noteお題企画 私の勝負曲 -届きそうな気がしてる-



スピッツのルキンフォーである。



じわじわつらい、けど、ここを踏ん張れないともう立ち直れないような気がする、そんな究極の局面に立ち合ったときに、頑張る力をくれる曲である。

聴き始めたのは社会人になってからだ。性格として、おそらく会社員に向いてなく、新入社員のときは社会人らしくするのに、つらかった。毎日同じ時間に会社に行くこと、上司という存在、パソコンに向かって何かをやった気になること。しかも、最初の配属地が関西だった。わたしは青森県育ち、東京進学の人間。初めての土地、初めての仕事、慣れない会社員。

毎日なんとなく、つらい。会社員として生活することは、事実上、向こう何十年は変えられない。ここから抜け出せない。このまま、毎日に負けちゃって、じわじわ弱ってしまうのだろうか。そんな気持ちでふさいでいたときに、ルキンフォーを聴いた。

すっと肩の力が抜けて、自分のことを信じられるようになる。柔らかいメロディーに全身を委ねたくなる。いまのままで絶対大丈夫だよ、と強力に後押しするような歌ではない。ルキンフォー。探していこう、という。つらいこの期間はだれでにも起こることなのであって、その先に一筋の明かりがあるはずだ。この局面をきっと乗り越えられる。安心感とともに、そんなイメージが自然と湧くようになるので、いつも不思議に思う。

それから、いまが勝負、しんどい、でもこの状況を踏ん張れないと、このままでは心が、プライドが、自信が、負けてしまうと思うそのとき、スピッツのルキンフォーを聴くようになった。応援歌、というよりも、聴いているだけで何かか成功する、うまくいく気がするという、精神的な、お守りみたいな歌になった。

先月、8月終わりくらいから、急に仕事が忙しくなった。難しいネゴにあたり、会社対会社のガチンコ勝負の前線にあり、社内外からのプレッシャーが大きい。業務量とプレッシャーに押しつぶされそうで、今にも泣き出しそうだ。追い打ちをかけるように、今日、他部署の偉い人に舐められ、クソどうでもいいクレームを受けた。しょうもない仕事の優先順位を不当にあげようとされたため、それはおかしいと、若干キレ気味で対応してしまう。他人からの評価や序列に無頓着すぎて、自分の正義を押し通そうとしてしまう、まだ全然「社会人」になれない自分のことを、未熟すぎると、まためそめそ反省する。

この歌では、届く、と言い切らない。届きそうな気がする、と歌う。暗く長いトンネルの中で、それでも、出口の一筋の光が遠くにかすかに見えるような、近い将来に希望を持ちたくなるような、前を向く勇気をくれる。わたしもいつか、社会人、サラリーマンとして、立派に大成する日が来るのだろうか。そういうことを、ふと考えたくなる。

ルキンフォーを聴かなくてはならない。届きそうな気がしてる。一体なにに?それでも前に進んでいく。なにか光が見える気がするからだ。


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