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せいかつの軌跡(16)

ラブレターの秋

今朝もトモシと散歩に出た。最近はストライダー(ペダルの無い自転車)にハマっているようで、短い両足で地面を蹴って毎日ニ時間近く近所を走っている。

稲刈りが始まり、あちこちで「はたらくくるま」を発見しては大喜び。栗やガマズミ、コスモスなど秋の花や木の実を見つけては、「こっち来て、見て!コレナニ?」と興味津々。活発な二歳児との散歩はちょっとハードだけど、道中の新鮮な反応やおしゃべりはものすごく面白い。

それに子どもといると、生きていること・生きてきたこと・生きていくこと全てを全肯定せざるを得ない気持ちになってくるから、何だか不思議。存在スゴイ。

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夕方、学校からツキイが帰って来た。部屋の隅で、二人でコソコソ何かをしている。

月「みらいちゃんに秘密のものを作ってるから、いいよって言うまで見ないで!」

灯「みないでー!」

み「はーい」

ケンカしたり仲良くしたりしながら遊ぶ二人の声を聞きながら、挽肉入りのカレーを煮込む。

「ごはん出来たよ〜」

声をかけると、

「こっちも出来たよ。じゃーん。」

並んだ二人から、順番にお手紙をもらった。中身はとても素敵なラブレター。小さな人の大きな愛に圧倒されて、ちょっと涙が出た。

「好き」って直接言われても嬉しいけれど、手紙に書かれているともっと嬉しい。私も誰かに手紙を書きたい。

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【今日のうた】

わたし宛届く手紙を待つ間

煮込むカレーに浮かぶ満ち月


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