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38/1095 ステージに立つ
いつもバルコニー席に配置される私たちは、この席の景色を見慣れすぎてしまい、イメージが固定してしまって当たり前にここを(無意識に)選んでいるのかもしれないと仮定した。
バルコニー席が当たり前になっていて、アリーナ席に座っている自分たちのイメージがないのかもしれない。だとしたらアリーナ席に座っている景色のイメージをより強化したらよいのではないだろうか?
頭の中でアリーナ席からのイメージを膨らませていたら、ふとフォトスポットが設置されていることをアナウンスを聞いて知る。せっかくだから行ってみようと友達と向かい、写真を撮影した後だ。ふとよく見ると、そこはアリーナ席の入口。まだまだ人がたくさん入場している時間帯、今なら紛れ込んでアリーナ席を体感することができる。
私たちはそこからアリーナ席に入って、その空気を感じた。バルコニー席とは全く違う空気と風を感じた。そしてなにより、ステージとの距離と目線が全く違う!ステージ最前列まで行ってみて、その距離や雰囲気や空気感を全身で浴びて染み込ませる。そうか、この感じをイメージしていたらいいんだ。そうして予約したりと現実的なtodoをちゃんとやりつつ、イメージで描いていくのだという実感がわいてきた。
その目線をイメージしながらライブを堪能し、終了後にビールを飲みながら友人たちと語り合う語り合う。。。ここでも気付きは深まった。
そして迎えた三日目、最終日。
この日は朝からとんでもなくいろいろな出来事が現実化し、そのスピード感に圧倒されつつ会場へ向かった私。
グッズを購入するのに1時間半も待ち、ようやく購入して会場入り。前日から打ち合わせていた通り、この日はそのままアリーナ席へ向かった。当たり前のように、フローに乗って、アリーナ席へ向かう私たち。
入ると昨日と同じ空気感と風を感じながら、それを全身に広げて味わいつつ、ステージを正面に見る。こういう目線だな、こういう景色だな。これが味わいたい景色なのだな。最前列に座ってみたりしながら、その感覚を味わい尽くす。
さて、出口に向かって歩き始め、出口を出ようとしたところでだ。後ろ髪をひかれ立ち止まった。「ちょっと待ってね」と友人に一声かけ、会場に戻る。何か見なければいけない景色があるように思ったのだ。
それは、ステージ側から観客席を眺める景色。
自分がステージに立ってみる景色の視点だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1683547517198-BYIyjR6KKn.jpg?width=1200)
これだ!
そう思った。これが今の私にとって最重要な景色だ。
自分が自分の人生のステージに立つ
そこに立って見える景色が、これなのだ。
目の前に広がるアリーナ席、天井まで折り重なるように埋め尽くされたバルコニー席。ステージに立っている人たちが見ている景色がこれなのだ。
推しのグループはいつも言う。みんなのおかげ、感謝しかないと、この景色を見て言う理由が分かった。
そこには上も下も、いいも悪いも、すごいもすごくないも、優劣も何もなく、ただただみんながそこに「いてくれる」というジャッジなき世界なのだ。
温かいまなざしで見つめ、拍手を送ってくれる人たち。もちろんそうでない人もいる。けれど、その人たちすべてがいなければ、このステージは輝くことができないのだ。すべての人がいてくれてこその、ステージなのだ。
それが、人生なのだ。
そう思うと、ありがとう、ありがとう、ただただ感謝しかない。
いつも観客席からステージを見つめ、いいないいなと言っていたのは、私だった。自分の人生であるにもかかわらず、ステージに立つことから逃げていた。それなのに観客席から文句ばかりを言い、あらゆるものをジャッジする。私はこんなはずはない、と、私はアリーナ席がふさわしいと、不平不満を垂れ流して生きてきたのは、この私だ。
でもわかったのだ。
私にふさわしいのはアリーナ席でもなく、観客席でなく、ステージなのだ。
ステージから観客席を見渡して、あらゆる視線やエネルギーを受け取ることのできる場所こそが、私の望む場所だ。
そこに立て。
そう、言われているように感じた。
そしてきっと、そう教えてくれたのだと思う。
ライブで曲を聴きながら泣くことなどなかった私だったが、この三日目は泣けて泣けて仕方なかった。あわや嗚咽する一歩手前だったが、号泣しながら音楽をも味わっていた。
バルコニー席からあらゆるものを見下し、ジャッジして生きてきた私は、ようやく自分が立つ場所を思い出せたような気がする。
一気に書いてしまったが、もう少し考察とその後の味わいをまた、つづっていこうと思う。
あどまーに!
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