で、私たちのような、E-コマースフルフィルメントプロバイダーは、オンラインマーケットプレイス対応の、即時配送基準を満たさないことがあります。
その場合は、オンラインマーケットプレイスの3PLサービスへ移送納品することで、時間の短縮の基準のクリアをサポートします。
更には、顧客(個人・店舗・流通卸)の購入・発注から配送、返品・交換・回収までの注文プロセスのすべての段階を引き受けています。様々な宅配業者や運送会社と連携し、翌日、48時間、追跡付きなど顧客の配送オプションを増やしています。
そのオプションとして最近の機能は、先ず1つは、オムニチャネルフルフィルメントです。
オムニチャネルフルフィルメント
これは、購入者の手(スマートフォン)にコントロールを置く必要があるということです。
顧客はいつどこで注文したいか、どこで商品を確認して、受け取りたいかを決定します。このアプローチがeコマースストアで採用されることで、カスタマーエクスペリエンスが向上しているからこそ、ブランドが導入を検討されていて相談が増えているのだと思います。
そして、2つめは、フルフィルメントマーケティングです。
フルフィルメントマーケティングは、購入後のエクスペリエンスにカスタマイズとパーソナライズを追加することでブランドへの愛着が生まれるように設計された一連のフルフィルメントサービスです。
フルフィルメントマーケティングとは
フルフィルメントマーケティングは、オムニチャネルビジネスが何を販売しているか、誰に販売しているかに応じて、さまざま施策を展開することができます。
たとえば、
B2B2Cモデルでは、2Bへ新シーズンの商品の配送に「ルックブック」を含めることができます。
D2Cブランドは、再購入を補完するサンプルなどの同梱物を含めることで、エクスペリエンスをパーソナライズすることが可能です。
マーケティングとフルフィルメントサービスには共通点があると経験していまして、わたしたちの、フルフィルメントマーケティングの背後にある価値提案はシンプルです。購入後のエクスペリエンスでは、マーケティングとフルフィルメントの機能はまったく同じだと定義しているからです。
eコマースでの配達で商品が届いた瞬間は、顧客があなたの商品、そして、あなたのブランドとトランザクションメールなどでコミュニケーションをしてきた期待への最初の出会いで対話のチャンスだからと思っています。
フルフィルメントマーケティングサービスの4つの提案
西間木:
今回のコラムでは詳細は解説しませんが、次のような施策をサポートするオムニチャネルコマースのシステムを検討ください。
フルフィルメントマーケティングサービスその1:
ブランドパッケージ
・カスタムボックス
・カスタム緩衝材
・カスタム梱包テープとステッカー
・環境にやさしいパッケージ
そして、これからのポイントが
・持続可能なパッケージデザインと回収・リフィル
フルフィルメントマーケティングサービスその2:
同梱物:インサート
・お礼状・サンクスカード
・クーポン
・ハウツー・ファクトブック・カタログなどのマーケティング資料
そして、パーソナラズのポイントで、このタグデータの払い出しとMA連携そしてアクション計測とパーソナライズLPやマイポータルページの提供となる
・クロスチャネルマーケティング
顧客をInstagramフィードに誘導するQRコード付きのチラシや、定期的なオファーや更新を頻繁に送信する電子メールサインアップフォーム
フルフィルメントマーケティングサービスその3:
化粧品や、サプリメント、ニュートリション、食品などでは
・サンプリング
・フルサイズ商品のミニチュアバージョン
・ブランド景品・ノベルティ
トートバッグなどのブランドの景品・ノベルティ
なぜ、書籍では実施されているのにされないのか不思議です。
フルフィルメントマーケティングサービスその4:
キッティング
・インフルエンサーキット
これ以外と出来ていないです。
・サブスクリプションボックス
・限定版または/サンプルキット
*詳細は別途ご案内します。
全文はこちらから
株式会社E-リテイリングシステムズ代表取締役 中田 恒介 様
大手ECパッケージベンダーに10年以上在籍し、主力ECパッケージ製品の開発責任者として複数バージョンの設計・開発を行った他、有名・大手サイトの構築にもプロジェクトマネージャーとして数多く参画。
退社後、それまで培ってきた経験とアイデアをもとに独自のEC構築フレームワークを開発し、2017年に株式会社E-リテイリングシステムズを立ち上げる。高機能ECプラットフォーム「Lexica」を、展示会に出ない・広告を出さない「知る人ぞ知る戦略」のみでありながら名立たる有名企業サイトに次々採用される。
現在、今後の拡販にむけた新たな戦略を思案中。
ファシリテータ:
吉村 典也
日本の製造業を強くするためのコンサルティング会社、外資システム会社などを経て、通販、Eコマースの事業運営・CRM運用・フルフィルメント運用のアドバイザーからBPO受託までを担ってきた。OMOシステム設計・運用の視点まで含めて事業会社ととも一緒にグロースしてきた。
やずやグループの基幹CRMシステムの外販のための導入サポート業務委託を終え、そこで出会った事業者とのコミュニケーションから、まだまだ、日本のDNVBビジネスには成長の可能性、未知のカテゴリーがあると確信しつつ、1社でも多くの30億、100億円事業にグロースするためのアドバイス・サポートを提供している。
ご相談はいつでもどうぞ。伴走型なので、限定になりますがご容赦ください。
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