すわわ!またガンが出た!
2年前の告知の時、ホルモン由来の悪性度の低いガンが左乳房に広がっていて、
MRI画像を見て「これ、全摘ですよね…」と自分から言ってしまうほどに1センチほどの腫瘍が1つと思っていたガンは米粒を撒いたように白く写っていた。
マンモグラフィに映ったのは最初に触ったシコリだけだ。MRIおそるべし。
ガンになったとはいえ、昨日まで知らずに生きてスキップ踏んでいたのだ。急にしおらしくガン患者っぽくなるのもちゃうよな…と検査の結果乳がんになったとInstagramに書いたら、たくさんのガン経験者や乳腺外科担当の看護師さんからDMで
今の生活をそのまま継続していけることや治療は
大変だけど生きてます!というメッセージをたくさんいただきました。
持ち前の好奇心で日本乳癌学会の本を熟読し
レベル1〜最悪のシナリオまで脳内チャートを組み上げるのに夢中で結果を聞くまでの待つ時間はそれほど感じなかった。
患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版 https://www.amazon.co.jp/dp/4307203992/ref=cm_sw_r_cp_api_i_IqIMFbN91Y687
ちなみに乳がんになれば「日本乳癌学会」の本、
またはサイトが最強であると断言しよう。
リンクを上に貼ったのだがうまくサムネイルがハマってくれないが押せばamazonのページに飛びます。
noteたまにこれあるんだよね。
上手くリンクが埋め込めない。上手く行くときは上手く行くのに…。
正しい知識は懐刀(ふところがたな)
先生との話も対峙して自分で納得するまで話合えるからだ。
アトリエの乳がんコーディネーターの方に教えてもらった。あの時は的確なアドバイスをありがとう。
私のようなタイプは下手な慰めよりも
正しい知識を入れることで奮起するらしい。
さて、今回の話に入ろうか
気分も上々、ガンの手術から2年経ち抗ホルモン薬で忘れっぽくなったり疲れやすくはなるものの、
普通でも更年期世代である。それにしては動ける50歳。ゴリラ並みに元気であると自負していた。
コロナ禍の中にあってもありがたいことに我が職場は忙しく、
仕事もバリバリこなしつつ、2年前にやっていた自治会長の任期満了時に懇願されて受け持ってしまった国勢調査員もこなしていた。自覚症状?ナイナイ!
術後2年の精密検査が10月13日(火)にあって
先生に「ちょっとね、7月に受けた腫瘍マーカーの数値が高くてマンモグラフィに影映ってるから今日は針生検を受けてちょうだい」と言われて
「へっ!?」
……と声が出てしまった。
去年と同じようにスルーだと勝手に思っていたからだ。
「再発かよ〜!」
と思いながらも二度目ましての針生検。
先生は「みほさんみたいに痩せたタイプ(貧乳と言わないところが紳士的)は取るの緊張するんだよね。
変なところ刺したら大変でしょ」
と言う。なるほど、それは知らなかった。余白が少ないのだから相当緊張するに違いない。
「いやいや〜そうは言っても先生はこの道長いでしょう。先生のテクニック信頼してますよ」と冗談も言えるくらいに親しくなっている。
針生検を受けて、結果は2週間後ということになった。
……家に帰って冷静に分析するに、
NCC-ST-439という値が去年の10倍になっている、
1年間でこの数値。
そしてマンモに映った、1センチに満たない数ミリの影…クロやがな。
そうなると坑ホルモン薬を越えてくるタイプのやつ
都合よく考えると、
もしかしたら左の発見の時に種子が出来ていて
この度の時間経過で初めてマンモグラフィに映る大きさにまで育ったのかもしれない…と初めは仮定してみたものの
だがしかし、1年でこのスピード。
左は1センチほどになるのに5年はかかっていると
先生があの時言っていたではないか、しかも今は抗ホルモン薬のタモキシフェンを欠かさず飲んでいる。
だとすると抗ホルモン薬を越えてくる進行度は速いタイプだ。
抗がん剤治療も視野に入れておいて間違いないだろう。
再発するときは初めてよりショック‼️
…というのは本当だった。
なんでも体験しないとわからないもんだね。
想像していたとはいえさすがに動揺した。
まず考えたのは職場の人員確保だ
ガンとなればまた長期の休暇をいただかなければいけない。ただでさえ今スタッフが足りない。
勤続もう少しで10年。ショートタイムとはいえ長く勤めるとお店の事情もわかってしまう。
まず店長とフロアリーダーにLINEで人員確保のお願いをする。2週間後に結果が出ても最低2週間はあるのだし、1ヶ月あれば募集をかけて採用してくれるだろう。それに治療が終われば復職するつもりだ。
繁忙期前の突然の戦線離脱は申し訳ないが仕方がない。針生検から家に帰って手術を視野に入れてすぐKindleをプライムセールで買ったりfireタブレットにNetflixの韓国ドラマや好きな映画をダウンロードしはじめた。入院する気満々。
コロナで誰も訪ねてこない。
ラッキーだぜ。前回、連絡なしにお見舞いに凸され見られたくない姿を美しく着飾ってメイクもしっかりキメたママ友ズに見られたのだ。
正直あれ、萎えたし本当は嫌だった。
お見舞いって普通、打診してからじゃない?
パジャマ姿のどすっぴん、胸からドレーン、髪はボサボサ……自分やったら見せたいと思う?
連絡くれてたら「退院してから会いましょう」と答えたはず。不意打ちでくるとは武士道に反する行為。
旧知の友ならありがたいがそこまでの関係でもない。
お見舞い…気をつけてください。
自分の気持ちで走ったらダメ!絶対!
どうしても行きたいなら連絡を取って許可をもらってボロ目の服を着ていくのだぞ。
華やかな格好をしていくでない。
しかし今回はその心配はない。
心置きなく療養できる。ハマりにハマってる和歌の本を好きなだけ読むつもりだし靴下を編みかけている。
前回の手術で私のような痩せたタイプは術後の痛みがほとんどないこともわかっている。
準備万端整えて臨んだ結果発表は予測していたものと一致していた。
ルミナルB、進行度の速いタイプのガンだ。
抗がん剤治療もする。
再発ではなく新規の発生。
新規と聞いてポイントカードを思い出してしまうあたり職業病。新規て!
おっぱいって二つあるからそういうこともあるらしい。細胞って不思議だよなぁ。
身内に既往歴ゼロ、
痩せ型、タバコもお酒もせず、甘いものも食べない、
CTに映った画像は内臓脂肪がひとつもない。
レッツ!ピラティス!体幹ばっちり内臓脂肪はゼロだって。しかし乳房にはご新規ガンができている。
私の希望で全摘手術にした。
そのことも夫と話し合い夫も
「両方パットやと盛り放題やで」と言う。
前回、「乳がミホやない、ミホに乳が付いてただけや!」と名言を残した男。健在。
左にパットを入れて補正しているが1番小さいサイズなのに右よりデカいので中身を取り出したり調整するのが面倒だったのよ。地味に面倒。
お風呂で片方残ったプチな乳を見るたびに
「これ、要る?」と思っていたので
迷うことなくアンジェリーナ・ジョリー選択。
完全なるGOフラットである。
乳がなくて困ったことは一度もない。
そして個人的におっぱいにアイデンティティを感じたこともないのだ。虚無。
2週間の間の夫婦の対話は濃厚なコッテリとしたもので
「これからはこういうことの繰り返しかもしれない。あなたも覚悟して一喜一憂しないでね」とか
「私の方がもしかしたら先に逝くかもしれない。
1人になってどう生きるかもきちんと考えてみて」
など厳しいとは思ったけれど、どんなに仲が良くても最後は一緒に死ねないでしょ。
前回、燃え尽きた矢吹ジョーみたいに真っ白になってたから夫の気持ちを慮るにかなり厳しい言葉だったと思うが、人間死亡率100%を生きてんのよ。
21歳の頃からの付き合い。なんでも分かち合い苦楽を共にしたパートナー。
仲が良いのは時に残酷である…と思う。
初めて「これからの人生」について私がいないというオプションコースを想像してみたものの
ショックで夫が熱出して「すわ!コロナ?」
というアクシデントもあったが、
知恵熱だったみたい。かわいい人…。
それだけ愛されているのだ。素晴らしきかなこの世界。
これから始まる治療に対して、
ほんの少しだけ好奇心が勝っている…
辛くなったら辛くなったで
「噂に聞いてたけどコレか〜」と思うのだろう。
そうして職場のLINEのシフト発表で私の欄が真っ白で出た。
他の人に説明させるのも申し訳ないので自分から休職に至る経緯と私の受け持ちの仕事の申し送りを文書にしたためて投下した。関係者各位には衝撃を走らせて申し訳ない。
結果待ちの間も変わらず明るく元気にバリバリ働いていたのだから
職場仲間の衝撃たるや…アハ、すまねえすまねえ。
個人LINEでたくさんありがたい励ましももらったが中には
今にも死にそうな扱いやな!っていうのと
「身内がガンで苦しんだので相談に乗ります」…というのには萎えた。
まだやってない抗がん剤治療のことを「あれは辛いから相談乗ります!」と言う本人やってないのだから参っちゃうよね。
デリカシーどこに置いてきとんねん。
こういうのって想像力だよなぁ…と私は思うのである。相談するなら家族かガンサバイバーだろ。
幸い家族仲も良好、ガンサバイバーの友人はたくさんいるのだ。
これは言っとく
ガン、簡単に死なんよ!
ガン=死病っていつの時代のイメージよ
昭和か!
そんなわけでゴリラ元気なガン患者は再びの治療へGOGOするのである。
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