見出し画像

わがルーティンの記。

髪を切りに行った大学生の次男坊が帰ってきて、


「今日の美容師さんな、一回ずつハサミとクシを
カチャンカチャンとリズミカルに当てんねんな。
あれ、おかんが前言うとったヤツやんな」

と話しかけてきた。

おかんが前言うとったやつというのは、


私も大きなパンやスピードのいるもの、気合のいるものを切るときに
包丁の刃先をコンコンっと二回まな板に当てるのだ。
無意識に昔から。

おそらく調理師時代からの癖なんだと思う。

そして次男坊は
「それ、イチローとか五郎丸とかのヤツと同じなんやろな…一回集中させるのにやっとんねん」
とおかんを恐ろしい羅列にぶち込んできた。

ヤメロ。ワシのはそんな高尚なものやないんやで。
ただの癖。
カチャンカチャン美容師のソレは客にしてみると
当たってるし!うるさいし!若干迷惑だったらしい。

やだ!おかんのコンコンッもそっち寄りでしょ。
イチローさんや五郎丸さんのとは絶対違うよ!


しかし、ルーティンというのは意識・無意識に
関わらず身についてしまっているもので、
過去に料理人として調理場勤務をしていた私は


ある程度の重さと大きさのものを水から引き上げる時にザルで水を切ることがルーティンワークだった。


長男出産後、病院の新生児沐浴指導で
お湯から引き上げた長男を上下に
「ジャッ!」っと
水切りしてしまい看護師さんに

「水!切らないで!!!!!!」

…と超絶焦らせたことがある。
重さといい大きさといい過去の経験から無意識に水を切ってしまった。

「あ!すみません!」

と、コレまた調理場勤務を彷彿させる気合の入った返事をしたが新生児の水切った人は初めて見た…と苦笑された。

そりゃそうだ。
普通の主婦が扱うわけない大きさのザルを使って大量のものを水切ってきた経験則が勝手にやってしまったのだ。普通の主婦は絶対やらない。


あの時の看護師さんびっくりしてたな。
「新生児揺さぶり症候群」などの記事を読むたび
脳内揺れなくて良かった…とホッと胸を撫で下ろす

どうやら後遺症なく健康に育っているようだ。
水切りされた長男はもうすぐ23歳。


無意識のルーティン、ありませんか?
私はそれ以来、水切りは慎重です。


そんで絶対イチローと五郎丸のヤツとは別物だってわかってます。




うれしかった時にお金を入れる缶がわが家にはあります。1年間のうれしいをまとめてクリスマスに募金しております。サポートしていただいたら世界のどこかで役に立つかも!