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おお!虱やがな。
虱ってなんて読むかわかります?
シラミです。サラミちゃいます。
おそらく子どものいない方や流行した地区ではない方は絶滅していると思っているでしょうが、
この現代ニッポンにまだ生息して繁殖しています。
時遡ること16年前、お兄は小学1年生。
可愛さあまってお兄の頭を撫でた時、
お尻の三角の虫が髪の毛から飛び出てきた。
びびびびっくりした‼️
ナニコレ?ナニコレ?なんなのコレ?
頭から尻三角の虫意味わからない。
とりあえずティッシュにくるみ
どうしていいやらわからず、
実家の父に電話をする。
小児科医だからだ。
「お父さん、○○の頭からお尻の三角の虫が出てきたんやけど、何科に行けばいいのやろ…」
と聞いたらこともなげに
「それシラミやな」
…と言うではないか。
シラミ、シラミ、シラミ。
私らの子供の頃には絶滅していて、戦後の子供が
頭に粉振りかけられてる白黒映像は見たことはある
そうあれは「DDT」と呼ばれる薬ではなかったか。
愉快なバルーンアートの風船を膨らますポンプみたいな道具で雑に薬を振りかけられていた戦後の子供たち。
今は平成ぞ!嘘と言って
シラミと告げられた瞬間時空が歪んだ。
あわあわする私に父が
「そんなん病院行かんでもええ。行っても無駄。
薬局行ってスミスリンっていうシャンプーを買ってきなさい。それを続けながら卵は手で取ってやること。使い方は説明書に書いてあるやろ!
卵にはスミスリン効かんからな…」
と言われてそんなシャンプー見たことないし、
売ってるわけないと半信半疑で薬局に走ったら、
売ってるやん。普通にスミスリン。
ナニコレ?メジャーなん。
帰宅して確かに落ち着いてよーく見ると髪に白い小さな粒が付いている。
シラミ調査隊と化した私は次男坊の頭も観察したら
おるやん!シラミおるやん!
父にもう一つ言われていたことがある。
「低学年の子どもは頭を寄せてする遊びが多いやろ。ゲームの画面を見たり絵本を読んだり、
せやから遊び友達もみんな駆逐しとかな、また感染するぞ!」
えええええ!わが家だけでこの生き恥、
秘密裏に処理しようと思ってたのに……
しょうがねぇ…
近所の遊び友達の家を一軒ずつ回った。
うちの子にシラミが湧いていた件を話すと、
お母様方はあまりに驚き、パニックになる。
わかる!わかるで!私も時空歪んだからな。
「見たことないから
わからない!見て!」と言われ、
調査隊と化した私はシラミ判断士となっていた。
ほぼ100%遊び友達にも湧いていた。
第一発見者は酷やで。
シラミが湧いたこと、遊び友達の100%にも生息していたことを学校に電話して知らせる義務がある
うちだけの問題として秘密裏に処理したかったのに………。
結果、学校調査により大量の生徒に発生していることが発覚。シラミ発生についてのプリントを配布する…という規模で展開してしまった。
しばらく、
「○○くんのママ(私)なら、シラミおるかおらんか分かるで!」という評判が流れて、付き合いそこまででもない同級生も連れてこられて何人もの子どもの髪の毛をかき分けてシラミ鑑定を遂行した。
なぜ今頃、こんな話をするかって?
大晦日のスーパーでシラミ湧いてる子を見つけてしまったからだよ!!
あの時培われた「シラミ’S eye」は老眼かかった
今でも健在だった。
ただ、突然知らんおばさんから「お宅のお嬢さんシラミ湧いてます」と言われても「そんなはずない」と怒る親もいるので、シラミに関しては見つけてもそっとしている。
それくらいシラミショックはでかいのだ。
1人出れば学校には大量発生している。
きっと学校から注意喚起のお知らせが配られるだろう。
シラミにはスミスリン。
わが家の場合、その後、何度となく湧いてはスミスリンで駆逐する日々が続いた。
高いんだよな…スミスリン。
当時、底値の薬局を見つけて仲のいい友人にだけそっと教えた。
2年くらいは「またシラミかよ!」とスミスリンを繰り返していた。だんだんと慣れるもので処置も手慣れ、子どももスミスリンをナチュラルに受け入れていた。スミスリンは頭全体に馴染ませた後
5分くらい放置しなければならないのだ。
比較的高学年になるとそれなりにパーソナルスペースが広くなり頭を寄せる機会がなくなるのでシラミも発生しづらい。
あのシラミと格闘した時間、
忘れられない名前
スミスリン…。
大晦日のスーパーで久々に見たあいつ。
ああ、懐かしきあの猿の親子のような日々。
それもまた走馬燈の1ページである。
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