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私の中のもうひとりの私との再会。

今日は思い立って、少し遠くの公園まで。

夫も夏休みなので、ドライブがてら
バスケットゴールのある公園を目指す。


緑が多い都内の公園。

お盆休みだからか、それとも暑いからか、
日曜日の午後にしては人が少なく感じる。

緑が多く、川が流れ、土のある場所は、
ひんやりと涼しい。

コンクリートを剝がしてしまえば、
温暖化もだいぶ緩和するんじゃないかな。


そんなことを感じながら、
夫と次男がテニスの壁打ちを楽しむ姿を眺める。

バスケットボールをしたくて向かった公園だったが、
先客とあまり馴染まなかった次男が、
夫が持参していたテニスに興味を持ったのだった。


一通り遊び終わって駐車場に向かう途中、
トイレ待ちをすることに。


目の前にはサッカーコートがあり、
小学生の少年たちが試合をしている。

コーチが大声で檄を飛ばすのを聞きながら、
一生懸命に走り回る少年たちの姿を
ボーっと眺めていた。

コート脇では数人の少年たちが、
軽くボールを蹴りながらウォームアップをしている。

その時に転がってきたのだろうか。
ひとつのサッカーボールが私の少し前に
転がっているのに気付いていた。



突然、

「こんにちは」

という声が聞こえ、ふと我に返る。


目の前にひとりの少年が立っていた。

小脇にそのサッカーボールを抱え、
まっすぐに私の目を見て、
彼はそう言った。


咄嗟に、こんにちは、と笑顔で返すと、
彼は深々と一礼して戻っていった。


私の中の何かが強く反応した。


その少年の真っ直ぐな眼差しと、
一点の曇りのない素直さに、

一瞬にして私の心が揺さぶられた。


あの純真さ。
あの透明さ。
あの素直さ。

淀みのない、真っ直ぐな眼差しが、
私の奥深くに眠っていた何かを揺さぶり起こした。


そんな瞬間だった。


夫と子供が戻ってきたので、
駐車場に向かって歩き始めたのだが、

あとからあとから涙が溢れて仕方なかった。


あまりにも透明なものに触れ、
その尊さゆえだろう。


そう思えるのも少し時間が経ったからで、
あの時はただただ溢れる思いと涙を味わい感じていた。


そして、そんな風に味わい感じながら私は、


彼は私だ


とわかった。

彼は、私の中に長いこと眠っていた、
もうひとりの私なのだ。


そして、彼のあの純真さは
私の中にもある純真さであり、

それこそが今の私にとって
道標になるものだ。


そんなメッセージを届けてくれた彼は、
まさに天使だった。


選択のタイミングにまさにいる私だけれど、

その最後のひと押しをしてくれたのは、
あの少年であり、
私の中にいたもう一人の私だった。


もう大丈夫だな、私。


そんな気持ちになって、今これを書いている。

何かが始まっていく。

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