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「レンタル移籍」という事業に魅せられて7年を経たら、14個の事業が生まれていた話。

先日、とある社内会議で、うちのCOO、後藤さんが放った台詞。

「レンタル移籍って、なんか悪魔的な魅力があるよね・・・。」

そうなんです。「レンタル移籍」って、大企業で働く人が、半年とか1年とか、ベンチャー企業に行く・・・構造的には、ただそれだけのことなので、関わったことがない方にとってはピンとこないと思いますが、「レンタル移籍」には悪魔的魅力があるんです。

ということで今日は、「レンタル移籍」の悪魔的な魅力と笑、その魅力に7年間も魅せられてきた私たちの現状をご紹介できればと思っています。

なぜなら今日、7月7日は、ローンディールという会社の誕生日だからです!そんなことを言い訳に、私たちの事業自慢(?)にしばしお付き合いいただければ幸いです。

いちいちジーンとする「レンタル移籍」のプロセス

さて早速ですが、どんなところが悪魔的か・・・「レンタル移籍」という仕組みの各プロセスを追いながら、紹介してみます。

1. 自分の会社をどうにかしたいという想いを持った担当者と出会う

2. 担当者と一緒に、どうにか社内の決裁をとる(ここまで下手したら2年くらい笑、もちろん稟議が通ったときには担当の方の想いにジーンとします)

3. 公募だったり指名だったり、ベンチャーで挑戦しようとする人と出会う

4. その人の人生を聞き、内省し、WILLを語ってもらう(10時間くらいかけて。もうその時点で私たちは感情移入しまくる)

5. 移籍するベンチャーを探す(面接で落ちてなかなか決まらなかったりする)

6. 晴れて移籍先が決まり、挑戦が始まる(決意表明を聞いて「ジーン」とする)

7. 当然のことながらすぐにパフォーマンスは出せず、心が折れそうになったり、葛藤する(毎週1回メール、月1回は1on1でいろいろ対話をして励ましたり慰めたり)

8. 目に見えて変化が起こる、パフォーマンスが出せるようになる、活躍する(あの○○さんが、こんなことを言ってくれるようになった、とかいって「ジーン」とする。この辺から、私たちだけじゃなくて、大企業の人事や上司の方々も同じようなテンションになってくる)

9. もう一回大きな壁にぶつかったり、起業家とぶつかったりする

10. 自分の爪痕を残そうと、最後の1日まであがく(この辺でも「ジーン」とする)

11. 最終日にはベンチャー企業の仲間に見送られる(送別会の様子とかを共有してもらって「ジーン」とする)

12. 大企業に復帰する

13. 本人は張り切っているものの、すぐには自分が学んできたことを発揮できず、また葛藤したり上司とぶつかったり(1on1したり、ランチしたり、やっぱり対話する)

14. 理解者、応援者、仲間が見つかって少しずつ動けるようになる

15. 半年、1年、2年・・・人によって違うけど、時々、「こんな成果が出ました!」っていう便りが届く(関係者みんなで盛大に「ジーンとする」)

ざっというと、こんな感じです。伝わりますかね?笑

もちろん人それぞれ、いろんな展開があるので、「いやーこんな展開初めてだなー」みたいなことばかりです。一人ひとり、違う人生を生きてきて、違う想いを持っていて、それぞれに挑戦をする。挑戦をしている中で、変わっていく。大げさじゃなく、人生が変わっていく人も少なからず、います。そういう場所に、私たちは立ち会っているんだ。そのことをひしひしと感じるのです。

ですから、私たちが事業を通じて機会を提供しているはずなのに、私たちのほうが、よほど移籍者のみんなから感動や思考の機会を提供してもらっているなぁと感じています。

7年が経ったら14個の事業ができていた

こんな風に、いちいちジーンとしながら、7年間やってきました。そうすると何が起こるかというと、もっといろいろなことを、移籍者のみんなにやってあげたい!彼らを応援してくれる人事や上司の方ともいろいろ仕掛けたい!!ってなるんですね。

その結果、今、ローンディールでは大小合わせて14の事業が走っています。社員は私も含めて15人なのに・・・。もちろん、売上が立っていないものや、そもそも収益化を目指していないものもあり、大小様々ではありますが・・・どんなものがあるか、ちょっとだけ紹介しますね。

自分のWILLは何か?を考える機会を届けたい

まず最初に生まれたのは、移籍をする前に、自分は何をしたいのか?をしっかりと内省してもらうワークショップ。自分のWILLを語れるようになる、つまりWILLという軸があると、ベンチャー企業での経験が最大化するのです。だから、もっと上手く自分と向き合えるようにしたい、これをCCOの大川さんが突き詰めていった結果、「WILL発掘ワークショップ」というプログラムが生まれました。今では、このワークショップ単独で企業研修に採用されたり、個人向けにも開催したり、はては高校の授業のコンテンツに採用されたりしています。


大企業のマネジャーに、スタートアップ的なマネジメント・事業開発手法を知ってほしい

レンタル移籍をした人が復帰した後、ちゃんと活躍できる環境を整えたい。そんな思いで生まれたのが、リーンマネジメント講座です。大企業のマネジャ―層の方々に、スタートアップ的な事業開発手法を知ってもらうことで、移籍者の経験をうまく活かしてくれるんじゃないか。そんな思いでCSOの細野さんが5年近く作り込んできたコンテンツは、なんと今年4月に書籍化されました。


移籍者一人ひとりのストーリーを、知ってほしい

レンタル移籍をした一人ひとりのストーリーをプロのライターが取材し、カメラマンが撮影し、記事化する。全員。そんな思いから生まれたオウンドメディア「&ローンディール」は、ストーリーテラーの小林さんがディレクションをしてくれて、掲載されている記事はすでに200本以上。


スタートアップと繋がり、成長する機会をもっと多くの人に経験してほしい

移籍者のみんなを見ていて、不確実な環境で行動できる力は確実に身に着いていく。でも、新しい事業を発想する力はどうだろうか。一社にレンタル移籍するだけじゃなく、もっともっとたくさんの事業に触れ、発想力を鍛える機会を提供したい。そんな思いから、週1回のオンライン越境プログラム「outsight(アウトサイト)」が生まれました。これもCSOの細野さんの肝いり新規事業。そうしたら本業を離れられない人にも、社外から学ぶ機会を提供できるようになりました。


高校・地域という、異なるセクターで挑戦する機会も届けてみたい

スタートアップで成長する個人を見てきて、応援してきて、人の成長にはいろいろなパターンがあることが見えてきました。高齢化・人口減少に向かっていく日本、そんな社会に対する感度を高める新たな越境機会をつくりたいと思って、「大人の地域みらい留学」というプログラムが始まりました。まだ公表できないんですが、実は第一号案件が始まっていたりします。


想いを持った個人が、会社を「はみだす」ことができるように背中を押したい

「レンタル移籍」はどうしても企業としての導入ということが前提になりますが、企業で働く人がもっと社外に目を向けて、自分がやりたいことに挑戦できるようになったらいいのに。それは別に会社を辞めなきゃできないことじゃない。ちょっとはみだして動いてみる、そんな経験を届けたいという想いから「4th place lab」という個人向けの事業が始まりました。


全ての事業は「レンタル移籍」に通ず

さすがに14事業、全部紹介するわけにもいかないのでこれくらいにしておきます。これ以外にも、イノベーターの指標となるようなアセスメントだったり、個人向けに越境を促していく取り組みだったり、自分のCANを言語化するワークショップだったり、アートを通じて独自の考え方を育むワークショップだったり、ちょっと密かに実験中の新規事業だったり・・・各種取り揃えております。笑


ここまで読んでいただいたらわかるように、すべては「レンタル移籍」という事業を通じて感じたことから派生して生まれました。そして、これらのコンテンツを通じて提供する機会が、巡り巡って、レンタル移籍をしてくれたみんなの、これからのストーリーの背中を押すんじゃないかと思っています。

もはや「レンタル移籍屋」ではなくなっていた

でも、それだけじゃなくなってきたんですよね。

レンタル移籍をしてくれたみんなのために何かをしたいと思って試行錯誤をしていたわけですが、気が付いたら、その周辺の方々や、今まで私たちが接点を持てなかった方々に対して提供できるコンテンツも増えていました。どれも、私たちなりに全力で作り上げてきたコンテンツです。

また、別の角度から言えば「レンタル移籍」という仕組み自体が、「個人の成長」のための機会という役割を超えはじめました。個人の成長を起点として、組織全体に影響を及ぼせるようになってきた。そんな手応えを感じ始めています。

組織を変えていく、特に歴史や実績のある、大きな組織を変えていく。なんて、どう考えても超絶大変だし、長い道のりなのは間違いない。でも、すべての変化はひとりの想いから生まれるんだと思うんです。そういう起点が、社内のいろいろなところに生まれて、波紋となって、その波紋が重なり合って大きなうねりになっていく。

そうやって生まれたうねりは、きっと会社を変え、社会を変えていける。今でも企業という場所は素晴らしい場所で、自分が所属をしているその場所が大好きな人はたくさんいる。だから、その場所をもっと良く変えていきたいという想いを持った人たちと一緒に、個人に対しても、組織に対しても、働きかけていきたい。そんな風に思うようになりました。

そうなると、もはや私たちは、単に「レンタル移籍」ということだけを届けているわけじゃなくなっていきます。社外に目を向ける、実際に外に一歩踏み出してみる、そうやって越境する機会を個人や組織がうまく活用していくことのお手伝いをしたい。そういうことを全般的にプロデュースできる存在になりたいと思っています。

こんな風に、私たちの意識が、特にこの1年で大きく変わってきました。

些細なことですが、その決意表明として、最近うちのメンバーの肩書を変えました。これまで、レンタル移籍の各プロジェクトのマネジメントとオペレーションの管理というわけ方だったのですが、しれっと全員の肩書が変わっています。企業のみなさんに対して越境全体をどう活かしていくか一緒に考えていく「プロデューサー」と、レンタル移籍する一人ひとりを支援する「プロジェクトマネージャー」という形になっていますので、どうかみなさん、ご承知おきください。

それでも結局「レンタル移籍」に惹きつけられている

そういうわけで、「レンタル移籍」という事業に魅せられ、ただそれだけをやってきたつもりが、「レンタル移籍」にとどまらず「越境」という機会を通じて個人や組織、企業や社会に対してインパクトを起こしていきたい。そんな衝動に駆られているのが、今のローンディールという会社です。

でも、じゃぁ私たちの優先順位が「レンタル移籍 < 越境」になっていくのかというと、そんなこともない。やっぱり私たちの会社から何かが生まれる原点には、常に「レンタル移籍」があるんですよね。

「レンタル移籍」という悪魔的魅力(笑)を持った事業があるからこそ、やっぱりそれに魅せられつづけているからこそ、また新しい何かを生み出していくことができている。

移籍者のみんなが、経験や努力によって手にしたものを、組織でいかんなく発揮してほしい。企業を前に進める原動力になってほしい。そうなると、経営方針や事業戦略と、もっと関連付けていきたい。個人の変化を組織の進化に結び付けていくには、各社の人材戦略や組織課題についてもっと深く理解したい。事業を立ち上げていくために、背中を押すための良い方法を模索していきたい。

つまり、どこまでいっても、移籍者のみんなの挑戦する姿が原動力なんですよね。彼らから刺激を受けて、気づきを得て、妄想して、試行錯誤して、前に進んでいこうと思います。

こんな自画自賛の文章を最後まで読んでくださった皆さんは、きっと同志です。共犯者です。ぜひ一緒に、面白いことを仕掛けていきましょう。

予測した未来よりも、結果的にたどり着いた今日のほうがよほど面白い。そして今日よりも明日が、良い日である予感。そんな日々を積み重ねてここまでこれたのは、応援してくださった皆様のおかげです。心から感謝を申し上げます。

そして、8期目を迎えたローンディールも、どうぞよろしくお願いいたします。


追伸、仲間を募集中です!

ローンディールという会社は、自分で言うのもなんですが、本当に素敵なメンバーが集まってくれています。そうすると、もうずっとこのメンバーでやっていればいいじゃん、っていう誘惑にかられなくもないというのが正直なところなんです。

実はこれ、5人くらいでやっていた時からそう思っているんですよね。

でも、結果的に仲間が10人になり15人になり、どんどん組織がおもしろくなっていく。そんな風にして今日を迎えています。だからこれからも、私たちの想像を絶して多様性をもたらしてくれる仲間と出会えることをとても楽しみにしているんです。

ご興味がある方がいらっしゃいましたら、まずはお話ししたり、会議に参加してみたり、そんなところから始めていきたいと思っていますので、お気軽にお声がけください。

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