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お茶会初参加で最初の失敗

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金曜日。
あれからもう一週間たつ。

前回の観劇では新しく澪と璃子というお友達もできた。
お友達といってもいいのかわからないが、食事に行った仲なのだから大丈夫だろう。

私は澪と璃子には年も近いせいか、気を許せるような気がする。
まだ出会ってほんの少しだけど、お友達になる予感っていうのかな。
今週も2人は来る。なぜなら土曜日は椿のお茶会があるから。
入り出とお茶会できっと会うだろう。
私の宝塚人生にちょっと楽しみが増えた。



ちなみに私は明日の入りに間に合うよう、金曜日の夜は仕事帰りにそのまま出発。
もう着替えとかお泊りセットもバッグに詰め込んで持ってきてある。
あとは新幹線に乗り込めば大阪に到着だ。


今日の宿は尼崎に取った。
初めて行く宿だから行く道がちょっと不安だけど、駅前だから大丈夫だと思う。
尼崎から宝塚は電車でほんの少しなので、次の日入りには余裕で間に合う。

本当は宝塚ホテルとかワシントンホテルに泊まりたかったけど、気がついたときにはもうすでに満室だった。

宝塚のホテルは数か月前の予約受付開始と同時にほとんどが取られてしまうので注意だ。特に土日祝日と初日、前楽千秋楽あたりは売り出し日に完売しているんじゃないかな。のんびりしていると全く宿が取れないという羽目になる。


ただ、交通費とかチケット代でけっこうお金使っちゃったから、ホテル代金が安く済むのはラッキーだ。尼崎のホテルは、土曜日ということもありそれでも結構埋まっていたけど安かった。


ホテルでゆっくり過ごし朝になった。
今日はいよいよお茶会だ。

この公演が始まる前から「何着ていこう」「えー、どうしよう」と迷いに迷った決め服は、半袖のワンピースだ。


私にとって椿のお茶会参加は今回が初めて。
ものすごい緊張する。

ちなみにお茶会の席は、当日会場でわかる。
それまでは自分がいったいどこに座れるのかまったくわからず会場に向かう。
一生懸命会に貢献していた人にとっては、この時自分のランクを知ることになるのだ。違う意味でもドキドキする。

私は今回初のお茶会だし、今までの貢献は一切ない。
今回の公演で会チケット申し込みは3枚。お花代は最低限しか入れていない。

(1,000円から受け付けています)

ってたしか書いてあったから、1,000円。
それも3枚頼んだのに1,000円だ。

知らなかったとはいえ、ヅカ友の澪と璃子から忠告されていた金額をはるかに下回っている。
いまさら取り返しがつかないけれども、顔から火が出そうに恥ずかしかった。


それもあって私は最初からお茶会の席については全く期待していなかった。
後ろで結構。むしろ登場と退場のとき見やすいよね、と席が決まる前から自分をなぐさめていた。



会場に到着すると、最初に知り合った古参ファンのAさんを見かけた。

「Aさん!」と声をかけると、笑顔で挨拶してくれた。
手には高級そうな紙袋を下げている。

「あ、これ椿に届け物なの」

そう言うとスタッフさんが出しているテーブルに向かっていく。
私は興味本位でついていくと、プレゼント受付のところでスーっと紙袋を差し出した。

「あ、いつもありがとうございます」

Aさんはスタッフさんとは顔見知りなのだろう。ものすごい笑顔で談笑していた。

ずっとあとでわかったことなのだが、普通の会員が同じようにプレゼントを持って行っても対応は違う。
まず「中にお名前のわかるものは入っていますか」と聞かれるのだ。
プレゼントに名前が貼ってある、もしくは名前入りのお手紙が貼り付けられている、どちらかがあることでやっと受け取ってもらえる。

そして「いつもありがとうございます」は言われることはない。
本当にいつもいつもプレゼントしていればもしかしたら言われるかもしれないが、一般会員でそこそこプレゼントしたくらいでは言われることはないだろう。
談笑なんてもってのほかだ。次の人が待っているから、流れ作業のように受け取られて終わり。

つまりAさんはファンクラブにとってもかなりの上客ということがこれでわかった。
それはそうだろう。舞台上の椿からあんなに挨拶されるのだから。

Aさんとは少し話しただけでその場を離れた。



会場で目立っていたのは天使さんのグループだ。
あの人たちは探さなくてもわかる。
椿のファンでも目立つグループ。


私はなんとなく気後れして遠くから様子をみていたのだけれど、しばらくして天使さんがひとりになった瞬間に声をかけた。


「天使さん、こんにちは!」

ひさしぶりー!と2人で盛り上がった。
すると天使さんのお友達も来て会釈をしてくれる。

「もうチケットは受け取ったの?」と聞かれ、私は「まだです」と答えた。

「早く取りにいかないと!」「席取られちゃうよ」

私はえっ!?と驚き「もう席決まってるんじゃないですか?」と聞き返した。

すると「テーブルは決まっているけど、席は早いもの順だよ」と言う。


ま、ま、マジですかーーー!!!それは知らなかったーーー!!!
慌てふためく私。

そんな私を見て天使さんは笑顔で「はやく行ってきなよー」と送り出してくれた。



ファンクラブのテーブルに行くと、チケット受け取りの大行列ができていた。
少しでも早く並んで受け取っていれば、もっと早くに座れていたのに。
ちょっと後悔しながらもチケットを受け取ってテーブルに向かった。










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