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恋がわからなくても
2022年1月10日からNHKで放送されている『恋せぬふたり』というドラマを観た
このドラマで描かれているアセクシャル・アロマンティックの当事者として思ったことを、今の自分の気持ちの整理として書いていきたい。
世の中って恋愛至上主義で、恋愛する以外の選択肢がなくて、生きづらい
を痛々しいほどリアルに描いた1話前半
恋愛感情が分からないが故に対同性、異性への対応が変わらない主人公(咲子)が、職場の後輩から一方的に恋愛感情を抱かれ、また両思いだと勘違いされてしまう
ルームシェアをする予定だった友人(恋愛しないことに理解があると思っていた)が直前になって元彼とヨリを戻すことになり、「はやく運命の相手と出会えるといいね」とか言われてしまう
両親は結婚を期待しており、結婚して出産した妹の存在や家族にとっては何気ない会話の節々からプレッシャーを感じている
その他諸々…
わかりすぎて私が脚本書いたかと思った。
私が悪いのかな…と思う咲子の気持ちが本当にわかりすぎて、悪くないよ!と抱きしめたくなる。
私は人として大切なものが欠落した人間なのかな、自分の存在って誰かを傷つけてしまうのかも、みたいなことを考えてものすごく悩んでいた過去の自分と咲子を重ねてしまい、覚悟して観ていたつもりだけど前半の内容はかなり苦しかった。
そして1話中盤
モヤモヤを抱えた日々の中、苦しみの中で咲子は【恋愛 しない わからない おかしい】と検索する
検索結果は《恋愛しない若者〜》《恋愛が面倒〜》みたいなものばかり(リアルにそういう検索結果が多い)だが、その中で《アロマアセク〜》というサイトを見つけ、アロマンティック、アセクシャルという言葉と出会う
このシーン、咲子のこれまで言語化出来なかった気持ちが肯定され、世界が広がっていく感じが鮮明に描かれていて本当に良い
私自身、高校生の頃、泣きながら【好き わからない おかしい】と夜な夜な検索した。
検索結果には的外れな言葉ばかりが並んで心が打ちのめされた。自分は何者なんだろうと毎日自問自答した。
救いが欲しくて、検索結果を何ページもスクロールして、やっと見つけたアセクシャルという言葉、それに私はどれだけ救われただろうと思い返した。
きっと咲子もかなり救われてるよなあと思って、グッときた。
そして物語は進み、
サイトの運営者が知った人(高橋さん)だと分かり、これまでやこれからの悩み不安を打ち明ける咲子に対して、わがままとは思わないと断言する高橋さん…
こうやって言葉にすることって簡単なようで難しいよな、咲子がこんな人と出会えてよかった(親?)
そして、救われた高揚感のまま咲子が「家族になりませんか?」と突拍子もない提案をして、
高橋さんが「僕のこと舐めてます?」と返して1話終了
良い返事すぎる
セクシャリティが同じだからって価値観が同じな訳じゃない、そんな出会い頭にいきなり…舐めてんの?ともなるよなあ、、
1話前半は特に説明的な役割もあるからか、当事者や他のセクシャルマイノリティの方、また異性愛者でも今は恋愛したくないなあ…という方にとっては結構内容がグサグサくる感じだったのではないだろうか。
セクシャルマイノリティの中でもマイノリティな、アロマンティック、アセクシャルを題材にしたドラマというのは今までに無かった様に思う。(単に無知なだけかもしれないが)
今回、ドラマを観るにあたって随分身構えていたが、考証のメンバーや、スタッフブログも読んでみて、かなり誠実に作って下さっていることがわかり本当に有難いなと思った。
LGBTへの理解は数年前よりも進んでいるとはいえ、それでもまだまだ異性愛が普通という考えは世の中に圧倒的に蔓延しているし悪気なくその考えを押し付けられてしまうことも多々ある、
けれど…
恋がわからなくても、恋愛しなくても、誰を好きであろうとなかろうとも、それもひとつの生き方として尊重される世の中がすぐ近くにあることを願って。
2話は1月17日
今後の展開に期待して観ていきたい。
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