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鎌倉ほのぼの散歩 四番「長谷寺」

これまでのおはなし。2019年。春から鎌倉三十三観音様参りを始めた空ちゃんとみらい。お参りを始めて3日目、鎌倉の大仏様のある「高徳院」から「長谷寺」に向かっています。

 某月某日、夏日。

 大仏様にご挨拶した後は「長谷寺」に到着。こちらも大きくて有名なお寺です。

 「長谷寺」には見どころがいっぱいです。浄土を表現した綺麗な庭園、弁天様を祀った弁天堂と、その先にある弁天洞窟、石段を上った先にある観音堂。その隣にある源頼朝が建てた阿弥陀堂、経典が収められた書架。写経場である書院、その他に博物館である「観音ミュージアム」、お坊さんの手作り精進カレーが食べられるカフェまでついています。


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 ところで、これまで触れていませんでしたが、お寺に参拝する場合、「拝観料」が必要なお寺があります。こちらの長谷寺のような大きなお寺の場合は、まずお寺に入るのに拝観料が必要で、だいたい300~500円程度。もちろん、無いお寺もありますし、「民家…?」というお寺もあります。本当に様々です。

 御朱印をいただくのに300円、そして長谷寺さんの場合ミュージアムで300円など、せっかく来たしといろいろと見て歩くと、某夢の国に行った時のようにちょこちょこと財布を開くことになります。観音様参りは、意外とお金(というか小銭)が必要です。交通費なども考え合わせると、月に何度も、というのは、金銭面からも難しかったりします。

 参拝を決めたときに普段の財布の他に小銭ケースを準備しましたが、とても便利でした。

 さて「長谷寺」はさすが観光地。じつに多国籍な人々で賑わっていました。その後の予定も控えている私たちは、まずは御朱印をお願いし、番号札をもらうと、急ぎつつも念入りに参拝。その後ひとつひとつ見て回って、観音ミュージアムも堪能いたしました。観音様についての文献や絵巻などがあり、観音参りをする人にとっては、必見と言ってもいい博物館です。(※長谷寺縁起絵巻は、2021年秋現在、年に一度の公開中、だそうです。)

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 やはり印象深いのは、8世紀前後の伝説の僧侶、奈良の長谷寺の開祖とされる徳道上人のお話。1本の楠から掘り出した2体の観音様のうち、1体は奈良の長谷寺に祀り、1体を海に投じたところ、その1体が数年後横須賀に流れ着いたのでこちらにも長谷寺を建て、祀られた、というお話。

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 そもそもこちらの十一面観音様は、なんと全長9メートルにも及ぶ、木造では日本最大と言われる観音様です。2体分ですから、いったいどれほど大きな楠から掘り出されたのでしょうか。ふむふむと頷きつつ、再び観音様のご尊顔を拝しに戻ったりしました。

 ちょうどお腹も空いてきたので、境内にある「お食事処『海光庵かいこうあん』」さんへ。やはりここまで来たからには「お寺のカレー」をいただいてみたいところ。動物性の食材を使わずに仕上げたカレーはビーガンの方でも食べられるとか。

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 レストランは、カフェというよりはどちらかというと「食堂」の雰囲気。由比ガ浜を一望できるという窓際は埋まっていて、部屋の中央付近のテーブルで食べましたが、そこからも海を見ることができました。カレーは想像以上に優しいお味で、野菜たっぷりで身体に良さそう。美味しかったです。

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 カレーを食べつつ、次の場所「成就院」に行くルートを相談したふたり。外に出ると

 熱ッつ!!

 酷暑でした。

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鎌倉ほのぼの散歩のマガジンの表紙に採用した「和み地蔵」様です。

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 絵馬の上には、涼し気にしゃらりしゃらりと鳴るウィンドベル。

 風鈴じゃないのね…どこまでもシャレオツね…

 あんまり色々観たのでうっかり御朱印受け取りを忘れそうになりました。

 2021年現在、「長谷寺」では、ご本尊の十一面観音様が造立1300年を迎えるにあたり、全身像の御開帳を行っているそうです(普段は足元は壁で覆われていて見えません)。それを記念するプロジェクトの一環として、なんと!

 江ノ電で、『観音列車』が運航されているそうです。

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(画像は江ノ電さんのサイトより)

 たまたま江ノ電に乗るチャンスがあった空ちゃん。駅員さんにそれとなく聞いてみたら、運航ダイヤが決まっているわけではなく、乗れるか乗れないかは「運しだい」だそうです。おお……なんかそれもすごい。

 「巡り合って乗ってみたいけど、でもさ、極楽浄土を表現した車内って、よーく考えるとなんか……ちょっと……ちょっとだけ、怖くない?」

 空ちゃんの言葉に、思わず映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』を思い出してしまった私です。うん、確かに。確かに、巡り合いたいけど、すっごく乗りたいかどうかは、わからなくなってきたぞ……

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