ガンになるのは不幸なのか?
2018年の秋、左乳房にガンが出来ていることが
わかって料理人の夫はその日から台所にも立たせてくれなかった。
要するに「安静にしてろ」ということなのだが、
今思えばそうすることで自分の心の均衡を保っていたのだと思う。
それに反して私はなっちゃったものはしょうがないし
スティーブ・ジョブズも民間療法で死期早めちゃったわけだし、正しい知識を貪欲に吸収することに夢中になっていた。
世の中にはお金儲けまたは本気で信じてるのかも
知れないが訳の分からない輩はどの世界にもいる。
医師とて同じだ。
SNSというツールを早くから楽しんでいた私は、
隠してもしょうがないなぁ…と早々に乳がんになったことを正直に書いた
会ったこともないみんなが
本気で悲しんでくれたり、自分もそうだよ…と教えてくれたり、乳がんになったとて今後の生活が変わらない…と言うことを教えてくれた。
Instagramでは料理アカウントと趣味及び生活アカウントの2つを使い分けているのだが私の趣味も全て知り尽くしている人たちが継続可能と太鼓判を押してくれた。
SNSってすごい!ってとても感謝した。
さてさて、
あれから2年が経とうというこの10月中旬、
1年に一度の精密検査で残ってる右乳房に影が映った
腫瘍マーカーのNCC-ST-439という値が基準値が
7.0U/ml以内のところ去年が3.0u/mlで今年は32U/mlてーーーー!!!!まさかの10倍。
完全クロやん!!!!!
自覚症状は全くなかった。
コロナ禍の中、マスク越しでも私の声が響いてると職場のみんなは笑っていた。「お店にみほさんがいると明るくなる」と言ってくれ、「コロナもみほさんには負けますね」などと言われつつ元気に逞しく片乳生活を謳歌していたのに。
2度目の再発かも違うかも…はなかなか感慨深いものがあった。
さすがにショックであったが結果までの2週間もガッスガス働いていた。
1度目のガンから復職してからは若い子の成長に出来るだけ貢献したいと自分はそう思って働いてきた。次世代育成を目指してがんばってきたのだ。
休職の日までしっかり勤めあげたい。
見とけ!ワシの生き様を!
母にLINEで知らせた時だけ涙が出た。
だけれども、
泣いたところで、落ち込んで寝込んだところで、
ネットで都合のいい情報を探したところで、
真実がねじ曲げられるわけではない。
検査結果こそが事実なのだ。
そして2度目のガン宣告後も普通に生活して
夫も今回は私の作ったご飯を食べている。
「抗がん剤治療が始まったら気分が優れない日があるかもね…ご飯どうしよう」と夫と次男坊に言ったら2人揃って「なんか問題ある?なにが心配?」と返ってきた。
大学生の次男坊も料理人の家庭に生まれたのに料理ができないことがコンプレックスでスーパーの惣菜部門にバイトに行き、今では学生のくせにパート・アルバイトを仕切るくらいソコソコ料理ができる男になっている。
要するに「俺たちに任せておけ」ということだそうだ。お、おう…頼むぜ。
次男坊に関しては「キミ、頭いいのにそこをコンプレックスに感じるんや…」とこっちは思う。
関西で言う「カシコ」なのに人っておもしろいと思う。
反して、姑こと雪路は料理はまるでダメ子なんだから戦力外甚だしい。
雪路に「私が調子悪かったら男たちがなんとかしてくれるってさ…」と告げると安堵していた。
雪路はそれでええんやで。それこそが雪路やん。
人生2度目のガン宣告。
ドラマと全然ちゃうやんバージョンは相変わらずだ
(ガン告知を受けた人ほとんどが同じことを言うのでガン告知、思ってんのと違う!…ということを今日は覚えて帰ってください。)
再発ではなくタイプの違うものが新規でできていた。よほど居心地のいい乳なのだろう。
痩せ型で内臓脂肪は全くない。ほんの少ししかない脂肪分の小さな胸に住み着くとは狭小住宅マニアか。
前回同様、結果待ちまでの間に日本乳癌学会の「患者さんのための診療ガイドライン」を2年ぶりに熟読。
あらゆるパターンに自分自身が対応でき、かつ主治医の先生と最善の方法を模索したいと考えていた。
患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版 https://www.amazon.co.jp/dp/4307203992/ref=cm_sw_r_cp_api_i_Su5OFb6796VZF
私のはひとつ前の2016年度版なんだが、
要観察の方も読んでおくといいかと思う。
Twitterも私は活用しているのだが
そこで「インチキ医学」「トンデモ療法」を無くしたいと考えながら発信している大須賀 覚先生を知った。
私は自分はガンになる前、
ガンというカテゴリーでひとくくりにしていた。
こんなに一口にガンと言っても
由来も治療方法も無限にあるのに
ガンはガンというものでしかなかった。
なにもガンについて知らなかった。
https://www.amazon.co.jp/dp/4478106894/ref=cm_sw_r_cp_api_i_rB5OFb5F4QMYA
amazonのリンクをはめ込めるはずなんだが、
この間からどうもうまくいかないが上記の下線が引いてあるリンクをタップしてもらえればamazonの書籍紹介に飛ぶようにはなっている。
こちらの本もおすすめだ。
結果発表の日に手術日まで決まった。
早っ!!!
今は入院準備を淡々とこなしている。
休職ライフも楽しんでいるのでなかなかに忙しい
私がやだなぁ…と思うことに
○ガンは頑張り屋さんにできやすい
○頑固だからガンになった
○ストレスをためたからガンができた
などの語呂合わせか!などの都市伝説。
ガンを知らない人ほどそう言うことを言うのだ。
確かに頑張り屋で頑固ですけど!
ガンはほとんど偶発性のものらしい。
ストレスが原因なら内戦状態の国で生きる民のストレスたるや日本に住む我々には計り知れないものがある。
ストレスが原因ならその国だけ突出してなければおかしいではないか。
私はアンジェリーナ・ジョリーよろしく
乳がんになりやすい遺伝子だったのかもしれない
1人の人間が生まれるのに3億人必要だと言う。
父と母、そのまたそれぞれの父と母と遡ると膨大な数になるだろう。知ってる限りの身内に既往歴はないが、
どこかで乳がんになりやすい遺伝子があったって不思議ではない。
ガンになると皆、嘆き悲しんでくれるが
本人は「そこまでじゃないんだけど」と思う。
ガンになったおかげで正しい知識を精査するという能力が身についたのだ。おかげでコロナ禍の最中もガセネタに翻弄されることなく過ごすことができた。
勝俣範之先生もTwitterで有益な情報を発信してくれている。
これから抗がん剤治療もする私にはとても為になる情報だ。左胸も少しも惜しいと思わなかったので右胸も全摘するが髪の毛も然り。
抜けてもまた生えてくるのだから大丈夫。
再びのガン患者にはなったが毎日、
普通に生きている。
ガンを必要以上に恐れず、
共存体制で生きていけばいいと私は思う。
個人の考え方、生き方、習慣で受け止め方も変わるだろうが、ガンになったからといって私の本質が変わるわけではない。
これから開ける新しい扉の向こうにいろんな出来事を体験した自分が待っている。経験したことは無駄にはならない。
ガンになるのは不幸なのか?
否、私はそうは思わない。
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