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クレド導入企業は、ブラック企業!?


・そもそも「クレド」とは、何か

簡素に説明すると、「クレド」とは「行動規範・行動理念」を
定義したものです。企業によっては、従業員の行動指針として浸透させるために、定義づけたものになります。

・なぜ、ブラック企業の可能性があるのか

一見、行動指針を定めているのならば、問題ないかのように思えるものですが、その扱い方と定義によって、従業員が危険にさらされます。

・本来の「正しい設計」と「間違った設計」の違い

原則、行動指針であり、クレドを実装するにあたり、従業員の自主性を促すなどを目的に実装しますが、扱い方によっては組織の腐敗やチーム間の信頼関係を壊すケースもあります。

まず、「間違った設計」からご紹介。
・仕事に対して、やりがいを感じ、
 会社の目標と自身の目標を一致させて会社に貢献しましょう。
・常に自発的に行動し、協調性と主体性を持ち、助け合いましょう。
・スピード感をもって、行動し、成果を出す

一見、問題がないようなものから、明らかに問題のものを列挙しました。
まず、

「仕事に対して、やりがいを感じ、
 会社の目標と自身の目標を一致させて会社に貢献しましょう。」

これは、洗脳でしょうか?
解説するまでもないことを解説するのも、苦痛ですが・・・
会社の目標と労働者の目標が一致するわけねーだろうが!!と誰もが思うでしょう。当たり前です。
そもその、「やりがい」は自然と感じるものであり、意識してやりがいを作るものではありませんし、他人に言われて捻出するものでもありません。
目標の一致に至っては、主従関係で「会社」が主人で、「労働者」が奴隷とでも言いたいんでしょうか?ブラック臭が漂いますね。

「常に自発的に行動し、協調性と主体性を持ち、助け合いましょう」

これは、一見問題がないよう見えるパターンですが、助け合いましょうの部分や協調性に危険性がある注意パターンです。
「協調性」「助け合い」言葉の響きはいいですね。耳障りも最高です。
はて。でも、協調性とは何を基準に定義し、妥当性はあるんでしょうか。
そして、助け合いの範囲は適切ですか?

例えば、人事として就職していた従業員に「人手がなくて困ってるんだよ、営業活動を代わりにやってくれ、コールセンターでも人手がないから、こっちに異動してくれ」
こんなふうに言われるケースも世の中あります。
断れば、「あいつは、協調性がない。助け合ってない。クレドに反してる。
クレドにあるのだから、それに従って、その要求に応えてください」
と言われる可能性があります。
労働基準法には、「職業選択の自由」という権利が保障されています。
しかし、クレドを押し売りすることで、その域を侵害することも・・・。
企業が勝手に定めたローカルルールで法律を抑止する事態もあります。
このケースでは、悪用パターンが潜在しているため、注意が必要です。

3つ目の「スピード感をもって、行動し、成果を出す」
こちらも同様の理由で、注意したほうが良い範囲になります。
基準が不明瞭かつ、妥当性や範囲も不明という点が問題です。

では、「正しい設計」は、どんな内容なのか。
原則、誰もが合意する内容であり、悪用されない内容であること。

この2点は最低でも忠実に設計に組み込まれていることです。
具体例として、
・人に、仕事に、誠実さを意識した行動を心がけること
 例)報告内容に偽りを含めない。
   人とのコミュニケーションで嘘をつかない。
・健康維持に心掛け、元気よく、生活行動に心掛ける事。
 例)気持ちの良い会話、挨拶を心がけるとともに、
   体調不良者がいれば、協力できることがないか考えて行動しよう。

例を作るために、シンプルにしすぎたかもしれませんが
上記の内容なら、悪用される可能性も極めて低く、また、
誰もが同意してもらえる内容になっていると思います。

クレドを実装し、浸透してもらうためには
「理解」「共感」「実現」「実行」「評価フィード」が必要になり、
どれを欠如しても、クレドが効果的でなくなりますが、
クレド作成の段階で、「理解」「共感」が得られないと、それだけで
破綻してしまいます。

・結論

「クレド」存在有無だけで、ブラック企業かを判断には至れずとも、
その企業の危険性を垣間見ることができるので、企業選びの参考になると思います。

企業理念や、行動指針(クレド)は、上層部の思想や従業員への要求が
表現される項目であるが故に、危険思想を持っているかどうかの
重要な判断材料になるので、選定基準の一つとして
じっくりと吟味してください。

皆様が良い企業と出会いがありますように。


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