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ブラジル、前大統領支持者が議会や最高裁を襲撃~世界的な分断がある?~【日経新聞をより深く】

1.ブラジル、前大統領支持者が議会や最高裁を襲撃

ブラジルの首都ブラジリアで8日、ボルソナロ前大統領の支持者が議会と大統領府、最高裁判所を襲撃した。ブラジルメディアに掲載された映像では、ボルソナロ氏の支持者のカラーである黄や緑の洋服をまとった人々が施設内に入って、窓ガラスや家具、絵画を破壊する様子が映し出されている。

ルラ大統領はブラジリア連邦区について国が直接治安を管理する政令を出した。期間は31日まで。ルラ氏は「わが国の歴史に前例がない。このような行為を行った人は罰せられなければならない」と述べた。ルラ氏は大雨の視察などでサンパウロ州を訪問しており、ブラジリアにいなかった。同氏は事件を受けて、ブラジリアに向かった。

侵入者に対して、警察は催涙弾や放水車を用いて制圧を試みた。地元メディアによると、襲撃された施設からは侵入者は排除された。警察による拘束者は約200人に達している。

2022年10月の大統領選では左派のルラ氏が、右派のボルソナロ氏に僅差で勝利した。ボルソナロ氏は選挙戦期間中から電子投票の仕組みの欠陥を重ねて主張してきた。選挙後もルラ氏の勝利を明確には認めていないが、政権移行作業は実施された。ルラ氏は23年1月1日に大統領に就任したばかりだった。任期は4年。

ボルソナロ氏はトランプ前米大統領への親近感を示してきた。奔放な発言が共通しており「南米のトランプ」とも呼ばれる。狂信的な支持者も多いことも類似している。米国では21年1月にトランプ氏の支持者による襲撃事件がおきている。

ボルソナロ氏の支持者は、選挙結果が確定した後も国内各地で抗議を続けていた。選挙不正を信じたり、軍部による介入を求たりする意見も根強くあった。22年12月24日にはブラジリアで、爆発物を仕掛けた容疑での逮捕者も出ていた。

ボルソナロ氏は22年12月30日にブラジルを離れて、米フロリダ州オーランドに滞在しているとみられている。ブラジルでは新大統領の就任式で、現職が後任の肩に懸章をかける儀式が通例となっているが、ボルソナロ氏は式典を欠席していた。ブラジル出発前の動画で「テロの試みを正当化するものは何もない」と述べ、支持者に冷静な対応を呼びかけていた。

波紋は近隣諸国にも広がっている。バイデン米大統領は8日、ブラジルの状況について記者団に「とんでもないことだ」と述べた。メキシコのロペスオブラドール大統領も同日「ブラジルの保守派が狂信者らに扇動されて起こしたクーデターであり、批判されるべき反民主主義的な動きだ」とツイートした。

日本の林芳正外相はブラジルを訪問中で、8日夕方にブラジリアに到着した。9日にはビエイラ外相との会談が予定されている。

(出典:日経新聞2023年1月9日

ブラジルでボルソナロ元大統領の支持者が議事堂や最高裁を襲撃するという事件が起きています。そもそも、この事件の背景には、昨年の大統領選への疑惑があります。

2.ブラジル大党選挙の疑惑

この選挙を巡る問題は、大手メディアが伝えるトランプ元大統領の主張と酷似した「民主主義への冒涜」という問題とは別に、似ている背景があります。

それは、ディープステート対愛国者、グローバリズム対反グローバリズムという問題です。

ボルソナロ大統領は元々トランプ大統領と近く、考え方や政策も似ています。当然、支持者も反グローバリズムとなっています。

この人たちは、今の世界の権力者は既得権益から利益を得ており、自由を奪い、大きな格差を生み出していると考えています。

今回の事件は、その象徴的な事件です。

3.世界的な分断

ボルソナロ元大統領が暴力的な騒ぎを先導したとは思いませんが、その支持者たちが熱烈であり、それは、役人や警察、軍の中にも支持者がいることで、簡単には収まらないのではないかと思われます。

暴動自体は沈静化しても、さまざまに問題が残るはずです。議事堂の屋根から落とされた横断幕には、「ソースコードが欲しい」とされていました。

それは選挙における疑惑が向けられている投票機のことを指していると思われます。

米共和党でアリゾナ州知事選で選挙結果に対して訴訟を起こしているカリ・レイク氏も同様に選挙の集計に疑問を呈しています。米民主党に向けられた訴訟です。

そして、米民主党政権時代に起きたのが、2014年のウクライナにおけるマイダン革命です。民主的に選ばれた親ロ派のヤヌコーヴィチ大統領を亡命に追い込み、クーデターを起こさせました。その結果は、現在のウクライナ戦争の遠因になっています。

ディープステート対愛国者、グローバリズム対反グローバリズム、この対立構図は、世界的に起きており、世界的に分断が進んでいるような気がします。

未来創造パートナー 宮野宏樹
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